ペン顔、シェーク顔、なぜその用具使ってますか? それは「似合うから」 【卓球コラム】

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卓球

昨日のWRMのXiaさんの質問ライブ

対談していたのは池田 誠さん(誠卓球cl.)でした。指導者としても活動している私も、非常に楽しく、また興味深く拝見させていただきました。その中で、「ペン顔」「シェーク顔」という面白いフレーズが出てきて、それに妙に納得してしまったので、似合う似合わないでの、戦型や用具について考えていきたいと思います。

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基本は好きなものを使うのが良いが、雰囲気や似合う似合わないが必ずある

皆さんは、シェーク、ペンどちらですか?中にはハンドソウ!なんていう声もありそうですが、それは置いておくとして。なぜそのラケットを使っているのでしょうか。

ラバーはなんですか?裏ソフト、表ソフト、粒高、アンチ、様々でしょう、ではなぜそのラバーを使っているのでしょうか?

自分でいろいろと試行錯誤した結果行きついた用具!と胸を張って言える方もいるでしょうし、ショップで勧められた、コーチがこれを使えと言ったから、みんなが使っているから、などその用具を使っている理由は様々でしょう。

その中で、コーチが先生が「これ使っておけ」と勧めてきたものって、なぜそれが良いのでしょうか?考えたことありますか?もちろんコーチ陣がその用具を使って良かったということもあるかもしれませんが、そのフィーリングは選手それぞれに違いますし、自分が使っていたのと同じものが、生徒にも使い心地が良いとは限りません。

その時に、私が考えるのは

「似合ってるかどうか」

この一点です。

動ける動けない、打てる打てないよりも、そのラケットを持たせて違和感があるのかどうか。違和感があればやめますし、しっくり来たらそのまま使わせます。これまでに、シェーク裏裏だった選手を、バック粒にしたり、フォア表にしたり、フォア粒にしたり、バック表にしたりと様々な形に変えてきましたが、すべては「似合っている」から変えたというのが一番の理由ですね。

似合う、雰囲気に合っているというのは大切なこと

卓球の用具の選び方や戦型って、洋服を選んだりするのと同じような要素があると思います。

イメージの面もあると思いますが、例えば水谷選手や丹羽選手が、ペンホルダーラケットを握っていたらどうでしょうか?張本選手がバックに表ソフトを貼っていたら?伊藤美誠選手や平野美宇選手がカットマンだったら?

どれも似合わないですよね。

早田ひな選手がカットマンだったら?体の大きさ的にはイメージ付きそうですが、でも攻撃ガンガンのファイターじゃない早田選手は想像できないですよね。

丹羽選手の代名詞「カットブロック」カッコいいですよね。では張本選手がやったら?違和感ありませんか?

このように、卓球の用具って持った時、打っている時に格好良く見えるのか、プレースタイルが雰囲気と合っているのかというのは重要なことだと思います。

池田先生が、インタビューの中で「こいつはペン顔だからペン」「異質顔だから粒」など、その選手の特性は見抜いたうえで、やっぱり似合うものを重視して使わせていくという姿勢には、非常に共感が持てましたし、普段のプレーだけではなく、人間性から見て、卓球を教える、子供たちが卓球と付き合いやすい環境にしてあげるというのは大切なことだなと感じました。

多分ペン顔とシェーク顔以外にも、裏ソフト顔、表ソフト顔、粒高顔のような、個々人が醸し出す雰囲気から用具が決まっていくケースも往々にしてあると思います。

好きな用具でプレーすることは大切ですが、他人から「カッコいい」と言われた形や用具を使ってみるのも、あながち間違いでは無いのかもしれません。

私自身も、例えばペンホルダーでプレーしたり、シェークでも両面裏ソフトで試合をしているときなどは、たぶん格好悪いです。違和感の塊だと思います。自分の中でも、周りから見ていても、シェークハンドにフォア面に表ソフトを貼っているラケットで戦っている時が、最も格好良く、違和感なく映るのでしょう。

個人的には、時々出てくるWRM-TVのXiaさんのシェークハンドも違和感です。ものすごく上手いですし、良いかなと思うのですが、やっぱり強そうじゃないんですよね。Xiaさんは日ペンを持っている時が、最も格好良く、強そうに見えます。

鏡の前で見てみよう、自分のビデオを撮ってみよう

卓球台が使えない、練習環境がない状態の今だからこそ、自分の姿を見てみましょう。

まずは、鏡に映して素振りから

普段はシェークハンドですか?ペンホルダーですか?普段の形で素振りしてみましょう。強そうに見えますか?

そこで、持ち方を変えて素振りしてみましょう。シェークはペンに、ペンはシェークに、どうでしょうか?同じフォアハンド、バックハンドでも結構印象変わりませんか?自分はどっちが強そうでしょうか、格好いいでしょうか。

次は、ラバーを考えてみましょう。例えばバックハンド、普段は表ソフトを使っている人は、表ソフトのバックハンドの素振りをしてみましょう。下回転を打って返す時には、レ点のような感じで振りますよね。これを裏ソフトだと思ってドライブをかけてみましょう。どちらの動きが自分を格好良く見せてくれるでしょうか?

最後に、スマホの自撮り機能で、スイングしているところを録画してみましょう。カッコいいですか?強そうですか?似合っていますか?

今回のお話は、完全に技術論などとはかけ離れています。ある種の占いとかそっちに近いものかもしれません。しかしながら、「カッコいい」といわれれば人は嫌な気はしませんし、自分もカッコいいほうがいいですよね。外からの意見と自分の意見が、同じくいい方向で一致していけば、卓球に対するモチベーションも高くなりますし、練習の効率も高くなるはずです。

逆に自分のカッコいいが見いだせていない時には、隣の芝が青く見える状態で、例えばペンに変えたほうがいいかな、表ソフトやめたほうがいいかななどと言ったネガティブな考え方が多分に出てきます。このような精神状態では、良い練習もいい試合もできないでしょうし、そのせいで負けたと考えてしまうと、成長もしません。

自分はこれがカッコいい、一番いいんだ。でも負けたということは練習が足りない、自分の鍛錬が足りないという風に思えるのも、自分に似合った用具を使い、自分に似合った戦型を着こなしての話です。

まとめ

選手自身もそうですが、身近にいるコーチも、その選手の技術的な面だけでなく、フィーリングを大切にしてみてはいかがでしょうか?ドライブできないから表ソフト、ブロックしかしないから粒高というネガティブイメージから、用具や戦型を変えるのではなく、「お前にはこれが似合っているからこれにしろ」と、渋谷109のカリスマ店員のような、用具の変え方をしてみてはどうでしょうか?ドライブが打てるからカッコいいわけではないですし、ペン粒のブロックで変幻自在に返球するのも、トップレベルではカッコいい訳です。あなたは自分で何顔だと思いますか、あなたの生徒は何顔ですか?そんなことを考えながら、卓球を教え教わる関係ができている池田先生は素敵な指導者だと思いますし、私自身もそんな指導者でありたいと思います。


 

 

コメント

  1. inae sawaki より:

    いつも4スタンスの記事やレビューなど、興味深く拝見させてもらってます。
    これは面白い内容ですね。
    自分はシェークですが、最近録画した自分のプレーを見てどこかぎこちなく感じていて、この記事を読んだ時ふと、一時期ペンを使ってた頃に周りから、「強そうに見える」「ペンの方が動けてる」と感想をもらったことを思い出しました。 ちょっと試して様子が良ければまたペンを使ってみようかと思います。楽しみが増えました

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