さて、前回まで、ニッタクの受注生産ラケットである剛力シリーズを個別にレビューしてきました。色々と触ってみて、剛力を選ぶべきか、そうではないのかを考えていきます。
過去の攻撃系3本のレビューはこちらから
さて、本題に入ります。
まず各々のスペックを再確認しましょう
剛力 7枚合板 板厚4.9mm 100g ミッドスロー
剛力男子 7枚合板 板厚5.0mm 105g ミッド
剛力スーパードライブ 6枚合板 板厚7.0mm 95g ミッドファースト
このようになります。ラケット自体で考えると一番弾まないのが剛力で、剛力男子、スーパードライブと弾みは上がっていきます。
このラケットたち、33000円するんです。私はどうしても欲しかったので買いましたが、中途半端な気持ちで買うラケットではないです。ラバーは簡単に変えられますが、ラケットは失敗した時のダメージが大きいです。ここはしっかり考えましょう。
ドライブ選手であっても、剛力を持つ決意をしているプレーヤーはもう、わかっているかと思いますが、このラケットの主戦場は前陣です。下がって大きな展開で引き合いをしたいという方には、インナー系、アウター系の特殊素材が入っている良いラケットが沢山あります。前で耐え忍び、従来の卓球の概念を壊さないと、剛力は使えません。
それでは、剛力スーパードライブからいきましょう6枚合板の特殊性があり、板厚がシリーズの中では一番厚いラケットです。ウォールナットと桧の融合もあり、ノーマルとは合板の配合も変わっています。この手のラケットの中では弾む部類のミッドファースト。
両面裏裏なら、無理にテンションではなく、粘着ラバーを片面に混ぜるのもいいでしょう。フォア粘着、バックテンションで、暑さはmaxよりも一段階落とした方が、木の力が助けてくれます。メジャーではない6枚合板はアバロックスでよくやっていましたが、しなやかで弾みが大きすぎない、素直なものが多いです。スーパードライブも剛力シリーズでは弾み、かつボールを持ってくれるので、硬めのラバーで前で押し切ることが大切です。ブロックがやりやすいラバーなどでもいいと思います。前陣、ブロック、カウンターこれが剛力スーパードライブの戦い方ですね
剛力男子はとにかく重い。だけど女子が使ってはいけないわけでもない。重いラケットは台上が打ちやすく、止めやすい、薄めの裏ソフトと粒や表のセットアップなら、男子の方が安定すると思う。中芯が熱くなっていて、力を吸収してくれて、ノーマルよりも球持ちはいい。テンション裏ソフトまで行かなくても、ロゼナやファクティブのようなラバー、であれば女子でも使えるはず。
ゴリゴリに押し切りたい時には、両面キョウヒョウターボブルーで攻めるのもあり。変幻ラケットではなく、正統派攻撃ラケットの剛力男子は、離れて振り回す女子はきついけど、前ならどうにかなる。重さもあって、ブロックは楽。弾みも少なく、スイングできるのも特徴です。前陣から中陣の攻撃マンにおススメ
最後に本家、剛力です。これは両面裏裏では意味なしラケットです。現在の私のセットアップは、アタック8 m粒53度中にアポロ5超極薄です。もろにどちらも木の感覚で打っています。バックのアポロに至ってはスポンジ厚0.7mmという薄さで、ほぼゴムです。
塩見選手あたりだと、ビュートリーとキョウヒョウ
あとはコバルトとテナジーって言う組み合わせもいます。
この三選手、私も含めてフォアが異質で、表系なので、フォアパック共に攻撃します。
剛力は硬いラバーに対しては柔らかく、柔らかいラバーに対しては硬くラケットの印象を変えます。これは100%木でできているからでしょう。全体的に言えるのは、特厚などのスポンジの厚いラバーはあまり貼らず、厚くても厚、中あたりが一番いいのかなと言う印象です。スポンジが厚すぎると、ラケットの良さが消えてしまいます。
こちらは前陣攻撃から、守備系の方まで幅広く使えるミッド仕様。目に見えるスピードや回転という部分ではなく、球が重くなり押されないというわかりにくい部分が良くなります。これがわかった時に、剛力を手放せなくなる瞬間が訪れます。
33000円もするラケット、おいそれと買えません。でも、か2年近く使って、もうこれ以上のラケットは、現段階ではありえないだろうと感じるところまで来ています。
味のしにくいスルメイカのような渋いラケットです。ですが打てば打つほど、馴染み、オリジナルの1本になってくれます。
門外不出だったオリジナルラケットを市販してくれたことにも感謝して、深く考えて購入しましょう。
特殊であることは間違いないです。スピードや回転となどを求めるのであれば、他社の最新モデルの方がはるかに上でしょう。でも異質だから持つ悩みありますよね。それを解決するのは剛力に他なりません。
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