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さて、先週のレッスンの時に、高校1年生の生徒がこんなことを言っていました。
「ラバー新しくしたんですけど、飛びすぎてオーバーします、どうしましょう」
ラケットもラバーも以前のものと変わりありません。厚さも商品も同じです。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
ラバーはゴム製品ですね。ゴムは擦られたり、空気に触れたり、汚れたりして劣化していくのは皆さん承知の事実です。
では、劣化するということは、ゴムがどうなることでしょうか?
「伸び縮みに弱くなる」「弾力がなくなる」「硬くなる」
このような状態になります。すると、ボールの回転量とスピードが落ちます。プレーヤーは無意識のうちに、ポールのスピードを維持しようとして、回転量の減少を考えずにボールを押す、運ぶようになっていくのです。
ここで新品ラバーを投入すると、古いラバーで押して回転をかけようとせず打っていたのが、そのまま残り、オーバーミスが乱発するようになります。
特に最近のテンションラバーでは新品時からの性能の低下が大きくなるばかりですので、古くなったテンションラバーから、突然新品を使う場合には注意が必要になります。
裏ソフトラバーを前提に考えますが、新品状態での、もっとも強く飛ぶ状態でも、回転をかける力も強いので、ボールがしっかりとお辞儀して、相手コートに入り、なおかつスピードを維持できるのです。これが劣化とともにスピードが落ちていき、ボールをお辞儀させなくても、強い回転で沈ませなくても相手コートに収まるようになっていくので、古いラバーを使い続けると、回転を意識しなくなります。
これを解消するには、常に回転量を意識しながらボールを打ち込むことです。そして、「飛ばない」よりも「回転がかかりにくい」になってきたタイミングで、ラバーを貼り替えることをお勧めします。特に裏ソフトテンションを使用している選手は、交換タイミングをシビアにとりましょう。
表ソフト系統は、回転の概念が少ないので、もともとボールを直線的に飛ばす感覚ですから、あまり大きな影響は受けないはずです。
個人的な感覚ですが、フォアの表ソフトを1枚貼り替える間に、バックの裏ソフトは2枚貼り替えているイメージです。弧線のイメージがつかなくなってきたら積極的に変えていきたいですね。
相談してきた生徒は、フォアにV15エキストラ、バックがV15スティフで、フォアのオーバーに悩んでいましたので、とりあえず飛ばさずに回転を強くかけていた以前の感覚に戻させました。
テナジーシリーズやラクザなどと違い、直線的に飛ぶボールを、トップシートの摩擦力の大きさで、ボールをねじ伏せるように弧線を作るV15シリーズは、劣化してくると打ち方が変わってしまう事がよくあります。ラバー自体が硬めか柔らかめかによっても、感覚は変わってくるので、常に打球の質の中でバロメーターにする感覚を作っておいて、イメージしておくことは、ラバーを頻回に変えられない選手において、大事な仕事です。
この感覚を磨くことにより、試合前のいつごろラバーを新しくすれば良いのかという問題にもクリアに答えが出るでしょう。
ラバー自体の個体差は少なくなりましたが、劣化の性能差はそれぞれ異なります。卓球は感覚のスポーツなので、温度、湿度、練習時間や環境に気を配り、いい感覚を維持するためには、何が必要なのかを考えてプレーしましょう。
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