縦目の粒高? バーティカル20レビュー【卓球ラバーレビュー】

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ラバー

粒高ラバーといえば横目で目の詰まったものが大多数でしたが、スティガが発売したバーティカル20は、縦目の粒高ラバーということで注目を集めています。今回は、スーパーキムに変えてシェークのフォア面でバーティカル20を使用した使用感をご紹介していきます。

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変化を出すための横目だったが、その分打ちにくさもあった

粒高ラバーの通説というか常識だった横目のラバー、この方式をとっていたのには様々な理由がありますが、「回転を多くかけるため」「変化を大きくするため」や、そもそもラケットを横に使ってブロックやカットなどを行うために、ボールとの接地を大きくするためという理由もあります。

表ソフトラバーでは横目は回転がかかる回転系表ソフトに多く、縦目はナックルボールが出やすく球離れが早い、スピード系表ソフトに多い粒配列です。回転性能を自分からかけるわけではないですが、相手の回転を利用するという意味からも、横目の粒高は理にかなっていたのでしょう。

この横目の粒高には一つ問題点がありました。回転がかけやすいということは回転の影響を受けやすくなるという性質も持っており、粒高のメリットである相手の回転の影響を受けにくいというものが、粒配列により逆の性能を持たせてしまっている状態でした。さらに、球離れが悪くなるので、攻撃的にラバーを使おうとすると、ラバー の性質上、ボールがスリップして落ちてしまったり、粒がしっかり倒れずに、コントロールできなかったりすることがありました。

このような粒高の性質は、粒高ラバーで変化をしっかりと与えられる上級ユーザーには、変化の幅が大きくなり、粒高の良さを引き出せるものでしたが、ビギナーから中級者、そして粒高を攻撃のラバーとして使用するユーザーには使いにくいものでした。これを大きく変えてくれたのがバーティカル20です。

バーティカル20 外観チェック

それではバーティカル20のラバー表面を見ていきましょう。

今回は、バーティカル20の黒の薄を使用しました。ロゴは控えめで、指にあたる部分も少なく、フォアバックともにどちらに貼っても邪魔になることはないでしょう。スティガのラバーはクリッパ以来になりますが、ゴム・スポンジともに品質が安定していて安心します。

ラバー表面の光沢感は少なく、漆黒という感じです。粒の表面にはしっかりと布目がついており、回転もしっかりかかりますよとアピールしています。粒配列は実際に見てみると本当に縦目であることがわかり、さらに、目の詰まり方も他の粒高と比べると粒の本数が本当に少ないなと感じます。

シート自体は柔らかめで、粒は非常に柔らかいです。ただし、根元のコシはしっかりしていて、粒の復原力は強いです。

スポンジもバーティカル20に搭載されているものは、硬度20度という柔らかさで球持ちのいい柔らかいものです。水色のスポンジが柔らかさを感じさせます。気泡は小さめで目は詰まっています。シェークフォア粒で、しっかりとミートしたり、ドライブをかけるには、ボールをしっかりと持ってもらう必要があるので、この硬度は使いやすそうです。粒高の大きな変化が必要な選手には、硬度55度のバーティカル55を使用するといいでしょう。ただし、結構な練習量が確保できる選手に限定した方が良さそうです。安定感や使いやすさは20度のスポンジの方が、懐が広くなっています。

粒は特別高く細くということはなく、粒高としては少し太めの印象ですが、変化はある程度出ます。

打ってみると、表ソフトのようにも使える粒高ラバー

フォアロングを打ってみると、他の粒高と違い落ちることはなく、表ソフトに近い打感で打つことができました。ボールをしっかりつかんで離すという感覚は、以前までのスーパーキムに近く、スポンジが薄いためにスーパーキムよりは弾みません。

勢い良くパチンと振り抜きにいくと、粒があらぬ方向に開いてしまい、ボールが落ちる原因となりますが、少しだけ擦り当てるという方法を取ると、ボールにしっかりと前進回転がかかり、弧線を描いてボールが飛んでいきます。

スーパーキムではスポンジの柔らかさと厚さで弧線を作っていましたが、バーティカル20では、粒の動きによって弧線を作っていることがわかりました。

ドライブを打ってみると、さらに回転はしっかりとかかり、回転系表ソフトに近い弧線の描き方と飛び方をしてくれます。しっかりとボールを持って飛ばしてくれるので、打ち込む側は100の力で打ち込んでも飛びすぎずコントロールしやすいです。表ソフトでは飛びすぎる、球の飛び出しが早すぎるという感覚がある選手は、試してみると「自分の力でしっかり打っている」感覚が出て打ち込みやすく、コントロールしやすいです。ボール自体の速さはありませんが、ドライブをかければ、しっかり回転がかかるボールと、揺れて落ちる粒高独特のボールがでて、さらにパチンと当てにいくとナックルボールも打てる、万能なラバーです。アタック8を使用している期間が長かったですが、ドライブ系の技術はアタック8 よりもやりやすく感じます。

止めるブロック系の技術は、スポンジありの粒高なので回転の反転能力は低いですが、止めやすくレシーブしやすいラバーです。台上でのストップなどはビタ止まりしますし、流しのフリックでは、ボールが揺れながら飛んでいきます。ナックル性能が高く出るのが、ブロックや台上の処理の特徴です。

本職ではありませんが、カットもしてみました。開発者の塩野選手もカットを安定させて、練習量の少ない今ならバーティカル20を使用すると言っているほど安定感の高いラバーのようで、普段は緊急回避的にしか使わないカットも、私でもしっかりと弧線を作りながら低くいれることができました。相手がドライブでも角度打ちでも、どちらの場合でもラケット角度にシビアさは少なく、カットは安定します。

ロングボールから、相手の強い回転の処理、あるいは自分から打っていく場合にも、全体的にコントロール性能がたかく、安定感のあるラバーだと感じました。スポンジで処理するラバーと違い、トップシートで回転をいなしたりかけたりできるので、ラバー にどのように当たってもある程度返球できてしまうラバーです。

まとめ

非常に安定感の高く、様々な技術がやりやすい引き出しの多いラバーです。普通に粒高として止めるだけでは、変化の度合いはものたりませんが、自分からかける、打つという守りの技術だけではなく攻撃的にいく選手にはおすすめのラバーでしょう。スティガ、塩野選手の肝いりラバーは、粒高の戦型を広げるラバーになっています。





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