非常に気に入っていて、同じシューズを2足使ったロイヤルフェニックス。バレーボールのセッター用シューズですが、卓球でも抜群の機能を発揮してくれました。私にとって「正しく立つ」という目的が、しっかりと達成でき、WRMさんを訪問しての実験ではクロスステップと同じように、体のバランスを整えてくれているシューズでした。
私が使っていたのはロイヤルフェニックス2なのですが、この3代目モデルとなるロイヤルフェニックス3が2020年7月に発売しています。2の赤色が気に入っていたので、デザインが変わる3に変えるのには気が進まない面もあったのですが、ミズノの最新技術が詰まっているロイヤルフェニックス3がどういうものか、試してみたい気持ちもあり・・・。
シューズの寿命が来たこのタイミングで、ロイヤルフェニックス3へ買い替えましたので、最新モデルを徹底的に解剖していきます。かなり大きな変化がありました。
アッパー、ヒールがガッチリホールド!形が変化し一体感アップ
では、基本情報から整理しましょう。
ロイヤルフェニックス2とロイヤルフェニックス3の違いを公式情報から見ていきます。
ロイヤルフェニックス2(13200円)
- 強靭なアッパーが横ずれを防ぎ、一瞬の反応をサポートするリベロ・セッター専用モデル
- カラーは4色
- 甲材(合成繊維・人工皮革)底材(合成底)
- 質量 約250g(27㎝片方)
- インソール(マイルドクッションインソール)
- シューズ幅2E相当
- 使われている技術はミズノインタークール(通気システム)、D-Flex Groove(中足部に斜めの屈曲溝を入れることで、自然な蹴りだしをサポート)、XG(SGラバーの上を行く高いグリップ力と耐久性「エクストラグレートラバー」、PoWnCe(反発力はそのままにAP+からさらに10%軽量化したミッドソール)
ロイヤルフェニックス3(13,200円)
- ねじれるソールで一瞬の反応をサポートするリベロ・セッター専用モデル
- カラーは2色
- 甲材(合成繊維・人工皮革)底材(合成底)
- 質量 約250g(27㎝片方)
- インソール(マイルドクッションインソール)
- シューズ幅2E相当
- 使われている技術はミズノインタークール(通気システム)、D-Flex Groove(中足部に斜めの屈曲溝を入れることで、自然な蹴りだしをサポート)、XG(SGラバーの上を行く高いグリップ力と耐久性「エクストラグレートラバー」、PoWnCe(反発力はそのままにAP+からさらに10%軽量化したミッドソール)U4icX(ソフトな接地感を実現するために軟らかさを追い求めたミッドソール素材)、DYNAMOTION FIT(運動中の足とシューズの一体感を高めたアッパー構造)
見た目、結構変化があります。色の違いもですが、素材感が大きく変わりました。2は布地(フェルト)やポリ素材が多く、全体的に柔らかくふにゃっとした感じなのですが、3は合成皮革や合成繊維が多く、ガッチリした造りに変わりました。
かかとの部分は高くなり、2はこちらもポリ素材、3は合成皮革になっています。かかとのホールドは、明らかに3の方が高くなっていますね。
ソール部分は大きな変化は見えません。パターンは同じで若干母指球の部分が、3の方が丸みを帯びているのが分かります。ソールは柔らかく、少し分厚くなった印象です。
普通のスニーカーで考えると、ロイヤルフェニックス2がコンバースのキャンバスオールスター、ロイヤルフェニックス3がアディダスのスーパースターな感じ。わかりますか?布感が強かったのが、新世代なったら合皮で武装したような。ワンランク上のシューズになった感じは受けますし、高級感も高いですね。必然的に耐久性も高まっていそうです。
ベロの部分が大きく違う!これだけでワンランク上のフィット感
さて、少しずつ変化が見えるロイヤルフェニックス3への進化ですが、私的に最も進化したなと思う個所はベロの部分です。専門的にいえばシュータンの部分ですね。
2と3では、形状が大きく違います。また、取り付けの方法も変わりました。
先ほどと同じ写真です。シューレスとシュータンの部分に注目してもらうと、2は一般的なスニーカーと同じように、シューズの真ん中にシューレスが来ているのに対し、3は少し外よりになっています。またシュータンの長さは2が長く、3は短いです。
3のシュータンを拡大しました。分厚くなっているのも変化なのですが、少しこの写真では右寄りにシューレスを編み込むようになっています。また、シュータンの付け根が大きく縫い合わせてあります。
左が3、右が2です。右のシュータンは、一番下のシューレスホールまで切り込みが入っていますが、左のシュータンは下から3つ目のシューレスホールまで縫い付けてありますね。ベロが遊ばなくなり、足のホールド感が高まっています。
2のシューレスを3につけてみました。大きく紐が余る状態です。明らかにタンが短く、靴全体の包まれ感が高くなる仕様です。また、外側にオフセットしたシューレスは、足の甲の平らな部分を狙い撃ちして締め付けてくれるので、痛みや違和感が少なく、紐を占めることができますね。
全体的に分厚くなって、2と3を同じ大きさで履くと、3が少し窮屈な感じを受けるかもしれません。ちなみに私は2を27㎝、3を27.5㎝で履いています。0.5㎝大きくしても、その大きさの違いはあまり感じません。少し大きめくらいで履くのがちょうどいいかもしれないですね。
履いていると分かりますが、中はフカフカ、外はガッチリと足をホールドします。シューレスがオフセットしており、幅広の足でも窮屈感が無くなったのが、個人的には非常にGOODな点。2は紐をきつく締めると、靴の狭さが気になりました。
これだけ素材が変わりガッチリと包み込んでくれても、重さは同じとはこれいかに?材質で考えれば明らかに3の方が重くなりそうですが、そこは企業努力ですね。おかげで、実際に履くと、2よりも3の方が軽く感じます。
ソールは同じように見えるが、蹴り出しやすく止まりやすい
ソールは適度な厚さがあり、素足感覚とは言えませんが、床面を掴んでいる感触はあります。立ち姿にも変化は無く、正しく立てている感じです。かかと部分がしっかりとしたことにより、体の後傾が少なくなった感じがあります。
少し腰を痛めていて、卓球後には腰が引っ張られる感じが強かったのですが、3を履くようになってから、腰痛が改善してきました。かかと部分から自然と力が抜け、背中と腰にかかっていたテンションが小さくなったようです。
ソールは硬すぎる柔らかすぎず、丁度いい。卓球シューズ以上、バドミントンシューズ以下、この間にロイヤルフェニックス3が入ります。ショックは吸収しながらもグリップ力を保持し、ソールも硬さがあるため、減りが少ない。この辺りは2からの継承もありながら、着実に進化しているところです。
また、左右の蹴りだしがとても良くなりました。ロイヤルフェニックス2はどちらかというと縦に力をかけられるシューズでしたが、その良さを残しながら、ロイヤルフェニックス3では横方向への力を逃がしにくい構造になっています。
特に、足首を曲げて深く屈曲した際(靴が捻じれている状態)で、ソールが浮いている状況でも、接している一点で、グリップを続けようという意思が感じられます。
卓球シューズだと、足はねじれても靴が捻じれないまま床面にしっかり接し、グリップ力を上げるものが多いのですが、ロイヤルフェニックス3は靴がしっかりとねじれます。同時にソールも浮き上がり、グリップ力を失うように感じるのですが、ソール横のグリップ力が高いままなので、滑ることは少なくなります。
その上で、靴が足と一緒にねじれているため、次の動きに素早くついてきて、蹴りだした時の力の伝わりがスムーズに感じられました。
以前に履いていたウェーブドライブでは、足が捻じれても靴が捻じれないため、足を一旦元に戻してからでないと、蹴りだしのグリップ力が確保できなかったのですが、ロイヤルフェニックス3は足と一緒に靴が変化するので、「戻す」必要がないのが良いですね。
足との一体感は抜群に高く、大きな動きから小さな動きまで、どこまでも足と一緒に靴が変化するのが安心できます。靴にだけテンションがかかって、足首がグキっと行くことも、ロイヤルフェニックス3では少なくなるのではないでしょうか。
これでウェーブドライブNEOよりも5g軽い、ウェーブメダル6よりも15g軽いのは、もはや驚異的。最軽量はウェーブドライブELの225gですが、ロイヤルフェニックス3ほどのホールド感は感じられません。
おすすめとしては、軽さよりもフィット感を重視するタイプ。また、体が後ろに傾きすぎて、腰や背中を痛めがちな方にも良いと思います。足の甲が広くて、シューズ選びに苦労している人は、外側にオフセットされたシューレスを結び、その楽さを体感してみてください。普段履く靴も、こういう構造だったらなって思ってしまいます。
このクオリティでアマゾンでは8,000円台の後半で入手できる(白だけですが。赤黒は少し高めです、それでも1万円以下)シューズは他にはないのでは?卓球シューズの上位モデルは高いからと、中位(7,000円台~8,000円台)を使うなら、バレーボールシューズを履いた方がいいのではと個人的には思ってしまいますね。
これで真っ赤があればいうことなし。火の鳥ジャパンモデルで、もう一度真っ赤なロイヤルフェニックス作ってくれないかなぁ。
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