水谷選手の10回目の優勝で幕を閉じた全日本選手権。大島選手との木下マイスターの同士討ちとなってしまったのは、見どころとして少し薄くなってしまいましたが、ラン決から決勝まで、見どころの多い大会でした。
個人的には、水谷選手が使用しているとされるディグニクスが、テナジーとどう違うのか、ハイビジョンの映像で確認できるのが、今日の決勝戦でしたので、食い入るようにラバーを見ていました。
スポンジの色を確認したところ、テナジー05とほとんど見分けがつかないなと思いつつも、スロー再生すると、若干赤みが強いかなと思い、バタフライの1月15日現在の使用用具でもディグニクスとなっているので、ほぼ間違いないでしょう。
対戦相手の大島選手のフォアがテナジー05ですので、ディグニクスとの飛び方の違いが少しわかるでしょう。
練習中の水谷選手の打ち方を見たときに、スイングが変わったなと感じました。
フォアドライブの際のラケット角度が、以前よりも立っている(垂直に近い)なと。テナジー05の時にはもう少し寝せて打っていたように思います。回転方向よりも、ミートする瞬間のスピードと、当たり方が変化しているように見えます。水谷選手自身が以前よりも前でプレーするようになったことも影響していると思いますが、ラバーの球持ちが良くなり、弾みが良くなった、さらに硬くなった影響から、スイングスピードとミート力を問われるようになったのでしょう。
テナジーの時に比べ、ボールの初速が上がり、前陣ブロックなどがやりやすそうでしたね。今大会では、水谷選手の無理にカウンターしないフォアブロックが光っていました。ボールの弧線は安定しており、高く跳ね上がるというよりも、前に前に出ていくタイプのラバーですね。安定して入るテナジー05と比べて、深く低く伸びていくようなボールが増えました。
フィーリングとしては、VICTASのV15エキストラに近いボールの伸び感で、使いやすそうというかんじですかね。丹羽選手のように、用具に対して苦労していないように見えますので、じゃじゃ馬なV15よりも、マイルドで、テナジーの正常進化なんでしょう。ただし、置きに行くようなスイングをしたときに、ミスが出ていたところを見ると、ある程度のハードヒッターで、スイングスピードと思い切りの良さが求められるラバーであることは間違いありません。
トップ選手の中でも、テナジーユーザーがすべてディグニクスに移っているわけではないところを見ると、テナジーのような万能ラバーよりも、少し棘のあるラバーなのでしょうね。
なんにせよ、春の発売が楽しみなラバーです。
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