先日、コメントで質問をいただいたので、私なりにお答えしようと思います。
質問の内容は、
「ペンのバックショートのオーバーミスが多い。強いボールに対して、ラケットを左右にずらして、芯を外して取ろうとしているが難しい。どうすればいいか」
というものです。
質問者さんは、剛力Cにフォア表ソフトを貼られているようです。ラバーは802、4スタンスタイプはB1とのこと。
プレーを見ていないので、ある情報の中で考えていきますが、相手からの強いボールに対してのミスは2種類あると思います。
1.自分の力がボールに伝わりすぎてオーバーミス
2.相手の力を逃がしきれずにオーバーミス
前者は、ラケットの芯で捉えすぎたり、運動軸や支持点がしっかりしすぎて、ボールに力が伝わりすぎている場合
後者は、運動軸や体の支持点が安定せず、ボールに力を伝えきれないためのオーバーミス、すなわちボールを自分のものにできていないために発生する場合です。
ブロックやショートなどの、相手の力を利用する際に重要なことは、「みぞおち、膝、前足裏」「首、股関節、後ろ足裏」ABタイプにより異なりますが、この支持点、運動の始発点を意識して、動きをコントロールすることと、相手からの勢いを支持点3つで受け止めることを考えます。
3点のブレを少なくすると、自己発生させる運動エネルギーは効率よく外に伝えられ、外から受ける力には効果的に吸収ができるようになります。
支持点3つ以外の関節や筋肉には無駄に力が入らず、柔らかくなった体の至る所で、衝撃吸収を図るため、ブロックが安定します。
質問者さんのようなB1タイプでは、特に股関節を中心に、体を支持して、みぞおちや膝から力が抜けていくため、膝や上体を柔らかく使ってボールを止めることが大切です。
もう一つ理解することは、Aタイプは引き手であるのに対して、Bタイプは押し手が主導させる手の側であることを理解します。
特に卓球の場合、引き手のAタイプにでは、フリーハンドを上下左右に動かすことで、ラケットを持つ手の動きを引き込むことができるので、フリーハンドの動きが重要です。そのためAタイプにだとラケットを左右に動かして、軸を外したブロックや、丹羽孝希選手が多用するカットブロックも、引き手の力でうまく行うことができます。
質問者さんも、私もですが、押し手のBタイプでは、強く打つ技術では、主導する手がラケットを持つ手なので、比較的簡単にできるのに対して、力を抜いたり、左右に逃がすということが苦手です。特に、フリーハンドが体の前に固定されていて、動きの少ないB1の場合には、押し手の効果がより確実に出てしまうので、ブロックには注意が必要です。水谷選手は、押し手をあえて引くために、フリーハンドを前方に投げ出した状態から、体の近くに持ってくるという、前から後ろの動きをブロックでは多用します。こうすることにより、押し手の押しの部分を相手やボールの方ではなく、反対方向に作用させて、相手のボールとケンカしないようにしているのです。
ミスの種類を解析し、自分のボールになっているのか、そうではないのかを理解することによって体の使い方が意識されてきます。運動軸は受けの力にも使えるので、力を出すだけではなく、受け止めて逃がす方向に使ってみてもいいでしょう。
コメント
赤井 福様
詳細な説明ありがとうございます。早速取り組みます。