粒高ラバーにスポンジは必要か OXとソフトラバーでここまで変わる?粒高の変化と、特色のある粒高ラバーの紹介

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卓球

裏ソフトラバー、表ソフトラバーにある「ソフト」とは、スポンジの事を指します。では、粒高ラバーとは言いますが、粒高ソフトラバーという表記はありませんね。販売されている粒高ラバーの多くは、OX(一枚)と薄めのスポンジの付いたものがあります。前者を粒高一枚、後者を粒高ラバーと呼ぶことが多いですが、そもそも粒高ラバーについているスポンジは、どのような役割を果たしているのか、粒高はスポンジありがいいのか、OXがいいのか、両者の違いを解説していきます。

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粒高ラバーの変化の仕組み

そもそも、なぜ粒高ラバーは摩訶不思議な変化をボールに与えることができるのでしょうか。卓球のラバーは、粒が打球面に出ているラバーを表ラバー、それを裏返して平らな面を表面にした裏ラバーがあります。粒高ラバーは表ラバーの一種です。

表ソフトと粒高の違いは、粒の直径と高さにあります。表ソフトラバーは、ボールとの接地面積を粒粒の表面でも大きくするため、粒直径が大きく、さらにボールへの反発力を強めるため高さを低くしてあります。概ね粒の高さは1㎜程度です。

対して粒高ラバーは、粒直径が小さく、粒の高さが1.4㎜~1.6㎜程度になり、柔らかめのゴムを使っているのが特徴です。

粒高ラバーが変化を生む要因は、この粒の高さと柔らかさにあります。

一般的に回転するボールがラバーに当たると、その回転にラバーが引っ張られてゴムの引き攣れを起こします。例えば裏ソフトラバーで相手の前進回転を受けると、垂直したラケット面に対して下方向にゴムの引き攣れが起こります。そのゴムが引っ張られた状態から元の状態に戻ろうとするため、引っ張られたのとは逆方向に力を与え、ボールを飛ばしていきます。そのため、相手からの前進回転を受けた裏ソフトラバーは、ボールの回転を逆方向にして、自分の方から見ての前進回転に回転を変えるのです。

対して粒高ラバーで回転のあるボールに触ると、同じようにゴムの引き攣れがおこります。この時、平面で接触している裏ソフトとは違い、粒高ラバーでは粒一つ一つが引き攣れにより曲がります。折れているという感覚に近いかもしれません。

粒が倒れることにより、ゴム自体の引き攣れの力は、倒れた粒によって分散され、受けたボールに対して影響を及ぼしません。そのため、粒高ラバーで打ち返すと、相手の前進回転がそのまま残り、自分が打ったボールとしては下回転として射出されていくのです。これは、スポンジなどのクッションのないラバーの方が、粒が倒れるための力をボールから受けやすくなり、OXシートの粒高の方が変化が大きくなるのです。

変化が大きくなるのがOX、ではなぜスポンジを入れるのか

ラバーにスポンジを入れるのには理由があります。裏ソフトも表ソフトも、相手から打たれた強いボールをそのまま打ち返すことができます。これはスポンジが、ボールの威力を吸収して、さらに反発させるためです。そのためボールの運動エネルギーが、一度ラバーのスポンジに受け止められて、そこから反発する力を、またボールが受けるため、安定してボールを打ち返すことができます。運動エネルギーがラケットやラバーを経由して、またボールに戻るためです。

では、OXではどうなるでしょう。勢いのある球をラケットが受けると、力を受け止めるためのスポンジはありません。そのため、ラケットのそのものが運動エネルギーを受け、吸収し、さらに受け止めきれなかったエネルギーはグリップを通じて、人の中に入っていったり、空気中に放出されていきます。ボールがやってきた運動エネルギーをそのまま持ち帰ることができないために、「ボールが飛ばない」「落ちる」と感じたり、「止めやすい」と感じるのです。

ひとつ例外があり、OXラバーで、相手の強い勢いのボールに、勢いよくラケットを当てた場合、さらには、ラケットを持つ腕に力が入っていて、エネルギーが逃げないようになった場合、ゴムと木材の受け止めきれる力を超えてしまうと、ボールは元の勢いを持ったままあらぬ方向へと飛び出します。ボールが制御できていない状態です。前に飛ばせるはずなのに、全く飛ばない、相手コートに届くはずなのにネットミス、さらには収まるはずなのにオーバーミスは、相手から放たれたボールのエネルギーを、自分の打球エネルギーに変換できていないところから発生するミスです。

このようなエネルギー変換を楽にするための緩衝材が、スポンジの役割になります。

粒高OXを使ってから、極薄や薄などのスポンジの入った粒高を打つと、ボールが簡単に前に飛ぶように感じますね。

粒とラケットでしか受け止められなかったエネルギーを、スポンジが変わって受け止めてくれて、さらにため込んだエネルギーを放出してくれるため、ボールは楽に前に飛ぶようになります。

対して、粒高の命でもある粒が受けるエネルギーの大きさは小さくなり、粒の倒れも少なくなるため、ボールの変化は小さくなるのが問題点です。したがって、前陣で相手のボールの勢いそのままに、粒を最大限まで倒して変化を出すブロックを使う選手はOXが向いていますし、少し離れた位置から打球をするカットマンや、相手の強打に対して粒高で打ち込んでいくような選手には、スポンジのある粒高ラバーのほうが打ちやすく感じるでしょう。

種類いろいろ、粒高ラバーの特徴

バラフライ:フェイント

粒高といえば「フェイント」と思うくらい、昔からある粒高ラバーで現在も愛用者が多いラバーです。前陣攻守型からカットマンまで幅広く愛用者がいて、ロングセラー商品ともなっています。

中硬度のゴムに、柔らかいスポンジを搭載しているラバーで、OXでは相手の回転の影響を受けにくい安定したプレーをすることができ、スポンジありではカットプレーから攻撃まで安定して行うことができます。自動的に変化が大きく起こるラバーではなく、使い手の意思をしっかりと受け止めるラバーとして使いやすい粒高です。スポンジ厚は極薄と薄があり、攻撃マンでも前陣でのプレーがベストでしょう。

 

TSP:カールP1R

こちらは、ルール基準の中で最も高く細い粒をもつ粒高ラバーです。スポンジは硬め、ゴムは柔らかめというフェイントとは逆のラバー構成となっています。硬めのスポンジにより粒がしっかりと倒れるため、ソフトラバーを使ってもしっかりとした粒の変化が出るのが特徴です。スポンジ厚も特薄、薄、中と容易されており、プレースタイルによってスポンジ厚を変えられるのがいいですね。OXでの変化はえげつないもので、さらにコシのあるゴムなので粒高でもツッツキを切ることができます。スポンジの厚さを中まで持っていくと、表ソフトのような打球ができ、粒高でも攻撃的なミート打ちやドライブも可能になります。変化を殺さずに攻めていくスタイルにピッタリのラバーです。

 

ティバー:グラスディーテックス

上級者のペン粒高に愛用されているのがこのGrass D.TecSです。ツッツキ、ブロック、プッシュの変化が大きい、通好みのラバーになっています。他の粒高と大きく違うのが、テンションのかかった粒高ラバーということです。粒が倒れてからの復元力が強く、多彩な変化が出るのが特徴です。粒高ラバーとしては弾みの大きいラバーなので、相手のボールを殺す技術には高いものが求められます。OXからスポンジ厚0.5、0.9、1.2、1.6㎜とバリエーションが豊富にあり、使いこなせば高い変化と攻撃力を備えたラバーです。これを試すのは、フェイントやカールP3などの王道粒高で、ブロックとプッシュの技術を磨き、自在にボールをコントロールできるようになってからにしましょう。

 

銀河:スーパーキム

分類上は粒高ラバーですが、非常に特殊なラバーです。スポンジ厚が1.7と1.9という分厚いものしか用意されていない、粒高ラバーのような、そうでないような。超軟質スポンジ(硬度はおそらく20度以下)に、柔らかめのゴムを搭載しており、ラバー全体硬度でも30度程度というシフォンケーキのようなラバーです。相手の回転の影響を受けず、ボールを前方にはじき出す力に優れており、裏ソフトのように回転をかけたり、表ソフトのように弾いたりすることが可能になります。粒高特有の回転を利用する機能は持ち合わせず、打つボールは弱上回転もしくはナックルとなります。とりあえず相手のコートに返す、そして自分も打ちやすくミスなく返球できる特殊な粒高ラバーです。

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スティガ:バーティカル20

粒高ラバーの中では特徴的な「縦目」のラバーです。従来までの粒高はブロック時に倒れる粒の量を多くするため、粒配列を横目にし、より多くの粒が倒れて変化するというラバーがほとんどでしたが、バーティカル20は粒配列を縦目にすることにより、変化や止めやすさよりも打ちやすさを追求しています。縦目にすることにより、スイング方向に対して粒が自然に倒れるため、止めるだけでなくスイングしてもボールが入ってくれます。従来までのプッシュ打法だけでなく、しっかりとスイングしたミート打ちやドライブもしやすく、変化系表ソフトよりも打ちやすく、しっかりと変化するラバーです。スポンジ硬度は柔らかく、ボールを包み込んでくれます。変化を大きく求めるプレーヤーはスポンジ硬度が高いバーティカル55を使用しましょう。スポンジ厚は特薄、薄、中の3種類で、打ちやすさから、練習量を確保できない社会人プレーヤーで、粒高をつかっていたという方にはうってつけの商品です。とにかく打ちやすくボールが収まりやすいラバーで、粒の基本を知っていれば、使いやすさからファンになるはずです。

 

まとめ

粒高ラバーの性質から、スポンジの有り無しの違い、さらには特徴的な粒高ラバーのご紹介をしてきました。トップレベルでは希少な粒高プレーヤーですが、一般層の戦いでは、粒高に対して対策を講じる選手が多い、ある種の嫌われラバーです。だからこそ、勝てる要素も高まりますし、粒高を理解して使いこなしていくことで、裏ソフトの回転地獄に一石を投じることができるでしょう。粒高で大成する選手は、非常にクレバーな方が多いです。しっかりとラバーの性質や理屈を理解して、頭の良い粒高プレーヤーになりましょう。

コメント

  1. つばき より:

    試しに試した結果フェイントソフト薄になりました
    僕は男性なんですがプレースタイルは所謂ペン粒と呼ばれる卓球を続けています
    しかし結局レベルが上がる程男性のドライブはそもそも受けきれないのでブロック主戦では県予選が関の山
    勝つ為には粒高でも打つ事が出来る様にならないと行けない
    そう考えて粒高でも容易に打ちやすくドライブやミートが比較的簡単に出来るフェイントソフトに行き着きました
    粒高特有の変化についてはアクセントで留めています

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