ジュニア層から高校生くらいまでを指導していると、よくぶつかるのが、ラバーとプレイヤーの相性です。プレイヤーの性格にも2種類あり、用具を使いこなすまで、黙々と練習するパターンと、概ね用具のせいにしてコロコロ変更したがるパターンですね。
コーチングの際に大切なのは、今の用具を使っていてはダメなのか?というか疑問を浮かばせてあげられるかどうかでしょう。卓球の用具は日進月歩で進化し、その種類たるや何万通りとあります。その中でドンピシャを見つけるのはかなり大変、ラケットに体を合わすのか、体にラケットを合わすのかでも大きく変わります。
私個人としては、弾みすぎたり、かかりすぎたり、柔らかすぎたりの今の主流のラバーは嫌いです。プレーの幅が狭くなってくせ球が消されてしまう、だから弾まない、薄い、軽い、硬いものを探します。それでしかできない卓球があり、それが自分のスタイルだからですね。
丹羽孝希選手も、VICTASに入って、丹羽孝希ウッドとv15の組み合わせには手こずったようですが、この組み合わせでしか生まれない丹羽卓球があるので、そのまま使い続けたのでしょう。
ラバーの変更にはリスクが伴います。今までの良かったところが消える可能性、症状が悪化する可能性です。そこをコーチングでなんとかしていくのがコーチの指導の腕の見せ所です。
こんなケースがありました、中学2年生から卓球初めて、今は高校1年生、初めから旧型の丹羽孝希にv15エキストラ両面MAX使ってました。
でも大きな展開は不得意、ブロックやツッツキを主にカウンターを狙っていくタイプ。
この子にはフォアバック共にmaxを2.0に薄くさせ、フォアはv15エキストラ、バックにv15スティフにしました。
すると前陣でのコントロールが高まり、返球率が飛躍的に伸びました。これは成功例です。
バック表の女子、回転をかけるためコーチが提案したのがvo102 、悪くないけど、よくもない、なぜなら、そもそも回転をかける技術を知らないから、102で弾いてしまう。スピード出ない、ナックル出ない、滑って使いにくい、迷いの森行きです。
子供の頃はとくに触る用具が少なくて、種類も知りません。日ごろのプレーから予想して、次のステージに上げるための用具をシミュレートしておくひつようがあります。
その人の個性を見て、王道外れても、しっかりと適切なものを選んであげる義務があります。固定観念を壊し、適したものを掴んだ時、子供の成長は早いです。数週間でも変化が出ない場合には、用具を疑ってみてもいいのでは?
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