弾く、抑える、回転量も自由自在!往年の名表ソフトが復活!SPINFIREがいいぞ【卓球ラバーレビュー】

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ラバー

ワールドラバーマーケットを通じ発売されたSPINFIRE(以下スピンファイア)。6色ある表ソフトとして話題を呼びましたが、その後はラバー自体の性能の高さで高い人気を維持しています。表ソフトユーザーの筆者もいち早く取り入れ、今ではリピーターとなりました。

なぜスピンファイアはここまで注目されるのか。そして20代後半から40代中盤までの支持層が多いのかを、ラバーをインプレッションしながら考えていきたいと思います。スピンファイアが気になっている方、必見です。

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ただの回転系表ソフトではない

der-materialpezialist社から発売されたSPINFIRE。販売価格は6,000円前後とそれほど高くないのもいいところ。同社は粒高やアンチラバーに定評のあるドイツメーカーであり、一癖も二癖も持ったラバーを十八番にするメーカーです。

厚さはOX、1.5mm、1.8mm、2.1mmをラインナップ、色は黒・赤・ブルー・ピンク・グリーン・パープルの6色です。カラーラバーが流行していますが、表ソフトにはほとんど導入されていない昨今、これだけ色を選べるというのは、表ユーザーにとってうれしい限り。

ただものではない雰囲気が出ているパッケージ、国内メーカーの表ソフトでは絶対にない、攻めたデザインがカッコいい。

私はピンクをチョイスしました。マットな感じの色味は、他のピンクラバーよりも派手さがなく、老若男女使いやすい印象です。

粒目は横目、粒感覚は狭く、回転系表ソフトの王道を突き進んだ感じなのですが・・・。

粒形状は台形+筒という感じ。高さはそれほど高くなく、粒は大きめです。スピンピップス系の並び方をしていますが、粒直径はスピピよりも太いですね。

わかりますかね、この違和感。粒の表面に布目が無いんです。ゴムそのものの状態でツルツル。これで回転かかるの?と疑問が出てくるのですが、この辺りの性能は後述していきます。

スポンジはホワイトのモチモチ系。接着剤の吸い込みは多い方です。テンションがかかっている感じはなく、ぶっ飛び系のラバーではないことが分かります。

スポンジの拡大です。ほとんど気泡がないスポンジで、モチモチ感が分かっていただけるはず。表面は適度にザラっとした感じです。

横から見るとこの雰囲気です。粒形状や高さの感じがつかめたでしょうか。スポンジはカッターで切っていくとボロボロと崩れていく感じがあります。

厚さ1.5mmでカット前のラバー重量は43.6g、カット後は30.5gでした。ちなみに現在は1.8mmを使用しており、カット後重量は31.5gです。1.5mmと1.8mmでは打球感が変わりますが、重さ的には大きく変化はありません。

ちなみに約5か月使い倒したスピンファイアがこちら。表面上は何も変わらず、粒の根元が切れるということもありませんでした。弾みと球持ちが少し落ちたなと感じますが、回転量は相変わらずに高い。替え時が分からなくなる長寿命ラバーです。

ラバーのスポンジとトップシートを合わせた全体硬度は56.5HCです。使い古したスピンファイアでは52.5HCまで下がっていました。劣化した場合、ゴムが固くなるより前に、ゴムの反発力が小さくなっていくラバーなのですね。

数値上の硬さでは一般的な表ソフトと比べると少し硬め。スペクトルS1で53.0HC、スピンピップスD1が48.0HCですので、表ソフトとしては硬いラバーに分類されます。

それでは、使用感などの評価に移っていきます。

回転量は抜群!滑りにくい安定した表ソフト

対上回転の軽打

ラバーの硬さはほとんど感じず(全体硬度が柔らかいテンション表の方がもっと硬く感じる)、ボールの持ちが長い。しっかりとボールを掴んで離しているので、軽打している時には弧線を作りやすいラバーです。表面が少し粘着性を帯びているのも長い球持ちに影響しているのかもしれません。裏ソフトユーザーが突然変えても、何ら気にすることなく打つことができるくらい安定しています。

対上回転の強打

カキーンという軽快な音はありませんが、ボールは狙った場所へ直線的に飛んでいきます。ラバーに食い込ませて打つと、回転のかかったボールになり、手元で素早く離すとナックル性のスマッシュが飛んでいく超マニュアルラバー。打ち方を変えられる選手には、表ソフトで回転差が作れるので、相手を困惑させやすいです。

対下回転の強打

球持ちが長いのでドライブはすごく楽。さらに体を使って打てれば、バックドライブでもしっかり回転がかかるので、相手のブロックをオーバーさせることも可能です。シート表面で擦ってもいいのですが、回転を大きくかけたいときには粒の角に引っ掛けるような感じで打つと、伸びるボールが生まれます。あえて滑らせるとナックルドライブになり、こちらも回転の変化が生み出しやすいです。

台上

回転はかかるのに、回転を食らいにくいというのがスピンファイアのいいところ。短く止める技術はやりやすく、面を作れば勝手にいいレシーブになってくれます。また、ツッツキがしっかり切れるので、ツッツキ→下回転のミート打ちの流れが作りやすい。

硬さから予想していた性能に反して、飛距離は十分出るし、回転もかかる。下がった時はドライブで巻き返すよりもカットをするくらいの方が、いいボールが飛んでいき、また前陣に戻ることができます。

爆発的なスピードは無い分、扱いやすさも一級品。勝手に飛び出し勝手に回転のかかるテンションラバーとは大きく違って、打ち方や面の出し方、スイングの仕方でいろいろなボールが生まれるタイプの表ソフトです。

潰すブロックができるラバー!これに感動できる世代は絶対使うべき

こういうラバーは最近少ない、本当に少ない。結果として表ソフトはバチバチ打たないとだめだよねっていう感覚を持つユーザーが多いですが、昔はそうじゃなかったんですよ。

私もそうですが、20年以上前からの表ソフトユーザーは、表ソフトをつかってなんでもできました。飛距離を出すことも短くすることも、回転をかけることもナックルにすることも、手元の操作で自在に操れる、そういうラバーが多かった。

例えば、クリッパ、スペクトルスピード、オリジナルTバージョン、MDスピンピップスなど。こういうマニュアルラバーで生きてきた世代にとって、テンションがあることが表ソフトでできることを少なくしていたのですが、スピンファイアではそれが無い。20年前の感覚に戻った感じで、自分の持っている技術を存分に出すことができます。

スピンファイアで驚いたのは、ブロックの時にボールを潰す(勢いを消す)ことができること。文字表現だと難しいのですが、強いドライブが来た時に、ボールの外周に沿って上前方向へラケットを倒しながら軽くこすると、ドライブの威力が大きく吸収されて、伸びない死んだブロックが生まれるんです。

テンション表たちでは絶対にできなかったブロック。でも前陣で張り付く表ソフトにとって、ブロックが相手コートで伸びきってしまうと、中陣からもう一度強いドライブを打たれるので苦しいばかりなのです。

そこへ、潰すブロックを入れられると、相手コートでボールが伸びず前に落ちるので、連続攻撃を防ぐことができます。さらにその後は自分の攻撃のターンに変えることができるので、表ソフトのブロックとしては必須級の技術でした。

昔ながらの表を使っていた選手は、ほとんどが身に着けていたブロックですが、テンション全盛の今は、このブロックを使う選手をほとんど見ません。

WRMのYouTubeからお借りしてきました。4分18秒からそのブロックのシーンになります。ここでは遅いブロックと表現されていますね。この緩急をつけられるラバーが今は少ないので、この技術が使える表ユーザーは、スピンファイアを試してみるのいいと思いますよ。

ボールが速い、伸びてくるというのは今や当たり前の感覚で、そのボールに慣れた選手が多いです。こういう中で、遅いボール、沈むボールを使えるラバーを貼り、自分の技術でそれを生み出すのは表ソフトユーザーが一つレベルを上げるためにも必要なことだと思います。

動画をもう一つ貼っておきますね。私が超格上相手に戦った時のバックブロック。ドライブの質が高く、連続で打たれると終わりという選手にも、緩急を使ったボールは効きます。

攻撃が主体と言われる表ソフトでも、常に攻め続けるのはムリゲーなのです。そういう時に、守って点が取れるというのはありがたい。リスクを取らずに緩急で崩せるスピンファイアは、質感的にはオールドラバーに近いのですが、現代卓球においては新しい価値観を与えてくれるラバーです。

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