自分の得意をやり続ける 吉村真晴がボルから金星を奪った理由【卓球ワールドカップ団体戦】

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ドイツのオーダーは盤石、それでも日本が勝った訳は

白熱の試合が繰り広げられている、卓球ワールドカップ団体戦、日本男子のメダルが決まりました。メダル決定戦の相手はドイツ、大きな戦力差はありませんが、簡単に勝てる相手でもありません。そんな中で、3ー1の快勝となったこの試合、特に3番手の吉村真晴対ティモボルの試合は、多くの攻撃を主体にする選手に見てもらいたい試合です。

プラボール、40mm、グルーの禁止など、攻撃の威力が下がり、ブロックや前陣での戦い方がピックアップされる中で、吉村真晴の戦い方は、試合で勝ちあぐねる選手に、おおきなヒントを与えるものになっています。

オーダーはドイツがピシャリ!日本の情勢は厳しかった

粒揃いのドイツ、日本戦のオーダーも盤石でした。オフチャロフでの2点、ボルの1点は硬いということで、ダブルスを落としても何とか、という中で、1番ダブルスを取りドイツ先行、残るはオフチャロフの2点のうち1つ、ボルで1つとれば勝利です。張本対オフチャロフでは、ドイツ側としては落としても、次の丹羽孝希戦でとってくれればOKだったはずです。ボルで確実に1つ取れると計算していたドイツにとって、吉村真晴の金星は正に計算外だったことでしょう。

愚直に3球目をフォアで攻める、オールフォアで押し切る卓球を続けた

吉村真晴のボル戦で光っていたのは「フォアドライブ」です。特に6割程度の入れるボールではなく、ほとんどのボールを一撃で仕留めるように打ち続けていました。

何度ミスをしても、点数が何点でも、この姿勢は3ゲームの中で常に見られた動きです。

得意のアップダウンサーブで、何度かボルのレシーブを崩す場面はありましたが、基本的にボルのレシーブが相当に甘いということは無く、全体にしっかりストップ、フリックされていた印象です。そこを全面でフォア待ちし、70km/hを超える強いスピードボールで抜いていく、このフォアハンドは、唯一ポルに優っていた部分だと思います。

両ハンド待ちではボルに分があるため、吉村はこのフォアにかけていたのだと思います。サービスレシーブをある種割り切って単純化することで、自分のやることが見える化して、調子を上げていくこともできます。

自分が得意で、相手に優るもの、これを使い続けていくことで価値につなげるという形は、学生プレーヤーには特に参考にして欲しい部分です。

入るか入らないかではなく、自分の形で打てているのかそうではないのかを判別し、1球たりとも自分の形で打たないボールはないという状態を試合で作り上げることが大切です。

攻撃は最大の防御なり

一昔前から比べると、ボールのスピード、回転は圧倒的に落ちてしまい、攻撃一撃で抜くことは難しくなっています。その流れは顕著で、一般プレーヤーでも、攻撃力を置いておいて、ブロック、ラリーに尽力する人は増えています。とりあえず繋ぐ攻撃から、ラリーで勝つ。世界レベルでは張本のような前陣でのピッチな早い攻撃が時代の最前線と言われています。

しかしスタイルとしては、少し昔のスタイルの吉村真晴が、世界の強豪ボルに勝った要因は一発の強さです。卓球の試合中にも球速表示が出るようになりましたが、平均的に打たれている攻撃のボールに比べて、吉村真晴のボールは5km/hから10km/h程度スピードが高いです。成功確率は高いとは言えませんが、この攻撃を一心不乱に続けることは、相手へのおおきなプレッシャーとなります。

おおきなフォームの一撃ドライブが少なくなり、両ハンド卓球が増えている中だからこそ、オールフォア攻撃のスタイルが効くのかもしれません。攻め続けることは守り抜くよりも難しいですが、攻め続けることで守る必要はなくなります。この攻める姿勢が、大金星を生んだ一因になっているでしょう。

後先考えず、一撃で仕留めることは必要

ラリー力、ブロック力を磨く人が多い中で、一発の威力を上げることは、非常に意味のあることだと思います。ボールの遅さを感じさせないパワフルな卓球は、最先端ではないかもしれませんが、いつの時代もどの世代でも有効な武器になることは間違いありません。

もどれない、2球続けて打てない、だからコンパクトに加減して打つ、だから返ってくるというのであれば、もどれなくていい、1球で仕留めれば2球打つ必要はないと考えて、威力を上げていく練習は必要です。

スローテンポの練習で一撃を磨いてるみてください。相手がブロックするにも限度はあります。壁をぶち壊す攻撃ができれば問題ありません。

日本が古来から磨き続けたオールフォア卓球は無くすべきではないのだなと改めて感じた試合です。

吉村真晴選手の戦い方は、多くの世代のシェーク 攻撃マンに真似して欲しい、素晴らしい戦い方でした。

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