卓球のダブルスはシングルスよりも奥が深く、面白いものです。中学生の団体戦では、強い順にシングルスに出して、5番手と6番手がダブルスを組むというケースが多く、ダブルスが軽視される傾向にありますが、団体戦の中でもダブルスを取れるかどうかは試合の流れを大きく左右します。社会人やマスターズ、シニア層となるとシングルスよりも格段にダブルスの大会が多くなり、オープン大会では混合ダブルスなども開催されます。私自身も社会人になってからダブルスの楽しさを知りましたが、早いうちからダブルスに親しんでおくことで、生涯スポーツである卓球をより楽しむことができるでしょう。今回はダブルスのペアリングについて書いていきます。
左右が必ずしも有利にはならない
まず利き手の問題です。卓球のダブルスにおいて左利きが非常に有利であるのはルール上揺るがない事実です。左利きの選手は早いうちからダブルスに慣れておき、色々な人とペアを組んでみるといいでしょう。右左のペアは逃げやすく、打球時にぶつかることが少ないので、スタンダードでおススメです。実際には右右のペアが多くなりますが、最近では右右のペアリングも悪くないなと思います。私のダブルスのベストパートナーは右右です。
近年ではチキータや逆チキータなど、レシーブから攻撃的にいく技術が増え、サービスコースが限定されるダブルスでは、チキータがやりやすいのです。右左でペアを組むと、左利きにとってはチキータがやりやすいのですが、右利きがレシーブからチキータに行こうとすると、左利きの選手の邪魔になる位置まで移動しなくてはならなくなり、動きがギクシャクします。右左で組む場合、右利きの選手のレシーブが、フォアで受けることが多くなり、変化を出しにくくなるデメリットも最近では見えてきました。逆に右右で組む場合、フォア側に回り込んでのチキータは、逃げる動作と同じ方向に動くので、レシーブから先手を取るには有効な技術です。右右でもメリットが出るようになってきたのが現代卓球です。
性格はしっかり考慮して、気の合うもの同士で組む
次に性格やメンタルなどを考慮したペアリングです。強い者同士が組めば強いダブルスができるわけではありません。シングルスと違い孤独な戦いではないダブルスは、ペア相手とのコミュニケーションが非常に大切です。シングルスではメンタル的に弱いが技術は高い選手が、メンタルの強い選手と組むことで、普段のシングルスの試合以上のパフォーマンスをすることは多々あります。お互いに遠慮せず、楽しく前に向かっていけるペアリングがいいでしょう。自分より格上と組む場合でもダブルスを組んだなら関係は対等です。言いたいことが言える中であり励まし合って共闘できる相手は決して手放してはいけません。ダブルスであれば格上選手を倒すこともできます。ペアの一体感がダブルスのでは最強の武器です。性格的に補い合える相手とのペアリングがいいでしょう。
戦型からペアリングを考える
最後に、戦型でのペアリングです。裏裏全盛期なので、裏裏ペアが多いですが、プレーフェースは各選手ごとに異なります。前と後ろなど場所が被らない選手とのペアはダブルスがやりやすいです。また、私のような異質型の選手では、裏裏ドライブ型の選手の中でも、回転量の多いドライブを打てる選手がいいパートナーとなります。表ソフトのナックルが生きるからです。回転差が生まれることはダブルスの戦い方の中で重要な項目で、ドライブとナックルロング、切れたツッツキとナックルのツッツキなど、相手を幻惑させることが多くなります。
私とパートナーは共に前でプレーすることが多いですが、パートナーはサーブが上手くとても切れていますし、ツッツキも切れます。ドライブはスピードよりも回転量を重視していて、前で打つことにより決まるドライブです。スマッシュも多様するシェーク裏裏です。バレーボールで言えば、私がトスをしてパートナーがアタックするイメージです。得点を取りに行くのはパートナーの方が多く、攻撃の起点もパートナーです。ですからドライブ、スマッシュのミスに関しては私は何も言いません。彼が打たなければ得点できませんし、その分のリスクを彼だけに負わせるのは違うからです。私も決めに行くことはありますが、主だってはナックルブロックやコースをついたツッツキでチャンスメイクをすることが多いです。フォア面に貼ってあるアタック8の効果もありますが、パートナー曰く、私とダブルスを組んでいると、夢の国にいる感じとよく言います。ディズニーランドのように楽しいという意味です。二人でやるときは互いに責めることはしませんし、自分のミスを抱え込むこともありません。パートナーのミスは前に送った自分のボールのせいですし、得点できるのもその前のボールが良かったからです。お互いに讃え、支え合うことがダブルスでは大切になります。このような空気感を作ることで二人ともノビノビとプレーできるので、1+1が3にも4にもなります。
まとめ
ダブルスではパートナーに気を使って萎縮するのではなく、相手を萎縮させてもダメです。卓球の時だけでなく、日常的にどんな付き合い方をしているのかを考えて、ベストパートナーを探しましょう。
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