幻影と錯覚の嵐!ILLUSION SPを使えば奇術師の仲間入りだ!【卓球ラバーレビュー】

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ラバー
新作表ソフトが少なく、ちょっと元気がない国内表ソフト市場。ならばと欧州へ目をやると、まだまだいい表ソフトが眠っていますね。今回紹介するHALLMARKのILLUSION SP(イリュージョンSP)は、国内商品では似たものが無い、不思議な表ソフト。使えばもう、ラバーの生み出すマジックの世界に誘われてしまいます。
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粒高い!ビッシリ台形!スポンジ柔らか!という不思議な組み合わせ

パッケージから目が回りそうなデザイン。ショートピンプルと表記され、回転系表ソフトを感じさせます。 用意される厚さはOX・1.2・1.5・1.8の4種類。1.8mm以上のバリエーションが無く、守備用のラバーとして、メーカーが送り出していることが分かります。 WRMで販売されている色は、ブルーと黒の2種類。本当にドイツラバーのカラー化には頭が下がる。この辺りは、日本のメーカーも見習って欲しいものです。 では、トップシートから見ていきましょう。粒配列は横目です。粒形状は台形+円柱のように見えます。粒が長めなだけで、形状としては台形なのかもしれません。粒表面には布目があります。 見た感じは、スペクトルの粒を大きくして高くしてびっしりと敷いた感じ(目の方向はスペクトル縦なので、配列が違いますが)。スピンピップスくらいびっしり粒なのですが、粒を触るとぐにゃぐにゃ曲がります。スピピは低くて硬いですが、イリュージョンSPは高くて柔らかい。 モールド部分が大きく、ラケットを握った時に、粒目に人差し指がかからないのも特徴的ですね。シェークで握った時に、ラケット全体が少し薄くなったように感じます。 スポンジはオレンジの気泡はそこそこ見えるフカフカなタイプ。そこら辺のエントリーラバーよりも柔らかいです。ラージ用のラバーに近いか、それよりもフカフカで弾力がありません。 カット前のラバー全体重量は47.7gでした。160×152のラケットに貼り付けて、カット後の重量は35.7gでした。また、ラバー全体の硬度は40.5HCです。全体硬度で似ているものは、スペクトルレッド(40HC)とアタック8 43度M(37.5HC)です。 見た目は表、触ると粒高という感覚を覚えるイリュージョンSP。実際に打ってみるとどうなるのか、確認していきましょう。  

柔らかい×柔らかいのマリアージュ!変化は「する」のではなく「させる」もの

フォアにスピンファイア、バックにイリュージョンSP、ラケットは特注(板は剛力と近いです)で試打します。ラケット総重量は169.1gになりました。

対上回転

ボールが当たった瞬間に「モサっ」という打感がしました。目いっぱいまでスポンジにボールが食い込んで、ボールの勢いを殺して返球します。ただ当てるだけだと、ボールは浅くて遅い。持ちが長い分だけ、ボールは上がり、ふわふわと飛びながら相手コートに収まる感じです。 しっかり打っていくと、カキーンという気持ちのいい音が鳴る一方で、ボールは遅い。ただ、山なりのボールになりにくいので、遅くても相手コートまで低く飛んでいきます。カチッとミートできるとナックルボールになり、ミートが甘いと弱上回転で飛んでいく感じです。

対下回転

基本的に回転は食らう系のラバーです。ただ、打点さえ間違わなければ、勝手に上がるラバーでもあります。ミート打ちをするにしてもドライブをかけるにしても、ボールの上昇期を捉えてさえいれば、ネットに引っかかるということはほとんどなし。 ただ、打点を落としてしまうとそこから持ち上げるだけの回転がかからずに、失速してネットミスという感じになりました。上昇期から頂点までの間なら、回転をかけるとしっかりと乗ってくれるので、回転系表ソフトの顔が見えます。ただ、ボールに合わせるだけで打った時には、死んだナックル。 この辺りの回転差を使うと、フリックとチキータ(逆チキータ含む)の回転差で、相手が嫌がってくれます。 台上に関しては、オールフリックできるくらいボールが上がり、テンポよく攻撃できるでしょう。   ここから、オールや試合で使っているときの感想を記していきます。 ラバーとしては間違いなく回転系の表ソフトなのですが、ボールを変化させようと思いラケットを操作すると、その思い通りにボールが飛ぶのが秀逸。ナックルブロックならしっかりとナックル。カットブロックなら回転が乗るというのが、素晴らしい。ボールが遅く飛距離が出ない分、手元の操作はやりやすく、コースの変化もつけやすくなります。 ミスをしにくい表ソフトで、ラリーが引けるのが良いところですね。とりあえずラケットを間に合わせれば、多少遅れてもブロックで繋げます。この無意識ブロックと、意識のあるハーフボレーの回転差が大きく、ブロックがナックルで落とす、ハーフボレーが意外とかかっていてオーバーという状況になります。使っている側としては、ナチュラルなボールの変化でミスしてくれるのがありがたい。 変化表としてつかうには、ボールの変化量に物足りなさを感じますが、変化「する」のではなく「させる」と思っておけば、十分かと。自分の引き出し量が多ければ多いほど、活躍するラバーです。出来ることはかなり多い印象です。 また、アタック8をはじめとする柔らかい系の変化表は、使いやすい反面、ボールが浮き上がってナックルブロックになる。逆に、ヘルキャットや388C1などの硬い系は、ボールが低くいくのですが、扱いが難しい。 この点、イリュージョンSPは、変化量はそれほど多くないものの、変化ブロックになったボールが低く飛んでいくので、相手に上から叩かれる回数が減りました。ミスが少なく低く飛ぶラバーはありがたいです。 打点が落ちた、台から下げられたら、カットを推奨します。カットマン想定で作られている表ソフトなだけに、カットの切れは凄いです。ブロック同様低く飛びながらも、しっかり下回転が乗っているので、遅いボールが飛んでいる間に前に戻り、カットの後の前陣ブロックという流れに持っていけました。 カット、めちゃくちゃ気持ちよく入りますし、低くて切れてて、勝手に質のいいボールが行きます。ロングサーブをふいに出されて、打点が落ちたときも、とりあえずカットでしのぐのがラバーなりのスタイルです。   絶対的なスピードはありませんが、ボールを思ったようにコントロールできるラバーになっており、まさに自分が奇術師になったよう。イリュージョンSPはトランプやコインのようなものでしょう。マジシャンの使い方によって、良くも悪くも機能します。 自動的なナックルで困惑させるというよりも、低くボールを送り、下から持ち上げてきたところを流しブロックでコースを変えて振り回すという戦い方が向いていると思います。全自動ナックルは、軽いオプション程度。出たらいいなくらいで期待はとどめておきましょう。 使用感として一番近かったのは、スーパーキム。またはアタック8のラージ用(EXX PZC-SP)のような感じ。フカフカのスポンジが、なんでもさせてくれました。 ただ、強いループドライブの処理は少し難しいです。しっかりとスイングしていかないと吹き飛ばされます。当てるだけブロックでは、ボールを殺しきれません。チョリループは、流しハーフボレーで相手のいないコースに導いてあげると、素直にボールが収まってくれるでしょう。 守備用ラバーとしてはスペクトルS1の上位互換という感じ。回転量増し、ミス減らし、ボール遅いという守りに力を発揮するラバーです。   ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 赤井福 Instagram始めました
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コメント

  1. えぐ より:

    コメント失礼します。このラバーはブロック特化のフォア表選手にはありだと思いますか?

    • 赤井 福 より:

      フォアで変化を付けるのは、少し難しいような気がします。
      ブロックだけでは変化が出ないので、ブロックだけで勝負するならフラッシュバックのようなオートナックルラバーの方が良いと思いますよ。

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