新元号が発表されましたが、卓球ファンにはバタフライ「ディグニクス」の発表の方が興味の湧く事柄かもしれませんね。本日4月1日に発売です。
早速製品版を試してみました。
まずは重量、テナジー05との比較をしていきます。個体差もあるので、大雑把に行きます。パッケージ重量、カット前重量、カット後重量ともに、テナジー05 とディグニクス05ではほとんど変わりありません。若干、ディグニクス05の方が重くなる個体が多かったですが、それでも1g違うかどうかの微々たる誤差にも近い変化でした。
次に、ラバー全体の硬度ですが、クルマのタイヤの硬さを測る硬度計で測ると、トップシートとスポンジを合わせた硬度は、ディグニクス05の方が硬いです。
こちらがフィーリング無しの、数値で見たテナジーとディグニクスの違いになります。
では、貼り付けて打っていきましょう。
赤いスポンジが格好いいですね、刻印もはっきりとしていて、バタフライの質の良さを感じます。写真から見てわかるように、トップシートの裏側の粒部分が、スポンジに刺さっているのが見て取れます。テナジーでは、ここがフラットに刺さりがなかったので、全体硬度が硬くなっている要因は、トップシートの硬さにあるのかもしれません。スポンジ自体は、柔らかく、食い込みが大きい触感です。
フォアハンド、バックハンド共に回転を意識せず、フラットに当てた時には、トップシートの硬さが少し気になります。テナジーの方が、球持ちはよく、フラットに打っても食い込んでくれる感じがありました。逆に球離れがよく、相手の回転をあまり意識せず打てるのは良いところです。食い込んで弧線が出ると言うよりは、自然に回転がかかって、台に落ちてくれる印象です。強めに打つ攻撃の時には、早い打点で打つことができると、自分で回転をかけようとしなくてもいいので、打ちやすさがあります。
ツッツキ、ストップ、フリックなどの台上処理は、テナジーよりもやりやすく、弾くことのできる裏ソフトです。特に、最近のテンションラバーは、トップシートの弾力を落として、回転量を増やそうとする傾向の中で、硬く自分で食わせないと食い込まないトップシートは、扱いやすいです。ある程度、食い込みや、弾きを使い分けられる選手であれば、思い通りにコントロールできるはずです。逆に、その感覚がないと、ただ弾むだけのラバーになってしまいます。
ドライブ系の技術は、ループもスピードドライブも含めてとてもやりやすいです。当たった瞬間に、ボールが上に飛び上がる感覚が少なく、コントロールもしやすいです。かといって粘着ラバーのような落ちる感覚もなく、安心して打てるのがいいですね。
トップシートの引っ掛かりは強く、ミートしてもスポンジ側の粒が倒れることなく、しっかりとスポンジに食い込みます。スポンジ側で球威を受け止めて弾き出し、トップシートはしっかりと方向性を出してくれるので、強く掛けても、弾いても負けないラバーであることは間違いありません。
個人的にはVICTASのv15エキストラのスポンジ改良型みたいな感じでした。v15よりも懐が深く、打つ人によって形を変えられるラバーだなと。v15の場合は、丹羽選手の談話にあるように、プレーヤー側がラバーを理解して、合わせてあげないといけないので、どうしても使える人が限られますが、大方ディグニクスを扱いづらいと感じる人は少ないでしょう。
進化を続ける卓球ラバーの中で、テナジーと同様に頭一つ抜け出たバタフライ、他メーカーがどのように追従してくるのか楽しみです。
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