粘着の概念が変わるテンション粘着ラバー

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ラバー

プラボール導入から、テンション系裏ソフトの開発が進んでいる中、各社が色を出してきているのが粘着ラバーの開発です。

回転がかかり重い球が打てる一方で、硬い、重い、スイングスピードがないとただの棒球になると言った、上級者向けのスペックが多かった粘着ラバーの中で、テンションスポンジと合わせて弾みを良くし、食い込むようになった粘着テンションラバーは、回転量の少なくなったプラボールに対して、回転の優位を取る方法としてトップ選手の使用が増えています。

特にフォアでの使用が多い中で、最近ではバックに粘着テンションを貼る選手も増えてきました。中国選手を筆頭に、馬龍がバックに粘着テンションを貼りましたし、日本では神巧也選手がバックを翔龍に変えました。

粘着の有無で、バックに貼ることによりどんな変化が出るのか、優位に働く場面がどこにあるのかを考えてみます。

1.弾道が変わり、変化が出る

高弾性テンションラバーが、高い使用率を誇る中で、異質ラバーと同様に使用率は軒並み低い粘着ラバー。その中でもフォア面に使う選手が多く、パワーと回転量で圧倒する使い方が多いです。

このような中で、バックに粘着ラバーを貼ることで、自分の使いにくさは異質ラバーほど無く、相手にやりにくさを感じさせることができます。

特にブロックの弾道がナックルに近くなり、滑るように飛んでいくことと、飛び出し速度が落ちるため、テンションラバーに慣れた選手にすると飛んでこないボールにタイミングがズレてしまいます。

ナチュラルに変化することで、ブロックが効くようになり、バックハンドでの攻撃力が少ない選手でもブロックで振り回す、ミスをさせることができるようになります。

2.微粘着で弾みも回転もアップ

最近多いのが微粘着シートの粘着ラバーです。軒並みスポンジも硬すぎず、粘着ラバーの中では扱いやすい部類になります。翔龍や輝龍、スピンアート、K1J、V07sticky extraなど、多くの日本メーカー粘着ラバーは微粘着シートです。本格的中国ラバーと比べると、圧倒的に打ちやすく、粘着のクセが少なく回転量のアップが見込めます。大きな展開よりも台上のツッツキやストップ、サービスの回転量を少し上げたい、でも粘着のやりにくさは敬遠するというプレーヤーには、微粘着テンションラバーがいいでしょう。

3.振り抜ければパワーはピカイチ

重い球を出しにくいバックハンド技術の中で、粘着ラバーでバックハンドドライブをできれば、スピードもスピンもパワーもピカイチです。レシーブをバック待ちすることが多い選手が、一撃で狙っていきたい時には、大きな武器になります。ラリー戦の中でピッチを上げて安定して打つのは難しい反面、2球目4球目などの早い段階で、対下回転でのバックドライブで優位に立ちたい時には、攻撃力アップのギアとなることでしょう。テンションラバーのスピードで抜き去るドライブではなく、回転重視のループ系や、半身になっての居合抜きのようなバックハンドを使うプレーヤーには、粘着テンションを使って一撃の力を増していくのは理にかなった方法です。

反面使いにくさは残る

打球点を落としてしまったり、乗せるだけ、当てるだけの打ち方になった時に、相手にとってはスピード、スピン共に打ちごろのボールが行ってしまうのは粘着ラバーの欠点です。相手の強いボールは当てるだけのブロックでも変化が出るのでいいのですが、安全に入れにきた緩いボールを、そのまま当てるだけで返した場合は、スピードが足りなくなり、追いつかれ、逆襲をくらいます。

攻撃力が高い反面、しっかり打つべき場所で打てなければ、使いきれないラバーになり、このような場合は、通常のテンションラバーの方が、スピード感があり得点確率は高くなるでしょう。

リスキーではあるものの、とにかく攻撃をし続けられる強心臓の持ち主や、攻撃が最大の防御なり!と割り切れる選手の使用や、ツッツキの回転量は負けない、ブロックは鉄壁などの、守備系技術に自信があり、バックは守る側と割り切れる選手は、試してみる価値のあるラバーです。

王道テンションラバーのように、多くのものを求めてはいけませんし、中庸的なラバーのでもありません。とんがっていて、割り切りが必要ですが、個性を出す、伸ばすためには最良のラバーでもあります。

表ソフトや粒高を使うくらいのイメージで、バック粘着を使用してみると、良さが見えてきて、自分の求める卓球に必要なのか否かが分かると思います。

決して軽い気持ちで手を出すものではないですが、秘めたる熱い想いを受け止めてくれるのは粘着テンションラバーなのかもしれません。


コメント

  1.  椿 より:

    キョウヒョウ3−50を今使っているんですが非力な僕でも簡単に飛んでくれてしっかりドライブが掛かりフォアバック両面しっかり振れば早い球速で打てるラバーでした
    当然粘着なのでサーブもブチ切れたり台上もしやすかったです
    但しやっぱり粘着テンションラバーなのでキョウヒョウほどの癖玉出すにはかなりの労力を強いられるしスピードもテンションラバーほど出ない
    そんなラバーです
    結構好みが分かれると思います

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