極薄ラバーや超極薄ラバーを使っていると感じるのが、打球の不安定さ。球離れの早い薄いラバーだからこそ、ブロックや攻撃に結構気を遣うものです。そんな悩みを解決してくれる、極薄用と言えるラケットがWRMから発売されました。どのようなラケットなのでしょうか。
黒檀が良いラケットの証?不思議とボールが上がるエボニーGF
ラケットの色と言えば?国内で流通するほとんどのラケットは一般的な木の色、もしくはウォルナット素材の色をしています。黒いラケットというと、違和感を覚える人も少なくないはず。それだけ希少で珍しい黒い木(黒檀【こくたん】)を使っているのがエボニーGFの大きな特徴です。
黒檀は英語でエボニー。つまりエボニーGFは黒檀を使ったラケットという意味。似た名前のラケットにスティガのエバンホルツがありますが、この「エバ」の部分もエボニーから来ているものと思われます。
この黒檀という木材。その特徴は、非常に硬くて緻密であり耐久性が高いこと。身近で見るところでは、仏壇や弦楽器の指板、ピアノの黒鍵といったものに使われている木材です。これが卓球のラケットに使われるとどうなるのでしょうか。
弾きが良くなる黒檀の力
では、実際にエボニーGFの詳細なスペックを見ていきましょう。
ラケットサイズは、157mm×150mm、グリップはフレアとストレートが準備されています。板厚は5.3mmで、平均重量は83gです。

製造しているのは、TマウントKTS。グリップにはしっかりとキムテクスの名前も入っています。シェークラケットにキムテクスというのはちょっと違和感ですが、この名前を冠しているだけあって、品質から性能までいいラケットでした。
実際に貼り付けたのは、スピンファイア1.8mmと、太陽の超極薄。現在の私のメインラバーを貼り付けて試していきたいと思います。
ではまず、裏ソフト(超極薄)との相性から。クリッパーウッドや、硬い木材の代表格であるウォルナットを使った丁々発止と比較した動画もありますので、気になる人は次のリンクもご覧ください。
どうでしょうか。クリッパーや丁々発止と比較して、エボニーGFの弾道が明らかに高いのが分かると思います。打っている側からすると、同じラバーとは思えないほど、手元でボールが上がってくれるので、極薄特有のネットミスを気にしなくて済むのは非常に大きな利点です。
黒檀と5.3mmという板厚の薄さがもたらす球持ちの良さと弾きの良さが、絶妙なマッチングという感じ。ブロックや軽打は本当に楽ちんになります。
ただ、表ソフトと組み合わせた私も悪いのですが、どうしてもラケットの質量が足りなくなってしまうので、ブロックの際に吹っ飛ばされる感覚や、強いボールを打つときにエネルギーを持ちきれずボールが死んでしまうという現象もみられました。重量系の裏ソフトと組み合わせるとイイ感じになるのでしょうが、私のセットアップではちょっと使いにくさも感じます。
しかしながら、球持ちという面では非常に改善されていて、超極薄の使いにくかったドライブなどの順回転を強くかける打ち方は、楽です。太陽の回転の影響を受けにくいシートや粒形状もあって、マシンの出す最強下回転も、ドライブのへたくそな私が簡単に持ち上げられるようになったくらい。極薄系のラバーを使って、回転を武器に戦う人には非常に良い組み合わせだと思います。
表ソフトとの組み合わせはどうよ?
一方で表ソフトで使うような弾き系の技術では、クリッパーウッドほどの気持ち良さはなく、どうしてもボールを持つ方向になってしまうので、一発で抜くスマッシュや角度打ちでは違和感が少々。弧線卓球には合うと思いますが、私のような直線卓球だと思い描いた弾道と実際の弾道に乖離が出てしまい、思ったようにボールが入らなくなってしまうかもしれません。
個人的には、攻め手に違和感があったので本採用はNGとしましたが、守りの技術はド安定していたので、多くの人には合いやすいラケットなのかなとも感じます。もう少し板厚があって、特殊素材を抜いてくれると、自分にもマッチしそうな予感はしました。
ラケットの質感としては、上出来の一言。板薄でもしっかりと合板構成が確認できるくらい作り込みがイイですし、手触りや色使いも上々。強く当てても割れなどが出にくそうでしたし実際にフルパワーで振っても、何も問題はありませんでした。
ただ、グラスファイバーの影響なのか、打球時に手に響く感じは薄く、完全木材の気持ちいい打球感とは少し違いました。これはフォアの表ソフト側で感じることが多く、触ったボールの特性が手のひらで分かりにくくなってしまったため、レシーブ・カウンターといった感覚を使う技術が微妙だなという印象もあります。(好みの部分も多いですが、純木好きとしては相容れない部分にもなってしまいます)
フォアに中硬度から高硬度の裏ソフトを貼り、バックに極薄系を使う人には、これおすすめのラケットです。間違いなく極薄ラバーは使いやすくなるので、極薄ユーザーが使うメリットは大きいのではないかと思います。中学生なんかは、両面に極薄ラバーを貼って、エボニーGFを選べば、とにかく返球できるし、超回転のツッツキは出るし、ドライブも下回転の量を気にせず振れるしと良いことだらけじゃないですかね。自分が、中学生を裏裏で「勝たせて」というなら、エボニーに両面極薄で作り上げてしまいます。
同じ板薄ラケットの剛力には剛性で負けますが、この薄さと硬さは唯一無二の特徴。剛力よりもピーキーではなくマイルドに硬さと球持ちを楽しむことができるので、初中級者におすすめの1本とも言えます。
極薄ユーザーはまず手に取ってほしいですし、極薄ユーザーでなくても卓球が楽になるラケットと言えるのではないでしょうか。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
赤井福 Instagram

サクッと読める卓球の技術や知識、考え方を発信しています。
ブログでは紹介していない、ココだけの情報もありますので、
是非、フォローしてみてください。
Twitterも更新中
ブログの更新状況はもちろん、ちょっとしたつぶやきから
ラバーやラケット試打のリクエストも受け付けていますので
チェックしてみてくださいね。

コメント