ラバーやラケットは、価格でも、性能でもなく、自分との相性で選ばなければダメ。【卓球用具の選び方】

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卓球

世の中にある多くのスポーツで、「上手い人」が使っている用具は高価なもの、性能の高いものが多く上手くなってくると「あの選手の使っている用具を使おう」と思いますね。野球、テニス、ゴルフなど用具を使って行うスポーツでは高価なものを使う=上手くなったという図式が成り立ちますが、卓球に関しては、これが上手くはハマりません。今回は、卓球用具を上手い人たちはどうやって選んでいるのか、解説していきます。

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合う?合わない?これは自分次第

現代ではインターネットが普及し、さまざまな情報を取ることができるようになりました。こうした中で、Yahoo知恵袋や卓球コミュニティなどでは毎日のように「AというラケットにBというラバーは合いますか?」「シェークドライブ型ですが、Cというラバーは合いますか?」という質問が数多く寄せられています。これらの質問を私もコーチングをしている生徒さんから受けることがありますが、その時は決まってこう答えます。

「わかりません」

こればっかりはわかりません。なぜか、それはみんな違う人間だからです。

卓球の戦型にはドライブ、速攻、カット、攻守などがありますが、その戦い方は同じ戦型でも個々によって異なります。

例えば水谷選手と張本選手と丹羽選手、みんなシェークドライブ型ですね。でも戦い方も、ボールタッチも、攻め方も全然違います。ある程度行くところまで行ったトッププロでもこの差があります。彼らが使っている用具も全く違いますね。

水谷選手 水谷隼ZLC、ディグニクス05、ディグニクス80

張本選手 張本智和インナーフォースALC、ディグニクス05、テナジー05

丹羽選手 丹羽孝希WOOD v15エキストラ両面

ラケットは水谷選手はアウター特殊素材、張本選手はインナー特殊素材、丹羽選手は特殊素材なしの純木です。

ボールの弧線が安定的に出るディグニクスを水谷張本両氏は使っていますが、丹羽選手は比較的直線的にボールが飛ぶv15を使います。

これをそっくりそのまま同じものを使えば、水谷選手の後陣からの巻き返しプレーをしたり、張本選手のチキータからの高速バックハンドをやったり、丹羽選手のカットブロックと稲妻カウンターができるのかというとそうではないです。

さらに、彼らのラケットをシャッフルして同じプレーができますかと言ってもそれは無理でしょう。これは何万通りもある組み合わせから、彼らが苦労して探し当てたオリジナルセットなのですから。

用具選びに必要なのは、「弾く」「擦る」「止める」「流す」というボールとの接触を細かく感じ取り分析して、自分の得意な触り方がどれなのか、それを良くするためには用具をどうすればいいのかを考えます。

ドライブの回転量をあげたい、でも力があまりない選手に中国ラバーのような硬いラバーや、勝手にボールが飛んでいくディグニクスのようなラバーを使わせても、回転量は上げることはできないでしょう。

速いスマッシュが得意、打ち込むボールの質をあげたいという選手に、ラバーの速さだけで見て、テナジー05を与えてもダメですね。

例えばカウンタープレーの得意な丹羽孝希選手は、純木材のラケットを使うことが多いです。特殊素材の反発利用はせず、自分の力で振った分、止めた分のわかりやすいラケットを使います。さらにテンション裏ソフトの中では硬めのシートであるv15を使用して、あまり回転量にこだわる様子は見せません。回転をかけにくいということは、回転に鈍感なラバーということにもなるので、カウンターしやすくなりますよね。対してドライブ一撃の攻撃力は下がっています。ただ、あのトリッキーでファンタジスタなプレーは、このセットアップでないと始まりません。

高けりゃいい、わけでもない

水谷選手のラケット一式は、ラケット25,000円、ラバーは10,000円となっていて、合計45,000円の高級品。

では丹羽孝希選手は、ラケットが15,000円、ラバーは6000円が2枚です。合計27,000円になります。

この差が実力に出るのかというとそれはNOです。安いから負けるわけではないですし、高いから勝てるわけでもありません。

地方のオープン大会では、5000円くらいのラケットに、2000円程度のラバーを貼ってとんでもない強さを誇るプレーヤーもいます。

全てに共通しているのは、自分の卓球に合ったものを使っているということ。これが卓球用具選びの全てです。

中高生ではこぞってテナジーやディグニクスを使いたがりますが、非力な彼らにこれらのラバーは使いこなせないでしょう。またオートマチックに飛びすぎてコントロールができず、オーバーミス連発で弱くなることもあります。

対戦相手のラバーには決して名前負けすることはなく、分不相応だと思ったらチャンスが来たと思った方がいいですね。

逆に、こんなに上手いのに、なんでマークvなの?なんでコバルトなの?と言った安すぎてこの用具どうなのよっていう人に当たったら、私は最大の防御を貼ります。その方は九分九厘強いので。

ラバーには柔らかいと硬いの二つだけ?

裏ソフトラバーにはどんな種類がありますか?

大きく分けると次の通りです。「トップシートもスポンジも柔らかい」「トップシートもスポンジも硬い」「トップシートは柔らかくてスポンジは硬い」「トップシートが硬くてスポンジが柔らかい」この4つです。この中から自分のフィーリングに合うものを探していきます。

まず自分の今のラバーが、先の4種類のどこに入るのかを検証します。それがわかったら、普段の技術の中で、今のラバーを使っていることによるデメリットとメリットをあげましょう。最後に、デメリットを少なくして、メリットを残せるタイプのラバーを見つけます。これがあなたに合うラバーです。

初めは自分で探すのは難しいでしょう。いつも指導してくれるコーチに、このラバーはこれがやりにくくなってきた、こうしたいから、硬いラバー にしたい、どうしたらいいか、という質問をすると答えてくれるはずです。それでも無理なら私のTwitterにDMをください。ある程度お応えします。

デメリットをつぶすためには硬くするのか柔らかくするのか、そこを見抜く力も必要なので、なるべく多くの用具に触っている人に聞くのが一番です。

表ソフト系、粒高はもっと大変です。先ほどの硬い柔らかいの4種類な加えて、粒の大きさ、高さ、縦目横目、ここまで考えます。大切な日の洋服が決まらなーい、そんな気分になってきます。これが卓球の醍醐味でもあり、用具を知ることは卓球を強くするとも言われる所以です。しっかりと用具の勉強と、自分の体の感覚の勉強をしていかないと、一生良いものには出会えませんよ。

スピードが出れば良い、回転がかかればいいわけでもない

攻撃型の選手はとくに、ドライブの回転量、スピードを求めますが、ラバー に書いてあるスピンとスピードの数値が高ければ高いほどいいわけでもないです。この数値は、しっかり打てるウデがあって初めて出せる数値で、学生レベルでは、トップのほんの一握りだけが持っている能力です。引き出しの幅は大きいですが、そもそも引き出しを開けられる鍵を持っていない人には無用の長物です。

まずは自分が柔らかいものがいいのか、硬いものが好きなのか、そこは判別しておきましょう。簡単なのは当てはまるラケット を試打することです。

硬い硬いは中国ラバー、柔らかい柔らかいはテンションの中でも「ソフト」「FX」とつくやつ。硬い柔らかいの例はv15スティフ、柔らかい硬いの例はラクザ7です。これらのラバーを打ってみて、いつもと何が違うのかを神経すり減らして考えることが強くなるための一歩です。

まとめ

今回はここまでにしておきます。次回、実際に一般層が使っているラケットとラバーを挙げてみて、そのセットアップに行き着いた理由を考えていきます。

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