ハイブリッドMKシリーズは何がどう違うのか?PRO・ノーマル・FXを徹底比較【卓球ラバーレビュー】

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ラバー

昨年登場し、あっという間にTIBHARの人気ラバーになったHYBRID MK(以下ハイブリッドMK)。言わずと知れた松平健太選手の監修ラバーであり、数多くの裏ソフトユーザーが手に取っていることだろう。

 そんなハイブリッドMKにスポンジ硬度の異なる2種類のラバーが加わった。ハイブリッドMK PROとハイブリッドMK FXだ。両者はノーマルのMKとどう違うのか。そして、どのように選び分けると良いのかを考えていきたい。

ハイブリッドMKの詳しいレビューはこちら

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硬さがあまり表面に出てこないハイブリッドMK PRO

まずMK PROから見ていこう。

メーカーの公表値は次の通り。
・スポンジ硬度51度
・スピード130 ・コントロール105 ・スピン125(TIBHAR社内測定値)

ノーマルMKが48度のスポンジつかっているところに、PROは51度と3度高いスポンジを搭載した。スポンジ硬度が50度を超えるラバーは、TIBHARの中でも限られており、ハイブリッドK3、エボリューションMX-D・MX-P50といった、いずれもトップ選手の使用実績が多いラバーだ。この中に、MK PROも入ることとなる。

トップシート自体は、ノーマルMKと変わらない様子。このシリーズはスポンジ硬度の違いだけを楽しむものとなっているようだ。

MK PROのスポンジは濃い紫。気泡はかなり少なく、目の詰まったスポンジになっている。

重量や全体硬度は後述(MKシリーズで数値を並べて比較する)。

打った感じは、ノーマルMKとさほど違いは感じなかったが、少しだけ回転に対して敏感になっていた。また、中陣からの引き返しドライブや、少し打点の落ちたところからのしのぎのドライブがやりやすい印象がある。多少のじゃじゃ馬感はあるのもの、他社のハイエンドラバーに比べれば、圧倒的に扱いやすい。ラケットを振り込んで、ガンガンドライブかけていく人には、ノーマルよりもPROの方がおススメだ。

威力は無いが抜群の安定感ハイブリッドMK FX

もう一つのハイブリッドMKがFXだ。

ハイブリッドMK FXのメーカー公表値は次の通り。
・スポンジ硬度44度
・スピード115 ・コントロール125 ・スピン125(TIBHAR社内測定値)

こちらはノーマルMKよりも4度スポンジ硬度の低いバージョン。しかしながら、TIBHARの社内測定値がノーマル・PRO・FXと、全てのラバーでスピンの値が125で統一されているのを見ると、ノーマルとシートは同一のもの。

44度は、ビギナーから中級者層まで、幅広く使える硬度帯。多少インパクトが弱く、スイングスピードが出せなくても、ボールを掴んで持って行ってくれるため、バックに使う人も多いだろう。

柔らかいラバーにしては、気泡は少なめ。モチモチした感触のスポンジだ。

FXの印象としては、フォア・バックどちらでもOKという感じ。MKのシートなので、しっかりと回転は生み出せるのだが、いい意味で回転に対して鈍感。圧倒的な回転量や威力は無いものの、擦り・弾きのどちらでも行けるのが良い。

弾き打ちが多い筆者としては、MKシリーズの中で一番使いやすいラバーだった。ドライブの威力が出ないのが難点だが、同時に前陣でのピッチ卓球ができる。圧倒的なタイミングの早さで点数を稼ぎに行くスタイルには向くだろう。

ハイブリッドMKは実際どれがいい?PRO・ノーマル・FXを徹底比較

それでは、3種類のラバーを比較していこう。

各ラバーの厚さはすべて2.0mm、接着剤はアンドロのターボフィックスを使い、ほぼ均等量塗布しているもの。貼り付けたラケットはTIBHARのシーラオフェンシブ。ラバーは全て同じ大きさにカットされている。

それではまず、カット後の重量から比較していこう。
PRO:44.2g ノーマル:43.3g FX:43g

PROとノーマルの差は約1g、ノーマルとFXでは0.3gとほとんど重量に差は出なかった。個体差が出れば、ノーマルよりもFXの方が重いというケースも出てくるだろう。

つぎに、ラバー全体の硬度を比較していく。
PRO:50.5HC ノーマル:48HC FX:46.5HC

全体硬度は、ラバーとトップシートを両方合わせた硬さなので、スポンジ硬度とは異なることをご了承いただきたい。

PROの数値に近い他のラバーは、レッドモンキー、ブルーストームZ1ターボ、ダイナライズAGR、エボリューションMX-Dあたりだ。特にエボリューションMX-Dと数値は近く、打球感的にも似ているところがある。しかしながら、MX-Dはカット後重量が49.9gなので、軽さ当面では圧倒的にMK PROが優位。

FXに数値が近いのはネクサスELプロ43、エボリューションEL-D、V11エキストラなど。同社のクァンタムXプロが48.5HCだったので、こちらよりも柔らかいが、回転のかかり方はMK FXの方が素直で絶対量も多くなる。数値の裏付ける柔らかさは感じるものの、シートがしっかりとしている分、回転を与えることには他のエントリーラバーなどと比べても性能は高い。

シート硬めでスポンジ柔らかめな組みあわせは、ありそうでなかったものだろう。特に、MKのような厚めの硬めシートが搭載されている柔らかラバーは、色々なことができるので、上級者層でも重宝することがある。威力は少ないが、様々な技術がやりやすいラバーであった。

また、各ラバーの寿命も比較してみた。コーチングの際に使用し、週に2回、それぞれ3時間程度使用している。使用期間は約3ヶ月。打ち合いはもちろん、球出しなどにも使った。

ここで感じるのは、ノーマルMKの持ちの長さだ。適度な硬さに適度なシートで、シート表面が減ってきても球持ちがしっかりしているので、あまりボールが落ちる感覚が生まれない。威力の出るPROの方が、寿命に対してはピーキーな印象で、2ヶ月ほど鮮度をキープはしたものの、劣化によるスリップやボール落ちは、起きやすかった印象。FXはMKと同程度の寿命に思うが、表面の粒の浮き出しは早かった。

ノーマルMKはゆっくりと性能が低下していく感触。PROは高い性能の状態が初期は続くが、一気に性能ダウンが感じられる。FXもラバーのおいしいところは最初のうちで、一気に劣化が進むが、途中でダウン率は下がり、緩やかに性能が落ちていく感じになる。

各人の練習量や、インパクトの強さにもよるが、使っていられる時間が長いのは、ノーマルMKが一番長いと思う。

インパクトの強さで決めろ!3種の選び方はコレ

基本的にはノーマルMKを使ってみてから判断しようというのが、私の結論。初めからPROを使うのは、あまりお勧めしない。ノーマルMKを使っていて、強いインパクトが発生したときに、ラバーが負ける状態になるならPROへの変更を勧めるかなといった感じだ。

なので、一気にMKシリーズを試したいという人で、両面裏ソフトだったら、片方にノーマル、もう片方にFXを貼って打ち比べるとイイ。

中級者層までなら両面ノーマルか、片面ずつ変えるか、両面FXの3択だろう。まずは、ノーマルとFXのどちらがフォア・バックに対して適しているのか(気持ちいいか)を確認し、以降はその感覚の良いものを選び続けると良いと思う。初めからPROを使うのは、MKシリーズの特徴が分かりにくくなるので、おススメはしない。

PROは、良いボールが行くものの、使いこなす(使い切る)のは難しめのラバーだった。ジャストミートの気持ち良さに酔いたい気持ちもあるのだが、返球する際のストレスも大きいので、個人的にはノーマルのMKで良いかなと思っている。

また、ノーマルとFXを片面ずつに貼っていて、FXの方が早めに寿命を迎えてしまうという場合は、インパクトの強さとラバー選択があっていない可能性があるだろう。その場合は、FXをノーマルMKに変更するのもアリだ。

基本となるハイブリッドMKが、扱いやすく威力も出やすい良いラバーなので、これで十分という感想がアリアリなのだが、コーチングの時は楽して返球することを重視するので、私個人はFXを使うことにした。

TIBHARラインナップで、エントリーからハイエンドまで段階を踏んでいくことはできるが、もっと手っ取り早いのはMKシリーズで階段を上っていくことかもしれない。はじめはFX、上手くなってきたらMK、全国大会に出られる実力が付いたらPROという感じ。ラバーの銘柄が変わらずにスポンジの硬さだけが変わるので、プレーヤー側も適応しやすいだろう。

やはりTIBHAR、かゆいところに手が届く商品作りはお見事。ハイブリッドK3にもFXが出たようなので、こちらも機会があれば打ってみたいところだ。

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