現在の30代半ば以上の年代であれば、弾む接着剤世代なので、自分でラバーの貼りかえが出来ない人はあまりいないと思いますし、中学生くらいから、ラバーは自分で貼っていたと思います。
しかし、今は弾む接着剤禁止の時代、プロ選手でもない限り、毎日ラバーを貼り替えるなんてことはないでしょう。部活で使って2ヶ月から3ヶ月に1回のペースで貼り替えるなんていう子が多いですよね。
聞いてみると、ラバーを購入したショップに貼りかえを頼んだり、我々コーチ陣に頼んだりなど、自分で貼り替えることができない人が増えています。
卓球のラバー交換は、テニスやバドミントンのガットのように特殊な機材が必要なものではありません。用具を揃えてしまえば誰でもできてしまいます。
貼りかえが方について、今一度ご紹介します。
用意するもの
ラケット、新しいラバー、卓球ラバー用接着剤、スポンジ、洗濯バサミ、ハサミ、太めの棒状のもの
これだけです。
まずは今貼ってあるラバーを剥がします。卓球ラバー用接着剤は貼り替えることを前提に作ってあるので、粘着力はありますが、剥がせる接着剤です。ラケットのグリップ部分に取っ掛かりを作って、ゆっくり斜め上に引っ張りましょう。強く剥がすと、ラケットの木目が剥がれたり、ラバーのスポンジがラケットに残ったりしてしまいますので、ゆっくりです。
剥がしたら、ラケットの表面を手でこすり、残っている接着剤を取ります。消しゴムのカスのようなものが出てくるので、しっかり取り切ってください。
それでは本格的に作業します
まず、ラバーをパッケージから取り出して、スポンジ面を上にし、接着剤を出します。コインくらいの量でいいでしょう。
メラミンスポンジや食器洗い用のスポンジを小さく切ったものを、洗濯バサミで挟んで、ラバーに出した接着剤を塗り広げていきます。
バタフライから出ている「クリップスポンジ」には、スポンジと持ち手となるクリップがセットになっているので便利です。
均一に接着剤を塗り広げたら、余った接着剤を、ラケットの表面に均一に塗ります。慣れるまでは片面ずつ塗りましょう。
接着剤が乾くまで待ちます。白色の接着剤が透明になれば乾いた状態です。ドライヤーを使って乾かしてもいいですが、ラバーが熱で膨張するため、ある程度冷えてから貼り付けます。
ラケットのグリップ側を自分の方に向け、ラバーをグリップ側から先端へ向けて貼っていきます。空気が入らないようにしましょう。ローラーを使って貼り付けると便利ですが、力を入れすぎてラバーを伸ばさないように注意します。
ここで難しいのは、ラバーの中心線とラケットの中心線を合わせることです。事前にロゴマークのどの部分が中心になるのかを確認しておきましょう。目安として、ボールペンで印をつけておいてもいいですね。
無事接着したら、切り取りです。正直これが一番難しいです。
まず、ハサミは大きめのものでよく切れるものを準備します。ラケットは目線の高さまで上げて下から覗き込むようにした方が切りやすいです。
ここで注意するのは、ハサミとラバーの関係性です。必ずハサミがラバーに対して直角に入っていることを確認しながら、ワンストロークを大きく切り取っていきます、ハサミ側を動かすよりも、ラケット側を動かして、縁に沿っていきましょう。細かく切っていくと、ラバーの断面がギザギザになってしまうので、一度に入れるハサミは大きく切り取り、ハサミのすべてのストロークを使い切る前に、次のストロークのためにハサミを開きます。決してパチンと先まで使って切り終わらずに、常にハサミ真ん中付近で切り続けるのことが必要です。
シェークの場合、グリップが邪魔で初めが切りにくいので、一番最初の取っ掛かりを作る切り始めは、ハサミの先端を使って、パチンとやって大丈夫です。
ハサミは押しながら使うのではなく、引くようにして切っていきます。斜めになるとラバーの表面を切ってしまい、スポンジだけが出てしまう見窄らしい状態になってしまうので、角度には神経を使います。目安としては6ストロークから10ストローク程度で切り終わるように、大きく切りましょう。
これで片面は完了です。反対側も同じ要領で貼り付けます。なれてくると、10分もかからずに終わってしまいます。
自分が張ったラケットは愛着もひとしおです。
ちなみに、、、
硬めのスポンジのラバーを使っている方で、もう少し食い込みや球持ちを良くしたり、弾みを上げたい方は、接着剤を重ね塗りする事で、扱いやすくすることができます。接着剤が半乾きの状態で、もう一度接着剤を出し、塗り広げます。中国ラバー、粘着ラバーですね、この辺りは重ね塗りで効果が出るラバーですので、塗り方も工夫してみてください。
私はフォア面のアタック8 の53度スポンジは一度塗りで硬めの打感を残し、バック面のアポロ5超極薄は3回重ね塗りで扱いやすくします。接着剤の厚さによって打感も大きく変わるので、ベストな厚みを探してみるのも楽しいですよ。
このように用具に凝ることができる卓球の一つの醍醐味がラバー張りです。ぜひマスターして、好みのセッティングを見つけてみましょう。
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