卓球ラバーに記載されている硬度、これはスポンジの硬さを表します。ドイツと日本、はたまたメーカーごとに基準が違い、表記がまちまちなので、悩む部分になりますが、ラバー全体の硬さではないことを理解しないといけません。
裏ソフトの場合、ゴムの粒々の面が、スポンジ側にあるので、ボールが当たった時に、ゴムがスポンジに食い込みやすく、スポンジ硬度だけである程度の性能分けや打感分けができますが、表ソフトは異なります。
スポンジと接しているのは平らな面になり、ボールから受ける力をスポンジに伝える能力は裏ソフトよりも小さくなります。そのため、表ソフトの場合はゴムの硬さやしなやかさが、打感や性能に大きく関わってきます。
例えば、VICTASのvo103はスポンジ硬度ドイツ40度、TSPのスペクトルはスポンジ硬度日本基準で37度となっています。
ドイツ硬度は日本よりも5程度高く表記されているので、vo103の日本硬度は35度くらいになるのでしょう。ノーマルスペクトルと同じくらいですね。
ここで、ノーマルスペクトルとvo103を打ち比べると、大きく違うラバーであることに気がつきます。
それはvo103の方がトップシートが柔らかくボールを包んでくれる、スペクトルの方が、ゴムが固くて、球離れが早いという点です。これはスポンジの質もありますが、ゴム質の大きな違いがもたらした、結果です。
おそらく非力な女子選手のバックにはvo102 などの柔らかめゴムのラバーが合いますし、男子のフォアには硬めのスペクトルシリーズがいいでしょう。
スペクトル、スペクトルスピード、アタック8、コバルトなどのゴムの硬いラバーを使ってきて、突然のvo102 を使った時には、打ってる感覚が全くなく、ポンポン勝手に飛び出していくというイメージになりました。バックの安定性を求めるにはいいですが、強いスイングには耐えられないのかなぁと杞憂しています。
同一硬度でもトップシートの硬さによって大きく印象が変わります。VICTASで一番トップシートの硬さが硬いのはスペクトルです。粒高を含めるとカールphですが、スポンジに対して、ゴムが大きな影響を持てない表ソフトでは、スポンジ硬度を求めるよりも、トップシートとの打感の相性を探していく方が賢明です。ゴムが固ければ、ナックル多めのパチンとした攻撃、柔らかければドライブ混ぜながらの、安定的な攻撃になります。
裏ソフトのように簡単に考えては行けないのが表ソフトの硬さです。全体硬度を測ってくれると嬉しいのですが、それは公式発表されていませんね。
これから表ソフトを選ぶ皆さん。スポンジ硬度に騙されず、全体の硬さをしっかりと感じて試打しましょう。
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