ラージの常識を覆す!リンフォートパワーをインプレッション【卓球ラバーレビュー】ラージ用ラバー徹底比較

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ラバー

日本No.1ラージボールプレーヤーの「わった」さんが、開発に携わったラージボール用ラバーが、2022年6月10日に発売されました。名前は「リンフォート」。パワー、スピンという2種類を用意し、TIBHAR初のラージボール用ラバーとして、満を持して登場したラバーです。

今回は、リンフォートパワーのレビューを中心にしながら、これまで主流だった他メーカーのラージボール用ラバーと比較して、どこに違いがあるのかを考えていきます。

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専用ラバーの必要性を感じる1枚

セルロイドからプラスチックへ、ボールの素材が変わったのは、硬式の40mmボールだけでなく、ラージボール(44mm)も同じです。これにより、ラージボールの世界でも、ボールの飛び・スピン・打感が大きく変わりました。

しかし、硬式用ラバーではプラボール用が数多く登場する中、ラージボール用ラバーのラインナップはセルロイドの時代と大きく変わりません。プラボールに変わったものの、それに対応したことを謳い、新登場するラバーはありませんでした。

ここ数年で、やっとVICTASブランドが新しいラージボールラバーを出し、好評を得ています。やはり、ラージボールの世界でも、ボールの素材に合わせたラバーは必要なのです。

そして待望のラージボール用ラバー、リンフォートパワーが登場します。ラージボールの全日本チャンピオンで、TIBHARラージボールプレーヤーのわったさんが監修し作り上げたラバー。その打球感は、従来のラージボールラバーとは、全く違いました。

セルロイド時代からの継続では絶対に出せない感覚や性能。リンフォートパワーを細かく分析していきましょう。

異次元の飛び・スピード・回転を実現

では、リンフォートパワーのスペックから確認していきましょう

リンフォートパワー
ラージボール用表ソフト
厚さ:2.0・MAX
スピード125 コントロール95 スピン100(TIBHAR社内規定値)
日本製
メーカー小売り希望価格:6,820円(税込)

兄弟ラバーに、スピードを落としスピン性能を高めたリンフォートスピンがあります。(6,380円)

パッケージはオレンジ色にTIBHARロゴといたってシンプルなモノ。下の方に小さくリンフォートパワーと入っています。

トップシートは薄めで柔らかめです。他のラージボール用ラバーと同じく、縦目の粒配列で、しっかりとした布目も確認できます。粒同士の間隔は広め、粒自体も小さめの印象を受けました。

今回試したのは厚さMAXです。カット前のラバー重量は赤が37.0g、黒が37.3gでした。0.3gの違いは個体差と考えていいでしょう。ほぼ37g程度と考えて良さそうです。

わったさんと同じように、貼り付けたラケットはTIBHARのハイブリッドACインサイド。ラケットブレードサイズは156×150mmです。カット後の重量は1枚27gでした。また、ハイブリッドACインサイド(87gの個体)と合わせて、ラケット総重量は141.0gです。

ラバーのトップシートとスポンジを合わせた、全体の硬度は26HCです。

硬式から転向した際の違和感が最も少ない

ラージも硬式も同じ卓球ですが、ボールが違うとここまで感覚が違うか、と思うくらい別なスポーツになります。特に、硬式に慣れ親しんでからラージへ転向すると、ボールの飛びの小ささと、打球時の潰れ(打球感)に大きな違和感を持ちます。

小さくて硬い硬式ボールの方が、ボールの反発をもらいやすく、圧倒的に飛びやすいです。対してラージボールは、硬式ボールよりも大きいのに軽い。これにより空気抵抗を受けやすく、さらにラバーがボールの反発をもらいにくくなって、「ボールが飛ばない」という現象を引き起こします。

加えて表ソフトしか使用できないラージボールでは、ドライブよりもミート系の技術が中心になります。裏ソフトとの打球感の違いに、大きく悩む選手もいるほどです。

こうした悩みの多くを用具で解決することになるのですが、回転を取れば飛距離が立たない、その逆もしかり。また、打球感を硬式に近く硬いものにすると、ボールがつぶれて落ちることに悩まされます。そのためラージボールはラージボールで、全く別の打球感の好みを探り、用具選びに奔走することになってしまうのです。

リンフォートパワーを貼り付け、初めてボールを打つと、その飛びの良さ、そして軽快な打球感に驚きました。これまで各メーカーの主流と言われるラージボール用ラバーを数々使ってきましたが、力を入れずに打った(硬式と近い感覚で打った)時の、ボールの飛距離は最も良いです。さらに、ボールの放物線がしっかりと出来上がり、相手コートに深く届くのも硬式の感覚に近いものでした。

ミートで打ってしまうため、どうしても直線的になりやすいラージボールの飛球線ですが、リンフォートパワーの場合、手元でしっかりと持ち上がり、スピンが効いたボールで、相手コートに落ちてくれます。

飛距離を出すために押し出すように打つ必要がなく(他のラージボールラバーでは、押し打ちをしないとダメなケースも多い)、硬式と同じようにしっかりと引きつけて、手元で弾くと、自然とボールが飛んでいきます。

力を入れなくても自然にボールが飛んでいくので、ラリーがとても楽です。

ラバー自体は非常に柔らかいため、打球感の好みはラケットでつけていくと良いでしょう。

筆者は普段5枚合板ラケットに薄めの表ソフトと微粘着裏ソフトを使用しています。硬式ボールを打つ中では、硬めの打球感が好きです。このように硬めの打球感を好む方には、インナー特殊素材のラケットが最適だと思います。(アウターでは打っていませんが、硬さが出すぎるような気がしますし、飛びすぎる感じも予想できます)

硬式では柔らかめの打球感が安心するという方は、硬式用の7枚合板が良いと思います。

また、ラージボール専門でやっている、硬式の経験があまりないという方は、硬式の5枚合板、またはラージボール専用ラケットのように、さらに柔らかいラケットを選択するのもアリです。

ただ、予想以上に飛距離が出るリンフォートパワー。ラージボール用ラケットでは飛びすぎる可能性も高いです。硬式経験者であれば、ラージボール用ラケットではなく、硬式ラケットにリンフォートパワーを貼る状態が良いと思います。

これまでの主流ラージボールラバーとはどう違う?

それでは最後に、他のラバーと比較していきたいと思います。

過去記事(ニッタク:ロイヤルラージと颯のレビューはこちらから)https://akaifuku-red29.com/2020/11/18/hayate-royallarge/

手元に詳細なデータがあるのは、ニッタク:ジュエルラージ・ロイヤルラージ・颯、アームストロング:アタック8EXX PZC-SPです。これら4種類とリンフォートパワーを比較していきます。(厚さは全てMAX、ただしアタック8EXXのみ厚を使用)

価格

ジュエルラージ:6,930円
ロイヤルラージ:6,160円
颯:6,930円
アタック8EXX:5,170円
リンフォートパワー:6,820円

ほぼ横一線、ロイヤルラージが少々安めですが、6000円台の後半が相場といったところでしょう。ジュエルラージよりも安く抑えているリンフォートパワーはGOOD。

ラバー重量(カット後)

ジュエルラージ: 27.4g
ロイヤルラージ:27.0g
颯:33.1g
アタック8EXX: 27.2g
リンフォートパワー:27.0g

颯だけが飛びぬけて重いラバーになりました。基本的に重くなればスピードが上がりますが、颯のスピードにリンフォートパワーは負けてないと思います、(というかリンフォートパワーの方が速く感じる)

ラバー全体硬度

ジュエルラージ: 24.0HC
ロイヤルラージ: 23.0HC
颯:31.5HC
アタック8EXX:28.5HC
リンフォートパワー:26.0HC

最も軟らかいのはロイヤルラージで、安定感は高いです。ジュエルもほぼ同様ですが、硬式経験者としては、ラバーのコシが感じられない状態でした。しっかり打っている感じが出るのは颯、次いでリンフォートパワーでしょう。

ここからは全てのラバーをハイブリッドACインサイドに貼った状態での、個人的な感覚です。参考程度にご覧ください。

スピード
リンフォートパワー>颯>ロイヤルラージ>アタック8EXX>ジュエルラージ

スピン
リンフォートパワー>ロイヤルラージ>ジュエルラージ>颯>アタック8EXX

ミートのしやすさ
颯>リンフォートパワー>アタック8EXX>ロイヤルラージ>ジュエルラージ

ドライブのかけやすさ
リンフォートパワー>ロイヤルラージ>ジュエルラージ>颯>アタック8EXX

飛距離の長さ
リンフォートパワー>颯>ロイヤルラージ>アタック8EXX>ジュエルラージ

硬式とラージの違和感の少なさ
リンフォートパワー>ロイヤルラージ>アタック8EXX>颯>ジュエルラージ

という感じです。普段から硬式でフォアにアタック8を使っているプレーヤーなので、他の方とは感じ方が違うかもしれません。

最後に、各ラバーのトップシート画像と、その総評をご覧ください。

ロイヤルラージ

オールマイティにこなせるのはロイヤルラージ。価格も安く、ボールも安定します。ただ、飛距離は物足りなさがあるのと、強くインパクトした際にボールが底付きする感じがあって、私は上手く飛ばせませんでした。

ジュエルラージ

ジュエルラージはスピンに特化したラージラバー。とはいっても裏ソフトまでは程遠く、ミート打ちをすると少しロイヤルラージよりも回転がかかってくれる印象です。しかし、しっかり回転をかけに行くと滑ってしまう。そして飛距離が出にくいので、どうしても力んで打つようになってしまいますね。

颯はとにかくスピード重視。硬式の表ソフトユーザーが好むラバーですが、手元を飛び出すタイミングが早すぎるのと、飛球線が直線なので、安定感は作りにくいです。

アタック8EXX

アタック8EXXは、硬式ほどの変化は出ません。それでもラージでナックルを出すことはでき、すこしは相手が嫌がってくれます。厚めのスポンジにすると、高い反発力がでて使いやすくなりますが、他と比べると滑りやすさは出ます。

こうした、これまでラージボールゲームの主力となっていたラバーと比べてみると、最も硬式の感覚に近く、無理な力を入れずに打てるのはリンフォートパワーです。ネットミスが非常に多くなるラージボールにおいて、飛ぶ(飛距離が出る)ということが、どれだけ武器になるかということを、理解させてくれるでしょう。

面を開きすぎなくてもしっかりと飛ぶ、そして回転がかかるからボールが相手コートに落ちる。フォアはもちろんですが、バックハンドの攻撃がとてもやりやすいラバーでした。

私の場合、フォアよりもバックのインパクトが強い(そのためバックに微粘着の方がやりやすい)ので、普通のラージボールラバーでは、バックハンドの際にボールがつぶれて飛んでくれないということが多くありました。

バックハンドにはかなり神経を使っていたのですが、リンフォートパワーだとほぼノンストレス。ミートする際にラケット面を開かなくていいので、ブロックとミート打ちとのスイング変更をしなくていい。安定してラリーができるラバーになっています。

一度でもラージボールをやったことがあり、専用ラバーの違和感を持っていた人には、リンフォートパワー、おススメです。特に硬式とラージボールを並行して行いたいユーザーは、リンフォートパワー一択でしょう。

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