WRMさんのYouTubeゴールド会員プレゼントで頼んでいたHellFire Xが届きましたので、さっそくレビューをしていきたいと思います。
グラスDテックスのようなテンション粒ではない粒高のようですが、どんな感じになるのでしょうか。
薄いシートに適度な復元力の粒
粒高ユーザーにはおなじみのメーカーSauer&Troger、シュメルツやHellFireを出している粒高ラバーには定評のあるメーカーさんですね。HellFireのバージョンアップとなるのがHellFire Xです。まずは、その外観から見ていきましょう。
初代HellFireでは赤かった魔人が、緑色になりました。パッケージは魔人の色が変わった程度でデザインは踏襲です。
ドイツ語と英語がビッシリの裏面、HellFire Xを使うと、新しいレベルでの卓球が楽しめるそうです。
今回はOXの黒を使用します。粒目は横目の一般的な粒高ラバーの配列です。円柱形の高めの粒で、粒自体には適度なコシがあります。トップシートは薄めでペラペラしています。この薄いシートとコシのある粒がどうマッチングするのか、期待しましょう。
粒を拡大したところです。表面に布目はついていますが、簡易的な感じです。そこまでガッチリと布目ですというわけではない表面。指で粒を触った感じは、カールP1Rより硬く、グラスよりは柔らかいかなという感じでした。
シートの裏は、光沢のない黒、シートの張りは少なく、厚さも薄いため、ペランとして柔らかいです。上手に貼るには、ちょっと腕が必要かもしれません。また接着シートはついていませんので、別途用意する必要があります。
自分の中では過去最高に貼りにくかったのが、ホールマークのフェニックスでした。そこまでペラペラではありませんが、日本製の粒よりは、薄いので貼り上げる際には、慎重かつ丁寧に作業しましょうね。
今回貼ったラケットは、OSPのタイニーダンサー01です。
カット後のラバー重量は15.2gとなりました。
揺れるボールと攻撃しやすい打球感
まずは、シェークバック粒として使っていきます。
基本的なブロック、プッシュをしていきます。
初めのうち、薄めのシートが災いしたのか、コツンと底づきする感覚が出てしまい、粒が変化する前に飛んでいってしまう状態になりましたが、そこは修正。
弾むテンション粒かと思いましたが、私の当て方のせいでした。
揺れるボールがよく出る印象。特にプッシュのボールがよく揺れています。弾道は山なりではなく、ブロックもプッシュも直線弾道で、低く射出されていくラバーです。
適度に確保されたツブのコシが、相手のボールの回転をしっかりと残して打ち返すため、横回転サービスに対するレシーブや、サイドスピンの入ったツッツキなどには、当てるだけで予測不能なボールが飛んでいきます。
対ドライブでのブロックでは、当てるだけではそこまで切れない印象です。良くも悪くもマニュアルのラバーですが、しっかり切る技術があれば、ガツンと強い下回転を送ることができます。相手のドライブの回転が弱くとも、自分で回転をかけられる粒高になっています。
感覚としては、昔のフリクションより少し切れないけど、ボールの変化はフリクション以上
グラスよりも前に飛ぶ力が弱いので、ボールを殺すことも容易にできるという感じです。
大きな特徴は、やはり揺れるボールと、低い直線弾道になります。
特に対ドライブに対してのカットブロックが、真っ直ぐ切れて飛んでいくので、守備的な技術が攻撃に生まれ変わります。
また、球離れが良いので、パチンと打っていくこともできます。粒が倒れすぎず、粒を倒さないままでボールとラバーを強く接触させると、変化表ソフトのような角度打ちも簡単に入っていくのには驚きました。
シェークバック粒で戦う時には、揺れるナックルボールと、バックハンドでの攻撃技術を混ぜて使うといいのではないでしょうか。打てる粒高としても使い勝手は良いです。
ペン粒に最高、面を開くと驚きの効果が
シェークバックで使っていて思ったのが、バック面の角度が被せ気味に入ってしまうと、直線弾道の球質が災いし、ネットミスが多くなります。ブロックにもプッシュにも、台上で処理する時には、少しラケット面を開いてあげないと、安定して返球が難しく感じました。
また、ボールに対して垂直に真っ直ぐ当てるよりも、ボールの進行方向に対して軸を少しずらして当ててあげるほうが、変化が大きいボールが出ます。
タイニーダンサーをペン持ちして、ペン粒として使用してみましたが、ブロック、プッシュ、そしてフォアの攻撃時などにも開くラケット角度が出やすく、非常にプレーしやすかったです。カットブロックもプッシュも、開き気味の面でしっかりと入りますし、ボールが変に浮くこともありません。
そんなに開いたら入らないでしょ?と思う面でも、しっかり返球出来ました。
また、粒高のフォアで、ボールを乗せて打つような、のっけ打ちもやりやすく、ブロック一辺倒ではなく、中途半端な長さのボールは、そのままパチンと打ちこむこともできました。これが結構気持ちよく、守備的イメージのある粒高でも、非常に攻撃のしやすいラバーだなという印象です。
グラスほどの威力や速さはありませんが、予備動作無しにトンと弾く打ち方ができるので、攻撃時はノータッチで相手を抜くことも可能です。
絶対的な切れ味や、速さはグラスの方が上ですが、グラスの場合は弾みすぎてコントロールできないという恐れも大きいラバーです。しっかりとコントロールできる中で、切れ味も確保、攻撃性や変化性能も確保された、マニュアルラバーはHellFireXが最上級だと思います。
TSPのカールPHとP1Rを足して2で割ったようなラバー、攻撃にも守備にも活躍してくれるでしょう。
カットブロックは切れるのに、相手に持ち上げられて打ちこまれてしまう選手、フラットに当てた時の変化が大きく欲しい選手には非常におすすめです。また、ペン粒の選手には大おすすめのラバーになります。
低い弾道で相手に飛んでく粒高ラバーはそう多くありません。自然に低弾道のレシーブができるのは、粒高を使う選手にとってはメリットにしかなりませんから、HellFireX使ってみる価値は高いです。
コメント
いつも楽しく読ませていただいております。
質問があるのですが、
現在反転ペン粒で、カールP1Rを使っており、HellFireXに変えようか検討しております。
技術的にはブロックで切る・切らないくらいはできるレベルです。
『カールPHとP1Rを足して2で割ったようなラバー』と記載がありましたが、変化量としてはP1Rのほうが大きいのでしょうか。
またカールP1Rと比べて大きく変わる点はあるのでしょうか。
よろしくお願い致します。
いつもご覧いただきありがとうございます。
カールP1RからヘルファイアXへの変更ということですが、違いとしては
・ラバーの飛び感(カールよりヘルファイアの方が飛びます)
・粒の太さ(カールが太く、ヘルファイアが細いです)
・シートの厚さ(飛び感にも関係しますが、ヘルファイアの方がシートは薄く、ラケットの飛び感が素直に出ます)
粒高ラバーとして何を重視するかによって、どちらがいいかは一長一短ありますが、
カールP1Rは粒高の中でも引っ掛かりは強め、ボールも安定し、止めやすく打ちやすいラバーです。
ヘルファイアXは、細めの粒で変化は大きく出ますが、カールからの変更だと、慣れるまで滑るという感覚があるかもしれません。
また、シートが薄く、相手の強打を止めるには、力を逃がしてあげる必要が出てきます。カールよりも扱いは難しいでしょう。
プレースタイルが、ブロック主戦(止め専)であれば、カールのままで腕を磨くというのもありです。
プッシュを多く使いながら、相手を振り回すとぃう際には、ヘルファイアの変化が大きく出るので、相手も嫌がるのではないでしょうか。
意図的に切る動作をすると、大きく切れるのはカールです。当てるだけならヘルファイアの方が変化します。
ご丁寧に細かいところまで教えていただきありがとうございます。
ヘルファイアの方が扱い辛いラバーなんですね、、、
自分はプッシュを多く使うタイプなのでヘルファイアに挑戦してみようかと思います。
安定性はカールP1Rの方があるとのことでしたが、ナックルの対処もカールの方がやりやすのでしょうか。
グラスやヘルファイアなど、ドイツ系の粒やアンチ全般に言えることですが、日本の粒高よりも、伸び代が大きい、だけど使いこなせればという条件付きなのです。
万人受けか特化型かという違いですね。
ナックル処理に関しては、カールの方が楽だとは思います。使い手の技量にもよりますが。
なるほど、扱いやすさか変化量かどちらを重視するかという事ですね。
ナックルの件も承知致しました。
色々教えていただきありがとうございました。
またコメント投稿した際には様々ご教授いただければ幸いです。
よろしくお願いします。