スーパーKIMは時間の魔術師 自分の時間を作り、相手の時間を奪う 【スーパーKIM】

卓球

カテゴリー上は粒高ラバーとして販売されているスーパーキムは、粒高、表ソフト、裏ソフトの様ないろいろなボールを繰り出せるラバーとして注目されています。今回は、前陣速攻型の筆者が、スーパーキムをフォア面に貼って感じた「時間」についての特徴をレビューしていきます。

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超高速卓球をするなら、絶対裏ソフトが有利

張本選手や平野美宇選手のように、今トップレベルの卓球の中では「高速卓球」が一つの指針となっています。台に近い距離から、両ハンドの打球点の速いボールを繰り出し、高速ラリーをして相手の時間を奪い勝ち進んでいく姿は、見ている側も壮観です。

この高速卓球は、一般レベルでもしっかりと通用するものですが、それを完成させるためにはとてつもない努力と練習量が必要になります。

両面裏ソフトを貼り、打球点の速いドライブを打つためには、自分の時間管理が適切にできていなければなりません。相手のボールを予測し、素早い動きで準備して、コンパクトなスイングで強い球を打つ能力は、誰でもできるものではないでしょう。

裏ソフトラバーの特徴として、打球した球にしっかりと回転がかかり、放物線を描いて、安定して相手コートに収まってくれるという利点があります。回転をしっかりとかけることにより、伸びのあるボールを繰り出すこともでき、相手が返球するまでの時間を削ることができ、得点につながることも多いです。

裏ソフトドライブの問題点としては、相手からの返球も速いボールが来るという点です。自分が相手の時間を削るために繰り出した強いボールが、ブロックやカウンターで返球されると、また伸びのあるボールが返ってくるので、自分の準備が間に合わないということが良くあります。ジュニア層や学生卓球の中で、一発屋と言われる、3球目攻撃を強い球で打った後に、返球に対応できないケースは、様々な場面で散見されます。

テンション系裏ソフトが誕生し、多くのユーザーがテンションラバーを使う中で、ボールのスピードは格段に速くなりました。しかし、このスピードが自分の卓球の限界スピードを超えてしまい、一撃打ち込んだら、今度は自分が不利になるというプレーヤーは多いのではないでしょうか。

安定して相手コートに収まる裏ソフトを極めていくことで、超高速卓球は可能になりますが、自分のスピードや時間に関するキャパシティーを超えてしまってはどうにもなりません。このような場合、一度卓球のスピードを落として、自分が付いていける範囲に設定するということも頭に入れておかなければならないでしょう。

 

スーパーKIMは確かにボールは遅いが

粒高のシートで、超軟性のスポンジを搭載し、トップシート、スポンジの両方がノンテンションのスーパーKIMのボールは、テンション系ラバーと比べると確かに遅いです。しかし、遅いから全て返球されるかというとそうではありません。

スーパーKIMの特徴は、軽く振ってなんでも入るという、打ちやすさと回転への鈍感さ、さらにコントロールのしやすさにあります。デメリットとしては、スポンジが厚くて柔らかすぎるため、粒高としては、ブロックの際に粒が倒れることはなく、ブロックで強烈な変化を出せないこと、狙わずに打ったボールは、威力が無く、相手からの反撃を食らってしまうことなどでしょうか。

フォア面にスーパーKIMを貼った当初、そのボールの遅さに驚きましたが、スポンジにしっかりと食い込ませて押し切る、食い込ませて回転をかけるという打法を覚えてしまうと、これほど相手のボールを気にせず打つことができるラバーが過去にあっただろうかと思ってしまいます。それほど、弾く、擦るの感覚があるユーザーにとっては、自在に自分のボールにできるラバーであり、卓球が楽になるラバーです。

スーパーKIMの遅さは、自分の時間の使い方を広げる有効手段にもなっています。

私は、フォアにスーパーKIM、バックにネクサスELプロ50を貼って、両ハンドで攻撃をしかけながら、しっかりとブロックも使っていく卓球の形です。特にバックハンドは、ドライブをかけるよりもミート系の技術の方を良く使用し、パチンと速いボールを使うのが特徴でした。

通常のテンション系表ソフトを使用して、フォアで攻撃を仕掛けていくと、相手へのボールの到達速度が速く、返球され、コースを変えられると、バックハンドを合わせることしかできないという状況が良くありました。一撃の強さはありますが、速さに自分が間に合っていないことも事実です。

スーパーKIMを使用してから、フォアハンドの決定打は少なくなりましたが、前陣で両ハンドで待つことができるようになり、バックハンドで決定打を打てるケースが増えました。同時に、ラリー戦に持ち込まれたときのミスも減り、自分の卓球が楽になったように感じます。

 

遅いラバーを使うことを見直してみては

スーパーKIMを使用して以来、フォアハンドの時間の遅れによるミスは少なくなり、フォアバックの切り返しがやりやすくなりました。時間の使い方がうまくいっているので、プレーに無理や無駄が無くなってきています。

またコントロール性が高いスーパーKIMでしっかりと台の隅、ミドルをフォアハンドで狙うことができるようになり、相手からの返球の予測もしやすくなっています。

少し前に、ペン粒高の選手とダブルスを組む機会があり、普段シェーク裏裏のパートナーが多かったのですが、ペン粒との組みやすさに感動した記憶があります。裏ソフトドライブで圧倒的な速さを持ったパートナーが打ったボールは、返球されてくるのも速く、ダブルスの際の自分の時間を奪われてしまうケースが多かったのです。特にシェーク異質になると、異質ラバー面では、中陣や後陣に下がることもできず、裏ソフト同士の引き合いが始まってしまうと、前陣での対応は非常に難しくなってきます。

その点、ペン粒高の選手が、相手の速いドライブを粒高で変化をかけながらゆっくり返球してくれることにより、次のボールに対する自分の攻撃の準備ができるようになり、余裕を持ったダブルスを組むことができたのです。

現代卓球の中で、速さと早さは重要なキーワードになっており、ミスの原因は「遅い」という一言に片付けられている風潮があります。これは、相手の時間を削ることにしか目が行っておらず、自分の時間も削られていることを考えられていません。

卓球において時間管理は非常に重要なファクターです。この時間は、削るだけではなく、増やすことも可能になります。そういった自分の時間を増やすためのラバーがスーパーKIMだと思います。

シングルスでも粒高パートナーの時のダブルスのような戦い方を、このラバーはさせてくれます。

より速い球、より強い球を打つための用具研究は日夜行われていますが、遅い球を打つための用具は開発されていませんね。自分のプレーの中で、時間を生み出すための努力は、動きを早くする、早く戻るなどの他にも、ボールを遅くする、相手に打ちにくいボールをゆっくり打ち出すということでもできるはずです。

フォアとバックのスピードの変化が大きくても相手は戸惑います。速いボールが一定のリズムで送られてくることにより速さにも慣れてしまい、自分の強いボールが効かなくなるということも考えられるでしょう。

この特異なラバー、スーパーKIMは、目に見えるボールの変化や速さではなく、プレー中の「時間」に着目することで、より真価を発揮できるラバーです。時間管理がうまくできないユーザーは、「ゆっくり」できるラバーを探してみてはいかがでしょうか。

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