新進気鋭の卓球メーカーが送り出した初のラバー、ネバギバのトリックマスターを入手したのでレビューしていきます。
ジャコランタンのパッケージが可愛らしいですね。
では中身を見てみましょう。
柔らかく、薄めのシートです。粒は柔らかく円柱形に見えます。粒配列は横目で、粒の高さも一般的な粒高の中央値といったところでしょうか。ラバー単体では、目立った特徴はありません。
触感としては、カールシリーズのP3に似ています。グニョグニョと簡単に粒が倒れてくれます。
メインラケットであるタイニーダンサーに貼り付けました。カールPHを貼っていた時より0.3g軽くなりましたが、ほぼほぼ誤差の範囲でしょう。柔らかく感じましたが、粒高OXの割には重めの重量感です。
では試打に行きます。
ラケットセットアップは
タイニーダンサー フォア ラクザPO バックトリックマスターOXです。
まずは上回転と下回転を当てるだけとプッシュで打っていきます。
上回転は、ロングもドライブもスマッシュも気持ちよく止まります。かなり短く止めることもでき、ラバー単体では弾まない印象です。ブロック技術はかなりやりやすいでしょう。
対して下回転に対してのプッシュは、弾みの少ないだけしっかり押さないといけないですが、面さえしっかり出せれば入ってくれます。
粒高を知っている人なら、難なく使えるラバーです。
回転に対する反転性能はそこまで高くはありません。粒は柔らかいものの、根元の部分でコシがあり、完全に倒れ切る前にボールが出ていきます。ドライブを当てるだけでブロックした場合、ちょっと下回転が残るかなと言った感じです。短く収まるので、前後に振れるのはいいのですが、めちゃ切れというほどには切れません。
カットブロックは、インパクトを厚めにして、粒を倒し切ってしまえば、切ることができます。ただし、根元に少しだけのコシなので、厚く当てすぎるとボールがスリップしてしまいます。粒の持ち感がないわけでもなく、あるわけでもなく、微妙な硬さなので、トリックマスター用のタッチを覚える必要がありそうです。
OXですが、ドライブをかけることもできます。スイングスピードを上げて、粒を一定方向に倒しながら当てていくとしっかり前進回転はかかり、相応のドライブとなります。
一つ盲点としては、スピードが出ないこと。プッシュにしても、粒で打っていったとしても、簡単に失速して、相手を抜けるほどにはなりません。シェークバック粒の中でも、攻めに転じることが多い方には合わないでしょう。
しかしながら守備はやりやすく、粒の倒れ方も柔らか過ぎず、ソツなくこなせるラバーです。
回転を自分からかけられるペン粒や、バックは守備に徹するシェーク異質にはいいでしょう。
操作性が高く、粒高に打たされているというよりも、回転のかかった感じや、ナックルボールが意思を持って出せるラバーです。回転変化を大きくつけられるのなら使い勝手はいいでしょう。
とにかく弾まないラケットと合わせて、鉄の壁になるには最適です。
私個人としては、バックを少し振っていきたいので、スピードのなさが致命傷になります。上級クラスで、粒慣れしていれば完全に忘れてカモにされるでしょう。
使い手は選びませんが、使い手次第で化けるラバーです。特に守備型の粒高の使いにはオススメの一枚です。
カールシリーズなどと比べると、ラバー自体のポテンシャルは、初めは低く感じますが、自分の引き出し次第でしょう。漫然と止めるだけ、押すだけではもったいないラバーですので、新たな粒高の戦い方を探る挑戦的な使い方をしてみると、秘められた可能性が見えるかもしれません。
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