VICTAS試打祭 vol.1 木材感がしっかり残る特殊素材ラケット QUARTET VFC 

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ラケット

宮城県仙台市にある卓球ラウンジNOAにて、VICTASラケット&ラバーの試打をたくさん行うことができました。新型コロナウイルスの影響で、学校が休校となり、この6月から段々と学校生活もできるようになってきて、学生たちの部活動も開始されてきました。卓球人にとって、ラケットやラバー選びは重要です。卓球教室で試打ができるというのは、通う生徒さんにとっても良いことですね。VICTASさんのお気持ちに感謝し、全力でVICTAS製品をレビューしていきたいと思います。第一弾は、松平賢二選手の使用するカルテットVFCです。

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QUARTETシリーズとQUARTET VFCの概要

VICTASのカルテットシリーズは、VICTASラケットの中でも「特殊素材」に着目したラケットのシリーズです。カルテットの名前の由来は、4枚の特殊素材が使われている点にあります。特殊素材の四重奏、つまりコンビ(二人組)やトリオ(三人組)ではなくカルテット(4人組)なわけですね。

卓球のラケットは、ルールとして特殊素材は全体の15%以下に抑えなければならないと定められており、残りの85%は木材である必要があります。

この特殊素材比率15%の限界に挑戦したのがカルテットシリーズです。シリーズには、VFC、AFC、LFC、SFCの4つが展開されています。

一般的な特殊素材ラケットでは、中芯の両端に特殊素材を裏表2枚入れるか、上板の下に裏表2枚入れるケースが多く、中芯に近いところに特殊素材が入っているラケットを「インナー」、上板に近いところに特殊素材が入っているラケットを「アウター」と呼びます。

カルテットシリーズでは、5枚合板ラケットの、中芯と添え芯の間に1枚、添え芯と上板の間に1枚、表裏で合計4枚の特殊素材を挟み込むことにより、板厚を抑えながら強度を増し、木材ラケットのしなりを残しながら、特殊素材の適度な反発や硬さを体感できる、新感覚のラケットになっています。

その中で、今回試打したのは、QUARTET VFCです。VICTAS契約選手の松平賢二選手も使用しているラケットになります。

ラケットの概要は以下の通りです。
素材:木材5枚、Vカーボン2枚、フリースカーボン2枚
板厚:5.3㎜
ブレードサイズ:157㎜×150㎜
重量:88g
グリップ:FL ST 中国式
価格:16,500円(税込)

VICTAS特殊素材の中でも硬質なVカーボンと軟質なフリースカーボンを両方搭載することで、適度な弾みと硬さを維持しつつ、ボールを持つという木材の感覚をしっかりと残したラケットになっています。重すぎず、軽すぎず、しっかりと破壊力が出る攻撃選手向けのラケットです。

試打は松平賢二選手仕様で

それでは、試打に移りましょう。使用したラケットは松平賢二選手仕様となっており、両面にV15エキストラが貼ってあります。グリップはFLです。ラケット重量はラバー込みで186gとなっていました。

普段から193gのラケットを振り回している私には、あまり重くは感じませんでした。以前に丹羽孝希WOODに両面V15エキストラをつけた時よりも、カルテットVFCの方が、ラケット先端の重さを感じることが少なく、重量バランスもいいため、しっかりと振りぬけるラケットになっています。88gのラケットにV15エキストラ両面とは感じられない、重心位置の良いラケットです。

ミート系技術(フォアロング、バックロング)

初打感としては、軽快な金属音、そして球持ちが非常に良く、ミート系技術は気持ちよくボールが飛んでいきます。打球時には適度に手に振動が入り(大きくはありません)、打球しているという感覚をしっかりと感じながら、打ちこむことができます。

カーボンラケットとは思えない打球感で、言われなければ特殊素材が入っていることも忘れてしまいます。硬質な7枚合板ラケットを打っているような感じで、特殊素材が嫌いな私も、すんなりと馴染むことができました。

ボールがオートマチックに持ち上がり、自分で弧線を作ろうとしなくても、ボールが手元で持ち上がってくれて、ネットを超えるだけの弧線が手元で自然に生まれます。軽い力でロングを打っていても、ボールはしっかりと走っていき、また硬質なラバーのV15エキストラでも、直線的に飛ぶボールが少ないので、安心してコントロールし、ボールを打ちこむことができるのが良いですね。

ロング系のボールに対しては、強くミートをしても直線弾道が際立つわけではなく、持ち上がりながら飛んでいくので、ネットギリギリを狙うようなスマッシュを打っても、相手コートまで弧を描いて飛んでいきます。高いボールを打つ際には、オーバーミスに注意して打ってあげる必要があるでしょう。逆に、下回転のボールや、低めのロングなども、ミートで打ちこんでもネットミスの怖さがないので、前陣で弾く打ち方をする選手には、攻撃時のミスをする怖さを少なくすることもできそうです。

これまで、回転系テンションラバーで感じることの多かった、自然にボールを上に持ち上げる性能をラケットで体感できたのは非常に貴重なものでした。ミート技術に関しては、丹羽孝希WOODほどじゃじゃ馬ではなく、昔の薄めの板のクリッパーウッドのような、安定感としなやかさを持った一本です。

振り抜きの良さと、金属音の気持ちいい打感は、クセになります。特殊素材ラケットでもこれは好きになりそうです。

回転をかける技術(ドライブ)

回転をかけると、ラケットの弾みを感じることになります。打感が柔らかく、しなりのあるラケットは、ドライブもやりやすく、ボールを落とす感覚は一切ありません。逆にオーバーミスが増えるほうが気になるかもしれません。

ミート時にも感じた、ボールが上がる性能は、ドライブの際にもしっかり生きており、プラスボールを掴んで運んでくれるので回転もかけやすく、安定してボールが飛んでいきます。

回転を強くかける掴んでから離す打ち方はもちろん得意なラケットですが、当ててから回転をかける当て打ちをしても、ボールの持ちは変わらずに、しっかりと食い込んでから飛んでいくために、前陣からでも中陣からでも、勢いのあるボールを打ちこむことができました。

逆にボールを掴みすぎて、持ちが長すぎることによるオーバーミスもあることから、意識的にボールを持ちに行くよりも、自然にラケットに任せてボールを持ち飛ばしてあげると、強く弾道の良いボールが飛んでいきます。

フォア、バックともに鋭くコンパクトなスイングの方がラケットに合っていると思います。大きくパワフルに振ることで、ラケットがボールを支えすぎて運びすぎるという状態になるために、コンパクトに鋭いスイングができるプレーヤーの方が、このラケットには合うでしょう。小さく振っても、飛んでいくボールは、大きく振った時と同じかそれ以上のボールが行きます。

力任せに振り込むよりも、ラバーとラケットの性能を信じて、鋭角に最小限のスイングをしていくほうが、ラケットの良さが出ると思います。それほどに、ポテンシャルの高いラケットです。

また、強いインパクトにしても、ラケットが押し負けず、しっかりと反発するので、ハードヒッターにも安心です。カーボンラケット特有の、早くボールが離れてしまうという打感ではなく、しっかりとボールを掴んで離さないという木材ラケットに近い打感なので、7枚合板の木材ラケットで、少し弾みが物足りないというユーザーが乗り換えるのには最適でしょう。

V15エキストラの難しいところを一気に払拭できる不思議なラケット

硬質なハイテンションラバーは、良い打感で良いスイングをすると、破壊力抜群なボールが飛んでいく一方、扱いにくさもあり、非力な中級層や、コンパクトなスイングを求められるバック面では敬遠されることが多いです。

VICTASのフラッグシップラバー、V15エキストラも、強いインパクトを維持して、しっかりとしたミートをすることができれば、強烈なボールが行く一方、ラバーの硬さにボールが負けてしまった時にはスリップしたような感じになったり、ボールが上がらなくなったりと、高い技術も要求されるラバーでした。

事実、丹羽孝希WOODに貼り付けた時には、攻撃に行くときには良いものの、つなぐ技術に難しさを感じましたし、かなりの上級層が使いこなせるラバーだなという感覚がありました。

今回、カルテットVFCに両面V15エキストラを貼った状態で打ちましたが、以前のV15エキストラのネガティブなイメージが消えて、とても使いやすいラバーに生まれ変わったように感じました。特にバックハンドでの速い打点でのドライブが気持ちよく相手コートに引き込まれていく感覚は、他のラケットでは感じられない打感です。

ラバーの性能をしっかりと残しながらも、扱いやすくマイルドに変えてくれるのがカルテットVFCの良さでもあり、このラケットを使うことで、今まで敬遠していたハイスペックラバーを使いこなす一歩となるかもしれません。

いい意味で、V15エキストラらしさを感じない、まとまりがあって安心できる感覚は、カルテットVFCだからこそ生まれる感覚なのかもしれません。

まとめ

ラバーの良さを最高値まで引き上げ、ユーザーが使いやすいようにしっかりと料理してくれるラケット、これがカルテットVFCです。強いボール、鋭いボールを打ちたいがための、ぶっ飛びカーボンラケットとは違い、弱くも強くも、自在に打てる、またミスをする怖さを少なくしてくれるこのラケットは、V15エキストラだけでなく、様々なラバーに合わせてみたい良い仲人的なラケットです。中級層から上級層まで、ユーザーの気持ちを汲み取りながら、より精度の高い卓球を提供してくれるギアになっているでしょう。



 

 

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