スポーツ推薦だけではない、やり切ることの意味 中総体・高総体中止をうけて 【卓球コラム】

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卓球

新型コロナウイルス感染症の影響は、多岐にわたり広がっています。卓球ショップの閉店、卓球場や卓球クラブの閉鎖と、卓球を生業にして生活していた人にも大きな打撃を与えていますね。私も、その影響を受けている一人ですが、この影響が子供たちにもやってきました。最近発表された、中総体、高総体の中止です。今回は、この大きな大会の中止について、考えていきたいと思います。

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スポーツ推薦、スポーツ特待生の選考基準が無くなる?

私個人は、そこまで卓球で顕著な成績があったわけでもなく、中学生の時も、高校生の時も、卓球の成績はいたって普通の子供でした。ですから、高校受験も大学受験も受験勉強をして入学したわけですが、スポーツの才能に秀でた子には、スポーツ特待という制度がありますね。

もちろん卓球でも、特待として入学する子供はいます。これまでの卓球での成績(戦績)をかわれてお誘いが来るわけですが、特待生として入学をさせるための選考の、大きな舞台がインターハイであり全中です。全国レベルの特待生は、これらの全国大会での成績でスカウトされていきます。また、各都道府県で行われている県大会レベルの大会でも、地元の強豪校はスカウトする選手を見つけるわけです。

逆に自己推薦のような形で、希望の学校へ、卓球の成績を軸に願書を出す方法もあります。これもまた、3年次の大会の成績が主な選考事由となってきます。

これらのことから、インターハイ、全中、および各都道府県の地方大会が無くなることによって、子供たちの進路を奪いかねないということです。中止となった事実は受け止めなければなりませんが、この事態に対する代替案を直ちに出してあげなければ、中学3年、高校3年の生徒が大変不安な思いをしていることは間違いありません。

記録会というわけにはいかない卓球

水泳、陸上などのタイムという絶対的な指標があるわけではない卓球競技、これは対人競技の全てに言えますが、相手とマンツーマンで戦い、勝負をつけるものに関しては、記録会の開催では不十分になります。

逆を言えば、記録会という形である程度の成立をする競技と、それでは成り立たないものを分けて、開催時期や方法について議論をしていくべきです。高体連、中体連のなかで全競技を十把一絡げで考えると、答えは出ないのではないかと思います。

部活動の意味「やり切った感」

これまで、卓球を部活動として行ってきた人間にとって、夏の大会は当たり前のように開催されてきました。新入生のころは、最上級生が必死に戦うのを応援し、いつかこの舞台に自分も立つのだと意気込んで、練習に励んでいたころを思い出します。

同時に、3年生での最後の夏の大会は、異様なプレッシャーと、「これで最後」という思い、勝っても負けても最後には「これまで卓球をやってきてよかった」「この仲間と切磋琢磨してきて最高だった」「3年間、やり切った!」という思いでいっぱいだったことを思い出します。

この「やり切った」という気持ち、そしてその事実は、後々の人間形成、社会生活の中でも大いに役立ち、必要となる経験です。

学習の一環として行っている部活動、その中でそのスポーツで生計を立てるのは一部の人だけですが、そのスポーツをやってきた経験を使って生計を立てているのは、大部分の人なのではないでしょうか。忍耐、努力、継続する力、達成感や喜び、これらの要素は、部活動をやり切ったという思いが作り出すものです。

その舞台が、これまで当たり前に合った総合体育大会だったわけですが、今回の事態で、その舞台がなくなってしまったということになります。

仕方のないことなのかもしれません。ただ、そういった気持ちを味わえる機会を、入学から2年半練習に打ち込んだ子供たちに与えらえる場所を作れないものかと考えています。

大きな大会でなくてもいいと思います。例えば、卓球の名門校である愛工大名電と野田学園高校は、インターハイの中止を受け、両校の監督同士が「コロナウイルスの影響が収まったら、3年生を中心に壮行試合を行いましょう」と話をしたそうです。永遠のライバル同士である両高校の監督の粋な計らいだと思います。

大会という形にこだわらなくとも、最後の対外試合という形で実現でき、そこに学校のチームが一つになって望むことができれば、「やり切った」という気持ちと、後輩たちが「送り出す」という気持ちができていくのではないでしょうか。

少しおさまりを見せて、近距離での学校同士の交流が可能になれば、近場での学校同士で壮行試合のような形を行える時期を作ってもいいのではないかと思います。

先に上げた名電と野田学園は私立の学校です。公立校では、このような取り組みはさらに難しくなるかもしれません。体育連盟だけでなく、教育委員会や地方公共団体を巻き込んで、この問題は考えてほしいものです。

学校が止まり、学習に関しての懸念が広がっていますが、部活動も学習の一環です。この部分がないがしろにされないように、地域をあげて、協力できないかと思っています。

自粛要請が解かれれば、地域の卓球クラブや卓球場が舞台になってもいい

地域の卓球クラブや卓球教室などには、いろいろな学校の生徒が集まっていると思います。

最悪、学校単位での対外試合ができないという形であれば、そのクラブや地域のチームの中で3年生を集めて、卒業試合のようなものを開催してみてはどうでしょうか。

学校が休みになる日を見計らって、3年生だけを集める。その日は他の事業運営はせずに、その卒業試合だけを運営するといった形です。

これだけでも、子供たちの気持ちは少し報われるような気はします。最後の砦は各地域の卓球スクールのみなさんです。私も含めですが、できるだけ、やれるだけのことはやってあげたいと思っています。

今回のこの事態で、卓球が嫌いになってしまう子もでてくるでしょう。やりきれなかったという思いは消せません。ですから、そんな子が一人でも救えるように、していきませんか。

卓球場の運営、卓球ショップの運営も大変ですが、地域に根差したお店作り、運営をされている方が多いと思います。卓球にかけてきた熱い思いを持つ子供たちの気持ちに、地域全体で応えていく、そんな時代がそこまできているのではないでしょうか。

まとめ

今後の学校の再開、外出自粛要請の緩和、緊急事態宣言の状況にもよりますが、かなりあっさりと決まってしまった総合体育大会の中止に、大きな懸念があります。
勉強にフォーカスが入ってしまい、部活動というところの必要性がないがしろにされないかという懸念です。スポーツを子供たちに教え、伝えていく仕事として、後回しにされる事のないように、注意しながら、最善の策を卓球界でかんがえていかなければならないのではないでしょうか。

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