コーチングとコンサルティング

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卓球

ここ数日、コーチとは何ぞやということを改めて感じさせられるニュースが多いですね。

一つ目に、大坂なおみ選手のサーシャ・バインコーチとの決別のニュース。テニス界ではコーチの変更はよくあり、選手>コーチの関係から、選手側がコーチを選ぶことが当たり前であり、より高みを目指すためにサーシャコーチとの関係をリセットしたことは、納得がいきます。その上で、サーシャコーチが大坂選手に対してティーチングをしていたのかコーチングをしていたのか、それともコンサルティングをしていたのか。その中身がティーチングに近かったのかなとも推察されます。

二つ目に、競泳の池江選手の白血病の発表です。詳細なことはわかりませんが、池江選手には、水泳のことやオリンピックのことなど全く考えず、治療に専念していただきたいです。これまでの大変な活躍に、日本はもちろん世界中に勇気と元気をとどけていただきました。これからは、私たち一人一人が池江選手に勇気と元気をお返しする番だと思います。焦ることなく、まだまだ始まったばかりの人生ですから、ゆっくり立ち止まって、大きな病ですが治癒されることを願っています。
このニュースのなかで、三木コーチの判断の速さと、決断は素晴らしかったと思います。選手と二人三脚の中、大事な合宿中、水泳選手が血液を1mlでも増やそうとトレーニングをしている中、血液検査まで踏み切ったのは、なかなかできることではないと思います。この決断により、早期発見ができたことは、素晴らしいことです。こちらはコーチングを通り越してコンサルティングに近い状態把握だったのではないでしょうか。

そもそもコーチングとティーチング、そしてコンサルティングの違いはなんでしょう。

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コーチングとティーチングは大きく違う

コーチングとは、受け手の中に答えがあり、その能力や回答を引き出すために手助けをすることです。ここには聴く・質問する・承認するという三要素があり、受け手の自主性を伸ばしていきながら、能力を伸ばすということです。
対してティーチングは、教え手の中に答えがあり、答えにたどり着くための道筋や説明を踏まえながら、一つの答えに対して具体的に教えていくことです。
スポーツにおけるコーチの存在は、ティーチングでありコーチングです。初心者と呼ばれる競技の導入部分ではティーチングの部分が多くなり、基本的な動きや、技術を教えていきます。その後、基本を身に付けた後は、個性に応じてコーチングにだんだんと切り替えていく必要があります。これはビジネスの世界でも同じですね。

最近ではTVで出てくる教養人がティーチングする番組が多く、林先生や池上さんのような知識を持った人に教えを乞うという形式が多いですが、コーチに必要な要素は、ティーチングではなくコーチングからコンサルティングの部分です。

名選手は名コーチになれないとよく聞きますが、これは名選手がコーチについた場合、名選手が持っていた技術を伝承するようになってしまい、本来の意味での選手の能力を向上させるコーチングにならないためです。

この上にくるのがコンサルティングです。

目指すはコンサルティング

選手の能力を引き出すだけでなく、広義な知識を持ち、高い専門性を持ち合わせるスペシャリストです。広い視野と様々な考え方を受容でき、広く信頼される人物だと思います。
ここではビジネス的なコンサルティングとはちょっと異なります。選手側が意見し、それを聞いてよりよい方向へ導いていく、相談をしながら選手が持ち合わせていない知識や見解を交えて、幅広い方面から知識の共有と、伝承をおこなっていくことです。
これには常に進化し続けるスポーツ、ここでは卓球の知識や見識を勉強し続け、最新は何か、その人に合ったものは何かを考え、体つき、筋力、運動神経、思考力などを総合的に判断することが必要です。

特に体力面や体調などには気を配り、おかしいなと思ったら立ち止まる勇気も必要でしょう。

ティーチングが多い中、コーチングあるいはコンサルティングになっている卓球教室がいくつあるのか、特にジュニア世代を育てていく中で、未知数の可能性をコーチが壊してしまうこともしばしばです。

短い時間で実績を出さないといけないコーチの世界です。実績が出やすいのは明らかにティーチングですが、長い競技人生を考えたときに、ティーチングのみを受けてきた選手は、考えたり創造することができないので、自分の力で伸びることができなくなってしまいます。コーチングの中で、考えさせ、意見を伝えられる選手に育てていくことが、スポーツ教育という面でも必要不可欠なことなのではないかと思います。

自らもコーチをしていて、ティーチングになっていないか自問自答の日々です。その中で、たとえ誤った方向だったとしても、子供たちから提案や意見が出てきて、それを検証するようになれれば、コーチングとしては一歩進んでいるのかなとも感じます。紙一重ですが、コーチングコーチが少なくなってしまうと、大人になっても一人で考えられない人ができてしまいます。生涯スポーツである卓球を通じて、一生のお付き合いもできるコンサルタントのような関係を選手と作ることができれば最高の人生かなと思います。

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