水害を受けた車と家の対処法

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クルマ

台風19号の被害を受け、被災されている方の1日も早い復旧、復興をお祈りいたします。今回は、お家から洪水の被害に遭った場合、クルマが水没してしまった場合に取るべき行動を、ご紹介していきます。

筆者は、宮城に住んでおり、東日本大震災時には銀行で住宅ローンの担当をし、津波で被災した多くの家に対応しました。また平成27年の関東東北豪雨の際には、自動車ディーラーの営業マンとして、水没車の対応をしてきました。今回の豪雨災害で、大事な家、クルマに被害を受けた方に、少しでも情報が届けばいいなと願っております。

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まずは被災状態を記録する

被害を受けた時点で、すぐに清掃作業や片付けなどを行いたくなりますが、まずは現場の状況を記録することから始めます。どこまで浸水したのか、例えば家であれば壁の泥汚れの最も高い場所を示す箇所、クルマでも、車内の泥の後などをしっかり写真に収めてください。スマホのカメラで構いません。取れるだけの写真を撮って、被害の全貌を克明に記録して、保険会社に相談するためです。水害の中でも津波災害は例外が多くありますが、大雨による河川の氾濫から洪水が起きた際には、自宅にかかっている火災保険、自動車の任意保険が利用できる可能性があります。

保険金が下りるのか下りないのかを決めるのは「水の高さ」です。その高さを保険会社に示せないと、もらえるはずだったものがダメになるというケースもあるので、復旧の前に証拠保全です。

水の高さが補償のライン

自宅の火災保険では、床上浸水が床下浸水かで火災保険の適用ができるかどうかが変わります。一般に、火災保険の洪水被害の適用は

「床上浸水か、床下浸水の場合は地上面から45cm以上の高さの浸水、あるいは家の再調達価額の30%以上の損害」

の場合に限られます。床上浸水なら文句なしに保険対象ですが、難しいのが床下浸水です。家への被害としては大きく、床下浸水した場合、浸水場所の清掃、消毒を行わないと住むには難しいケースが多いですが、その費用は保険で賄われない場合があります。また、土砂災害でも、家が壊れてしまうような被害ならば文句なしですが、床下にだけ土砂が入り込んだ場合も前者と同様です。浸水ラインが補償ラインに直結しますので、どこまで浸水したのか、しっかりと説明できるようにしておきましょう。

大規模な災害の場合には、現場確認はせず、居住地域に応じて、みなしで被害状況を確認し、給付を行う場合もありますが、先ずは自分の身は自分で守るため、証拠を多く残しておくことです。

クルマの場合も、水の高さが重要です。一般に全損扱いとなるケースが多いのが、フロントシートの座面を超える水が入ったか否かです。越えればほとんどの場合全損扱い、それ以下であれば修理費を出して判断というケースになります。いずれにしても、任意保険の車両保険に入っていないと話は始まりません。車両保険加入者は、水のラインを記録しておきます。

車のエンジンはかけないこと

自動車のエンジンに最悪の影響を与えるのは「水」です。その侵入経路は二つ、マフラーかエアクリーナー、どちらかから侵入します。一度入り込んだ水は、簡単には抜けません。クルマが乾いた状態になったとしても、内部には多くの水が溜まっていて、その状態でエンジンをかけようとクランキングをした途端、エンジン内に水がはいりこみ、大きな被害に繋がります。

マフラーを超えて水に浸かった場合やボンネット付近まで水が来た場合には、エンジンがかかるのかも確認しないほうがいいです。もし、動かす場合には、キーを使ってシフトロックを解除して、ギアをニュートラルに入れて複数人で押します。ブレーキ、ステアリングはアシストがないので非常に重くなります。移動の際に運転席に乗り舵を切る人は、かなりの腕力が必要です。

水没可能性のあるクルマは、とにかくエンジンをかけず、専門業者に入庫するのが一番です。担当ディーラーへ連絡するか、任意保険の契約先、JAF、ガソリンスタンドのクレジットカードなどにレッカーサービスがついていますので、レッカーで運んでしまい、専門業者で判断を仰ぎましょう。

可能であれば、補機バッテリーの端子を抜いておくと、通電火災が防げます。

電気を多く溜め込んでいるハイブリッド車は、水没を検知すると、バッテリーとクルマを電気回路で切り離して絶縁する安全装置もついています。浸かったら、動かさない、電気を通さない、運んでもらう、これだけ守れば大丈夫です。

関東東北豪雨の時には、シートの座面を水が超えたクルマたちは、殆どが全損扱いでした。最近の車は至るところがコンピュータ、電気配線の塊です。水には滅法弱いので修理も大変ですし、浸かった車は、いくら修理しても元の形には戻りません。水没に起因する修理は、直した後に不具合があったとしても、それはもう直らない事象としてまらわなければなりません。多くの場合は、修理の前に念書を用意して、しっかりとこのケースではこうなるという、修理後の責任の所在をどこにするのか、難航するはずです。修理の道も茨の道になります。

水を入れない走り方

水の中をやむなく走る時、その走り方も技術が必要です。クルマは基本的に、タイヤの半分が隠れるくらいの水位以上は走れません。それでも通過したい時には、マフラーからの浸水に注意します。

マフラー浸水で最も多いのは、アクセルオフによる負圧で、水を吸い込んでしまうことです。排気ガスが強く出続けている状態であれば浸水は防げますが、水に浸かった状態でアクセルを戻すと、エンジンが空気を吸い込む負圧が発生し、これに乗ってエンジン内に水が侵入します。

水たまりの中は、アクセルを一定の開度で踏んだ状態で侵入し、抜け出すまで弱めてはいけません。弱めた瞬間に水はエンジンへ向けてマフラーの中を逆流します。どうしても走行しなければならない場合には、アクセルの踏み方に気をつけましょう。

まとめ

基本的な豪雨時の対処法、浸水時の対処法をまとめてみました。まずは慣れないことを考えず、保険のプロに相談しましょう。火災保険、自動車保険の担当に窮状を訴えて、早急な手配をお願いします。

動かない家と動けるクルマでは、対処法も大きく違います。何か不明点がありましたら、問い合わせフォーム、コメント欄、TwitterのDMにてお知らせください。多くの人の役に立てるよう、この記事もひろめていただきたいです。

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