剛力と剛力快速

卓球

作馬六郎氏が開発に携わったラケット剛力シリーズと、裏ソフトラバーの剛力快速は、昨今の卓球熱が過熱している中で、マニア好みの、ストライクゾーンの狭いアイテムです。

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ニッチな市場に進出するニッタク

VICTASやバタフライが手をつけていない市場に、ニッタクが乗り出しているのが伺えます。最近では粒高のドナックルを新発売したりと、各メーカーが特殊素材ラケットとテンション系裏ソフトの開発を進めてレベルアップさせているのに対して、ニッタクはファスタークシリーズをアップグレードさせることなく販売し続け、支持を得ています。

作馬六郎氏の卓球観の中で「他人と同じことをやっていては勝てない」という部分が大きくあると思います。作馬六郎氏に指導を頼む選手は、特段運動能力が高いわけではなく、体が大きいわけでもなく、至って普通の選手たちが多いと聞きます。その中でも、トップレベルの選手を送り出せる作馬六郎氏の指導術と用具選びは、現代卓球の中で主流にはなりませんが、伸び悩む選手には一縷の望みを見いだすものなのかもしれません。

体力がない、力がないのも個性のうち

かくいう私も、体は177センチと大きいものの、足は遅く、持久的な能力は低く、筋力も低いです。体力測定ではいつも下位でした。男性で握力が30キロしかないといえば大体想像がつくでしょう。その中でも学生時代の指導者が見出したのは、ラケット角度の作り方の巧さとミートの正確さ、そして模写能力の高さと周辺視野を使った読みの速さでした。これを武器にするために、当時としては珍しいフォア表ソフトを勧められましたし、これで勝てるようになったと思います。裏ソフトのまま続けていたら、ここまで卓球をしていなかったでしょう。

今現在アドバイスをもらう、アドバイザーは現役時代シェーク両面一枚ラバーの選手で、私のボールタッチやクセ球を尊重して、直すことなく利点として伸ばしてくれています。結果、フォア表ソフトがアタック8の53度という摩訶不思議なラバーになり、バックは柔らかいラバーが好まれる現代卓球で、硬質な剛力快速となりました。ラケットが剛力になったのもアドバイザーのすすめです。

長く噛み続けると、なんとなく味がしてくる

この剛力というラケットは、以前にも紹介しましたが、万人に合うラケットではありません。30000円という高額なラケットで、簡単には手が出せないにもかかわらず、使いにくいなと思う選手が多いでしょう。

剛力と卓球をして1年以上になりますが、やっとこのラケットが何をしたいのかがわかってきました。今指導をしている卓球教室には、オーバー40からオーバー60くらいの女性の生徒さんも沢山います。私のアドバイザーでもあるコーチに憧れて、シェークの片面が一枚ラバーになる人が多く、剛力を買う方も多いのですが、数ヶ月で剛力の使用を諦めてしまう方が多いのです。

他人と違う卓球は簡単にできるものではなく、根気よくかつ発想豊かにプレーする必要があります。少なくとも1年は使わないとわからない用具だと思います。

このラケットに合わせて作ったのかはわかりませんが、剛力快速も剛力と同じように半端な気持ちで使える用具ではありません。使いやすくないわけではないですが、このラバーの特徴を引き出すには、これも時間がかかるでしょう。

発売から使い続けていますがまだ2ヶ月強では味もわかりません。一つ言えることは、なんでもできるし無難にこなせる、ただ普通のプレーをするだけならファスタークG1やV15やテナジーを使った方がいいよねということです。剛力快速に回転量やパワーは求められません。それを求めらならハイパフォーマンスなラバーを使ってください。

剛力と剛力快速が合わさって使いこなした時、伸びるブロックとナックルブロックが使い分けられ、低い弾道のドライブとスマッシュ、そしてカウンター攻撃が炸裂するのでしょう。台上プレーも、速いチキータや、切れたツッツキが出ます。さらにテンションラバー同士で打ち合うことに慣れた相手にとって、低く伸びて来ないボールは打ちにくいこと間違いありません。

いつも打ち合っている仲間は、慣れていて対処してきますが、いざ試合となり初見の相手にはとても有効な組み合わせです。反面に変化表や粒高のなどを貼る選手が多いでしょうから、より外に出た時の強さが引き立ちます。

このラケットとラバーは試合に勝つための用具です。気持ちよく打つためではなく、キレイなすごい卓球をするためでもありません。どんなに特徴のない選手でも、使い続けていけばしっかりと特殊性を持ち合わせることのできる用具たちです。このニッチな世界に、名品を送り出してくれたニッタクに感謝します。

シェーク裏裏主流の中で、自分の色を探すため、異質ラバーに挑戦している方に、長く使ってもらって味の出るものでしょう。

先日の試合で、私は最高の褒め言葉をいただきました。

「アタック8 に剛力快速と剛力で、フォアにアタック8 は正直反則ですよー。やりにくくてたまりません」

こう思ってくれる相手が出てくることが一番の喜びでもあります。自分の個性や特徴が認められた瞬間なので。

速く打つ、回転をかけるだけが卓球ではありません。野球でも豪腕投手が日の目を浴びることが多いですが、軟投の特徴的な投手はいつの時代にも存在し、輝きを失うことはありません。それは自分のいるべき世界を知り、極めたからこそ輝ける場所なのでしょう。

大勢の波に飲まれることなく、個性で勝負するアナタに。剛力は長い夢をしっかりと見せてくれるでしょう。


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