粒高のロングセラー、カールシリーズは多彩な変化と使いやすさで定評のあるラバーです。その中でも、打てる粒高として開発されたのがカールPHです。
通常のカールシリーズは、柔らかい粒がしっかりと倒れ、相手の回転に対する反転が大きいラバーですが、PHは硬めの粒で、回転の反転能力は小さいものの、表ソフトのように払ったり、パチンと打つことができます。
ラケットは剛力、カールPHのOXです。
粒は高めですが、粒自体の配列は詰まった印象です。指で触っても粒高特有のグニャグニャ感はなく、粒の倒れ方でいくと、アタック8のような変化系表ソフトの方が、柔らかく倒れてくれる触感です。
OXのシートには、粘着シートが初めから付いており、買ってすぐ貼れるのはいいところです。
ゴムシート自体は薄くもなく厚くもなく、他の変化の大きい粒高と比べれば厚めのしっかり感はあるものの、コバルトのような厚めのOXでもないです。
打ってみましょう。
ゴム自体の反発力は少しあり、粒表面は滑ります。柔らかい粒高のように当てるだけではボールが死んでしまい、ネットミスが多いです。止めるだけで振り回すというのには適していないラバーです。
反面、少しラケットを動かしてあげるとボールは低く入っていきます。上下左右どこにでもいいので、粒に少しでも引っかける打ち方ができれば、ブロックからプッシュなどもやりやすいです。ツーバウンドブロックのようなドロップショットも、粒に引っ掛けて、ラケットをスライドすればできてしまいます。
このラバーの最大の特徴は、相手の下回転ボールに対して打てることです。今までシェークバック粒高では、ツッツキされたボールにプッシュで応戦していましたが、切れた低めのツッツキに対しても、パチンと打つことができます。打ち出されたボールは超ナックルで、そこそこスピードもあります。守るだけの粒高のイメージが覆されます。
今年の全日本ジュニア女子を制した出澤選手が使用しているのもこのカールPHです。バック粒高で左右に振り回すプラス、自分から仕掛けることができる粒高だと感じました。
絶対変化量は高くないですが、仕掛けることができるのは、粒高面を集中して狙われた時に、逆襲できます。難しいラバーですが、これからの粒高の戦い方を変えることができるラバーになるかもしれません。
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