ラケットに芝が生えた?GRASS D.TecS(グラスディーテックス)アシッドグリーン【卓球ラバーレビュー】

ラバー

2021年10月1日から、日本の公式戦でもカラーラバーが使用できるようになりました。各社から少しずつ、商品が登場していますね。

そこで今回は、前陣攻守の粒高としても人気の、グラスディーテックスのアシッドグリーンのレビューをお届けします。GRASS=芝生ですね。名前の通りに芝生になっちゃった緑のグラスはどうなのか、見ていきましょう。

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鮮やかな緑から、新しい時代の始まりを感じる

TIBHARというメーカーを有名にした用具は何?って聞かれたら、私は迷わず「グラスでしょ!」って答えます。現在は、エボリューションMX-Dが大人気となり、TIBHAR(ティバー)の名前は広く知れ渡っていますが、ちょっと前までは、裏ソフトユーザーだと「?」が出る人もいたのではないでしょうか。

しかし、粒高ユーザーからは絶大な信頼を得たTIBHAR。テンション系粒高という新しいジャンルを開拓した、グラスディーテックスは特別な存在です。

それでは基本スペックから確認しましょう。
GRASS D.TecS
ハイテンション粒高
厚さ:OX/0.5/0.9/1.2/1.6
スポンジ硬度:47.5度
Speed 45 Control 75 Spin 95
メーカー小売り希望価格:6,050円(税込)

日本の粒高と比べると少々お高めですが、テンションラバーと考えれば、妥当なラインでしょう。ドイツ系の粒高には、6,000円を超えるラバーもゴロゴロしているので、際立って高いとも言い切れません。


パッケージは普通のグラスと同じです。今回はグリーンカラーを選んだので、「アシッドグリーン」を示すシールが付いていますね。

それでは開封です。


いやぁ、鮮やかなグリーン。初めて見ると驚きますね。カラーラバーの裏ソフトは何回か目にしていましたが、表系のラバーは初見です。写真では、シート単体と粒の部分で、色の濃淡がある様に見えますが、実物では同じ色で敷き詰められています。


シート裏面です。もちろん緑色。この緑の度合いが言い表せないんです。1枚目の写真を出来るだけ目視に近く仕上げましたが、それでも現物とはちょっと違います。もう少し蛍光系というか、発色が良い緑なんです。植物の緑とは違いますし。ズバリ同じ色なのは、ポルシェ918スパイダーのブレーキキャリパーなんですが。普通は想像もつかないですよね。気になる人は「ポルシェ アシッドグリーン」で検索してください。

シート自体の透過率が赤よりも格段に低いので、ラケットのロゴが薄く見える確率は、赤よりも低いです。ラケットの文字が透けてしまうことから、黒しか選べなかったOXユーザーにとっては、朗報かもしれませんね。

ラケットに貼り付けるとこんな感じです。超目立ちます。
今回使用したのはOXのグルーシート無しです。

重さと全体硬度ですが、カット後のラバー重量は15.4g(ラケットサイズ160mm×156mm)で、全体硬度(と言ってもOXなのでシート硬度ですね)38HCです。HCで比べるとカールP1R(現在のカールP1V)が37HCなので、ほとんど同じとなりました。手持ちのグラスディーテックス(黒)も測定しましたが、こちらも38HCとなり、色による変化は無さそうです。

それでは試打に移りましょう。

変化が大きく飛び出しが早い!前ではもちろん後ろでも苦労しない粒高

試打環境はこちらです。
ラケット:タイニーダンサー02(OSPラケット)
ラバー;アクーダブルー(ドニック)2.0mm、グラスディーテックス(TIBHAR)OX
ラケット総重量178.1g

適切な重さ(175g程度)で打つために、タイニーダンサー02に貼り付けました。基本的にバックハンドで打った感想になります。

軽打

まず初めて打球した感想は「メチャクチャ切れる」というものでした。相手から上回転のロングサーブを出してもらい、軽く台上カットブロックをすると、粒がズルンと倒れる感覚があり、ブチ切れの下回転が生まれます。切ろうとしなくても、短く軽くスイングするだけで、ここまで回転がかかるのには驚きです。

シェークバック粒として、台上で止める押すを繰り返しました。普段粒高はあまり使わない(レッスンの時だけ、月に数回あるかどうか)レベルの私でも、強い回転を生み出せるラバーです。カールシリーズ、ヘルファイアX、フェイントロング、ファントム、フリクションスペシャル等、様々な粒高を打ちましたが、切る意識が無くても、ボールが切れるのはグラスが一番でしょう。

一般的に、粒高のOXを使うと途端に弾まなくなり、裏ソフトや表ソフトユーザーが扱うのは難しくなりますが、グラスはOXでも飛距離がしっかり出ます。とりあえずボールの後ろに入って、止める~押すを繰り返せば、それなりにラリーになってしまう不思議なラバーですね。

意識的に切るブロック

自然に回転がかかるグラスディーテックスですが、意識的に粒高で切った際にはどう動くのでしょうか。軽めのループを送ってもらい、台上で切るブロックをしました。

意識して切ると、さらに回転量は強くなります。同時に、ラバーの弾みが小さくなったような感じがして、飛距離が出なくなるのも特徴です。しっかりとボールの運動エネルギーが、回転方向に変化している証であり、切れば切るほどビタどまりのブロックが可能です。

ただし、少しでも押してしまうとポーンとボールは明後日の方向へ。切る感覚がある粒高ユーザーには、切るだけでブロックの長短の変化が生まれ、カットブロックも安定して打つことができるでしょう。

台上プッシュ

このラバーの最も売りな部分と言っても良いでしょう。プッシュの速度は、他の粒高と比較して、群を抜いて速いです。

グッと押すよりも、カチンと弾く方がより鋭角にボールが飛んでいき、ラバーの良さが出てきます。一般的な粒高では、カチンと当てすぎるとボールが落ちてしまいますが、グラスは自動的にボールを持ち上げる力がラバーにあり、プッシュがとても上げやすいです。

ただ、オーバーミスの恐れも大きくなるので、面を変えず、擦りつけないプッシュが必要となります。グラス独特の打感を楽しめるでしょう。

粒高を超えた打ち方ができるか?

テンション粒高という新しいジャンルのラバーは、粒高の使い方を超えて打つことができるのでしょうか。

回答からお伝えすると、辛うじてですが、薄いスポンジの変化表に近くはなります。ただ、OXの粒高であることには変わりないので、簡単にフォア打ちができるとか、バックハンドも押し倒すようなスイングでOKというわけではないです。

粒高の割には、ボールの持ち感が長く、飛距離もスピードも出ますが、それは粒高の中で比べた話。スポンジのあるソフトラバーとは比較になりません。

飛距離が出る、弾むという意味合いは、粒高ラバーの中で比べると、攻撃系の技術がやりやすいラバーであることを指します。前陣攻守の選手が、粒高面から攻撃のきっかけを作る、カットマンがバック後陣から盛り返すという動きがやりやすくなりますが、同時に技術が無ければ、本職の守る動きがおろそかになってしまう恐れもあるでしょう。

ラリーの主導権をどう握りたいのかによって、グラスを選ぶのか、それとも別のラバーにするのかということを考えると良いでしょう。特別に難しいラバーではありませんが、粒高の中では、ひと癖あるラバーです。目的意識をもって使う必要があります。

カラーラバーはどう作用する?

カラーラバーについて少しだけ。

現在のところ、ピンク、ブルー、グリーンの3色が登場しました。赤黒しか知らない私たちからすると、どの色にも驚きますが、プレーをしていて違和感が大きいケースを紹介していきます。

ユニフォームの色と被る

赤や黒では感じなかった違和感がこちらです。最近のカラフルになったユニフォームと、蛍光色が強いカラーラバーが同化してしまう現象です。

特に、ブルーでの見えずらさが顕著となります。青いラバーに青い服、そして青い台でプレーとなると、見えずらさが最大級に大きい色ですね。

色により飛び方が変わったように見える

実際にボールの質は変わっていないのですが、色のイメージからボールの速度や回転量、伸び感などを錯誤してしまいます。ピンクの違和感は少ないのですが、寒色となるブルー、そしてグリーンは、ボールが飛んでこないように感じてしまいます。当たった瞬間に見えた色のイメージからは、速く強いボールが来ないと感じるため、ボールがさらに伸びを増してくると感じますし、勢いを殺したボールは、より止まったように感じます。

脳内のイメージを、しっかり書き換える必要があるので、カラーラバーと多く打ち合い、情報を書き換えないと、この違和感は無くならないでしょう。

ラケットの存在感が増す

カラーラバー全体に言えることです。これまでの赤黒に対して、昭に発色が良くなったカラーラバーたちは、存在感を高めます。相手のラケットが大きく見えることもあるので、こちらも慣れが必要です。

この違和感に関しては、卓球歴が長ければ長いほど大きくなる傾向が強いです。私自身も、まだまだ抜けません。逆にジュニア層などで、経験年数が短いプレーヤーは、数回打つだけで、情報がしっかりと切り替わっている印象です。初めて見ると驚くジュニアプレーヤーですが、慣れるのも早く、適応能力が高いのを感じます。

中学生は秋の公式戦が始まっていますので、公式戦でカラーラバーを見るのが初めてとならないように、コーチ陣が積極的にカラーラバーを取り入れて、練習相手になってあげるといいと思います。自分が使っている違和感は少ないですが、相手に使われたときに大きな違和感が出てくるのがカラーラバーです。

実際に見て触れて感じるのが、対策としては一番の方法でしょう。

バックハンドで5種類の色を打ち分けた動画を掲載しておきます。相手の見た目目線になっているので、カラーラバーの見え方の参考にしてください。

まとめ

名作粒高ラバーのグラスディーテックスは、緑色になっても、性能は変わらず安心です。今まで黒のOXしか使用できなかったユーザー(赤を使うと、ラケットのロゴや文字が浮き出てしまうため、黒を使わざるを得なかったユーザー)にもお勧めです。赤よりも透過率が低くなり、文字が透ける恐れも低くなっています。黒の裏ソフトを使いたかった(もしくは黒しか用意されていない裏ソフトを使いたかった)粒高ユーザーには、選択肢を増やす存在となるでしょう。

現在のところ裏ソフト以外でカラーラバーが展開されているのは、このグラスディーテックスだけです。色の縛りが強かった粒高ユーザーには、一度試してもらいたい存在ですね。

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