イチロー選手の語った言葉

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卓球

メジャーの日本開幕シリーズに2戦とも先発出場し、そして2戦目で引退を発表したイチロー選手、小さな頃からスーパースターでした。試合後に丁寧に答えていた記者会見は、イチロー選手らしく、一言一言が重く、それでいて聞いていて気持ちのいい、不思議な会見でした。約1時間半の間、イチロー選手らしい節回しもありながら、色々な方に希望の持てる会見だったのかなと思います。引退会見って、なんだか悲しいイメージがありましたけど、イチロー選手の引退会見は、なんだか最後の最後まで勇気をもらえる会見でした。

その中で、どうしても気になった一言が

「野球は本来は、頭が良くないとできないものなのに、それがなくてもできてしまう今に疑問を感じる」

というものです。

スポーツと対比して比べられるのが学業ですね。文武両道なんていう言葉もありますが、どちらかが秀でれば、どちらかが劣ると考えられているものです。

しかし、スポーツでも学業でも何でも、その道の中心で活躍している人は、みな頭がいいです。学業ができるイコール頭が良いという意味で取られますが、ここでいう頭が良いは、「考える力を持っている」「改善する方法を考えられる」ということではないかなと個人的には思います。

私も常々、このことは考えています。

スポーツは教育の一環です。スポーツから得られるものは、机上にばかりいては得られないものばかりです。10年くらい前まではそのイメージが残っており、指導者もですが、プレイヤーも頭のいい人がトップに上がっていくのが当たり前でした。

自分を省みて、分析して、解析して、何が足りないのか、何を伸ばすべきなのか、どういう指導を仰げばいいのかを考えていたと思います。

ハイテク化され、マニュアル化された現代にスポーツも飲み込まれ、自己解析しなくてもコンピュータが算出し、何が足りないのか、どうすればいいのかをある程度考えなくても良くなりました。

指導者もこの状態に胡座をかいて、研究をしなくなり、ある一定の成功が得られる方法をこぞってなぞるようになりました。これでは、個々人の特徴を生かして、その人に合った指導や、プレーをすることはできなくなります。合わない人はその競技から身を引き、別の競技に転身する、スポーツ自体をやめてしまうということになり、ロボット製造工場のように、同じような選手が、同じようなレベルで生まれるだけになってしまうのではないかと危惧しています。

イチロー選手の代名詞「振り子打法」

これはイチロー選手が成功を収めたので大きく取り上げられ、皆が真似するようになりましたが、当時の指導者もの中には反対する人が多かったと聞きます。

普通の打撃フォームに戻そうとした監督やコーチもいた中、イチロー選手は振り子打法を続け、結果を残すことで、その意味を証明します。

これはイチロー選手が自己で考え、工夫し、頭を使って試行錯誤した結果、自分にとって一番いい打ち方を体現し続けたのです。頭が良くなければできないことでしょう。

スポーツ選手は頭が良い人がたくさんいます。でもそれも現在現役の選手までかなと思います。今後、指導法や育成法がルーティン化され、皆が同じ方向に進むようになると、人は考えることをやめてしまうでしょう。そんなスポーツは、先天的な運動神経の良し悪しが支配する遺伝子競合競争になってしまいますね。

今後も考えるプレイヤー、頭のいいプレイヤーが陽の目を見る機会が多くあってほしいです。指導者もプレイヤーも支える立場の人も、考えることをやめた途端、スポーツがつまらないものになってしまうでしょう。

頭のいい人しかできないスポーツが、たくさん残ってくれること、これを切に願い、今後もイチロー選手がアマチュアスポーツ界の中で、考える必要性、コンピュータには測れない実現できない意外性を広めていっていただけることを願っております。

長い間、数多くのファンのスーパースターでいていただいたことを感謝申し上げ、今後もイチロー選手らしく、様々なところでのご活躍を待っております。長い間お疲れ様でした。

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