変化系表ソフト、あまり使用しているユーザーが多くは無いこのラバーは、粒高よりも変化が少なく、普通の表ソフトよりも回転がかけにくくスピードも出にくい、なんとも中途半端な性質のラバーになります。
よく考えれば、ある程度打てて変化がつくラバーとも言えますが、その使い方は様々で、ユーザーの求める性質によって、使うラバーを変えていかなければなりません。そこで今回は、変化系表ソフトの代表作2つを例にとり、変化系表ソフトの種類とその性質について考えていきます。
以外とあるぞ、変化表
変化系表ソフトは結構種類があります。その中でも、アタック8のようなツブ細めで高めなものと、729-563のようにツブ太めで低めのものに分類してみましょう。
アタック8群
・アタック8(縦目)
・ロングピンプル(横目)
・ドナックル(横目)
・スーパードナックル(横目)
・ピンプルミニ(縦目)
・カールP2(縦目)
こういう系統です。
729-563群
・729-563(横目)
・388C1(横目)
・ヘルキャット(横目)
この違いわかりますか?
アタック8群はどちらかというと粒高に近い変化系表ソフト。粒は細めで、粒高ほど粒が高くないという感じです。
逆に729-563群は、表ソフトに近い変化系表ソフト、粒を太めにしているが、その形が円柱形になっており、標準の表ソフトよりは高い粒になっているということです。
よりメジャーどころが多いのは、アタック8群で、見ただけで変化系表ソフトとわかってしまうでしょう。名前もそこそこ知られているので、ラケット交換した際に、変化系表ということが名前でも見た目でもわかってしまいます。
対してマイナーどころが多いのが729-563群です。見た目は普通の表ソフト、その名前を知り、変化系表とわかっていれば別ですが、詳しく調べなければ変化系表とは分からないラバーが多いです。そのため、ラバーを知らない相手や初見の相手には非常によく効くラバーです。
変化の種類が変わってくる
アタック8群と729-563群では、打ったボールの変化の種類が変わります。
アタック8群では、基本的にどんな打ち方をしてもナックルボールが出る仕様です。回転をかけようとしても、基本的にはかかりにくく、回転をかける際には、粒高で回転をかけるのと同じように、表ソフト表面の粒を同じ方向に倒してあげることで回転がかかります。
以前にペン粒高の名手、鵜養選手にアタック8とピンプルミニワンでカットブロックをしてもらいました。鵜養選手にかかると、これらの変化系表ソフトでも、下回転のかかったカットブロックが出来てしまいます。回転の掛け方は基本的に粒高に似ているようです。
アタック8群の特徴として、相手に打ちにくいボールが飛びますが、自分自身も打ちにくさが残るという点が挙げられます。ラバーをしっかりと使いこなせれば別ですが、変化だけを求めて、アタック8群を使おうとすると、今まで出来ていた基本技術が全くダメになり、返球できないという事態が発生するでしょう。相手にも打ちにくく、自分も打ちにくい、それがアタック8群の変化表です。ただし、変化の度合いは大きく、ナックルや不規則な変化が多いのが特徴でもあります。
対して729-563群の変化系表ソフトでは、ナックルボールの変化度合いはアタック8群に比べて若干少なくなります。少なくなった分、自分でも打ちやすいのが特徴です。
729-563群で回転をかける際には、表ソフトの回転の掛け方と似た使い方をします。粒の角に引っ掛けて回転を作り出す方法です。同じ方向に倒れるほど粒が高くなく、さらに太めの粒になっているので、粒高のような回転の掛け方では、下回転を切るということは難しくなります。切るためにはコツンと粒の角にボールを当てて、下回転をかけるという方法です。普通の表ソフトで回転をかける方法とおなじになりますので、表ソフトユーザーだと、慣れた感覚になるでしょう。
粒の高さや細かさで変化を出すのではなく、あくまで円柱形の粒が自然に変化を生むという姿勢です。回転系表ソフトでは根元の強い台形、スピード系表ソフトでは根元は台形+先は円柱という組み合わせになり、円柱だけで構成される表ソフトは変化系が多くなります。粒が低くても少しだけ根元がグニャっとなって変化するというのが、729-563群のボールの変化の仕組みになります。
粒が低いので、滑る感じや、粒が倒れることによるエネルギーロスが少なく、ミート系の技術はやりやすくなるでしょう。
総合的に考えると、粒高ユーザーが変化系表ソフトに移行する場合はアタック8群、表ソフトユーザーが変化系表ソフトに移行する場合は729-563群から使い始めると、違和感が少なく、使い心地もいいのではないでしょうか。
一口にくくられることによる弊害がある
筆者は過去にアタック8、スーパードナックル、ピンプルミニ、カールP2のくくりと、729-563、ヘルキャットのくくりの両方を使ってきました。元々スピード系表ソフト(スペクトル)を使っていた筆者は、どちらかというと729-563群の方が使いやすく感じました。
また、変化系表ソフトは目の向きによっても、使い心地が大きく変わります。スピード系表ソフトに多い縦目、回転系表ソフトや粒高に多い横目のどちらのラバーを現在使っているのか、その種類を合わせたほうが、違和感は少なくなるでしょう。
一例では、スペクトル(縦目)を使っていた筆者は、アタック8やピンプルミニについては違和感が少なく使えますが、スーパードナックル(横目)は辛かったです。
また、今は天王星(横目)をつかっている期間もあったので、その時は729-563(横目)、ヘルキャット(横目)に変えても違和感は少なく感じました。
粒の高さや目の方向、そして粒の大きさなど、ラバーそれぞれによって大きな違いが出る変化系表ソフト、マイナーな存在だけに、詳しく中身を知るということはむずかしいかもしれません。
ただ、これから変化表を使おうかなと思っている人は、縦目と横目、そして粒の大きさの違いをしっかりと勘案して、次のラバーを選んでみてください。
表ソフトにとって、粒直径と高さ、そして目の方向は性能と使いやすさを左右する重要なファクターです。変化系表にはそれが様々な形で混在するので、用具選びがとても重要なラバーの一つになります。
388C1
https://rubber.ocnk.net/product/1932
ヘルキャット
https://rubber.ocnk.net/product/2891
729-563
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