磨かれた打感を生かせるラバー アウラスプライム レビュー【卓球ラバー】

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ラバー

今回は、ティバーの裏ソフトラバー「AURUS PRIME」(アウラスプライム)をレビューしていきます。回転系ラバーにスピードをプラスしたという、このラバーは一体どんなものなのか、丹羽孝希WOODのフォア側に貼って検証していきたいと思います。

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TIBHARの中位的ラバーはいかに

サムソノフ選手と契約するドイツで最も有名なラバーメーカーの一つのティバー、粒高ユーザーでしたら「グラスDテックス」、最近では粘着テンションの「ハイブリッドK1J」を生み出すなど、ラバーメーカーとしては、高品質で高性能なラバーを作るメーカーです。

フラッグシップモデルとしては「エボリューションシリーズ」があり、その下に今回レビューするアウラスシリーズが展開されています。

アウラスプライムは、メーカー小売り希望価格は6000円、おおよそ通販ですと、4000円代の後半で取引されているようです。稀に安売りしていると、3800円~4200円くらいでの販売もされています。超高級というよりも、手の届きやすいドイツ系テンションラバーの一つですね。

スポンジ硬度はドイツ基準で47.5度、スポンジの厚さは1.7mm、1.9mm、2.1mm、2.3mm(MAX)の展開になっており、2.3㎜のMAX仕様も注目ですが、アウラスプライムの注目の厚さは2.1㎜です。日本国内では厚=2.0㎜というメーカーが多く、特厚まで使いたくないけど、厚では物足りないというユーザーが多いでしょう。そんな中で、かゆいところに手が届く2.1㎜を採用しているアウラスプライムは、コントロールを大切にしたいテンションユーザーにピッタリの厚さです。

今回、私が使用したのも2.1㎜になります。

ラバーの中身を徹底分析

パッケージはプラスチックケースに入っているような丁寧な梱包で、メーカーの安心感をうかがわせます。単純なビニールではないのは好印象です。

トップシートは標準的な光沢感で、サラサラよりも少しベタベタしたゴム質です。カバーに使われている紙もしっかりくっついていたので、粘着ラバーまではいきませんが、弾力があり、ラバーの表面をしっかり使って回転をかけられるシートになっています。

スポンジの気泡はかなり詰まった印象です。引き締まったスポンジでしっかりとボールを飛ばしてくれるでしょう。弧線はシートで、スピードはスポンジで出そうとするラバーのコンセプトがしっかりと見えるのは、使い手としていも好印象です。ラバー任せにして打つというよりは、ラバーをどう使ってみようかなと考えやすいものになっていますね。

ラバーの全体硬度は50HCでスピードを求めたテンションラバーとしては柔らかめです。同社のエボリューションMX-Sが55HCでしたので、扱いにくさは少ないラバーになっているでしょう。ファスタークG1で52.5なので、日本製ラバーと比べても、全体的な柔らかさがあるラバーともいえるでしょう。カット前の重量は68gでした。

硬めのスポンジと、柔軟で薄めのトップシートは、ラバーカット時にも感じられる特徴で、非常に切りやすいラバーです。コシのあるトップシートなのですが、思った以上に薄く、他のテンション系ラバーと比べると、トップシートの薄さは際立っています。

カット後の重量は2.1㎜の厚さで53.3gとなりました。

素直な中にも力強さのある打球、プレーヤーの意思をしっかりとボールに伝える

テンションラバーの多くは、スポンジやトップシートで弾ませてしまい、どのラバーでも同じようなボールしか出ないので、クセ球や相手が嫌がるボールが出しにくいというのが特徴でした。そのため、相手がボールに慣れるまでの時間が短く、すぐに対応されてしまうため、スピードやパワーで打ち抜かなければならないということが多いですね。

アウラスプライムは、独特の薄いトップシートが、弱く当てた時には大きく変形せず、強いインパクトの際には、しっかりとボールを包み込むように変形するため、擦る、弾くの技術がやりやすいラバーになっています。回転系のテンションラバーにしては、相手の回転の影響を受けることが少なく、軽打や台上でのストップでは、ボールの影響を受けにくいので技術は安定します。

切れていないツッツキを切り返したりするような、台上で自分の回転に持ち込むのも容易で、トップシートで擦る感覚を持っていれば、低い弾道での切れたツッツキをしっかりと送ることができます。テンションラバーに多い、山なりのツッツキではなく、突き刺さるような直線的なツッツキが出るので、台上処理は非常にやりやすいラバーになっています。

スイングスピードの上がったスピードドライブでは、スポンジでの弾き出しが強く、一旦トップシートでボールを持ち、回転をしっかりかけた状態から射出するような感じがあり、打球直後の初速は、そんなに速くないものの、相手コートにつく頃にはしっかりと伸びのあるボールになっています。柔らかさのある微粘着ラバーのような印象で、ボールがスリップする怖さは無く、手元で弧線を作りながらも、飛球線は低く刺さっていくような弾道です。

特にやりやすく感じるのはカーブドライブです。球持ちが良く、回転がしっかりかかる、なおかつ前に飛ばす力はしっかりとスポンジが確保してくれる状態で、曲げて入れるというプレーヤーの意思がしっかりと尊重されます。

弾く形の技術は、初速の遅さが少し気になり、トップシートの薄さから、手元で速く弾くというよりは、ラケット全体に食い込ませて弾くというほうがあっているようです。硬めのラバーながら、パチンパチンという感じではなく、一拍置いて飛び出していくので、コントロールはしやすいのですが、前陣でのピッチで戦う選手には、求めているスピードは出ないと思います。前陣でも、小さなスイングで回転をかけながら、高い打球点で攻めていく方法であれば、ギュンギュンと回転のかかった低い弧線のボールが飛んでいきます。シェークバック表ソフトのフォア面で、擦る力の強い人にはお勧めできるラバーでしょう。

打球していて最もよく感じる部分は、「迷えないラバー」という点です。オートマチックにボールが飛んでいくわけではなく、技術力をそのまま反映するラバーなので、良い技術はより良いものに、ただし、中途半端に打ったボールは走ってくれないのです。テナジーシリーズのように、ある程度ミートしてしまえば、あとはラバーでどうぞボールを良くしてくださいというものではなく、プレーヤーさんあなたの技術を最大限まで生かしますよというラバーなので、ごまかして適当にという打ち方はできません。

しかしながら、止める、曲げる、伸ばす、弾くといった感覚が備わったプレーヤーであれば、その感覚を最大限まで磨いてくれて、あらゆるボールを自在に出せる柔軟性を備えています。練習ではバリバリ入るのに、試合になるとどうもなぁ、といったラバーのオーバースペックによるミスは少なくなり、今の自分の最大値をしっかりと示してくれるラバーだと思います。

まとめ

弾みすぎない、回転に敏感過ぎない、でも自分の意思として変化させるボールはしっかりと出せるという、プレーヤー主義なラバーのアウラスプライムは、現在オーバースペック気味な用具を使用している人にピッタリのラバーです。中級・上級者層でも、最近練習してないからなぁという時には、いつものテナジーなどのハイスペックラバーよりも、アウラスプライムの方が試合での感覚は良くなるかもしれません。最近では、プロ選手が求めるようなハイスペックなラバーが増えてしまい、少しスペックを落として楽にしたいのに、という要望に対するラバーが少なくなっている現状があります。例えばテナジーとロゼナの中間があればいいのに、と思ったことはないでしょうか。そんな「これいいよね」、かゆいところに手が届くラバーが、アウラスプライムです。


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