しなやかな硬さと抜群の攻撃力 GEWO NEXXUS EL Pro53 レビュー【卓球ラバー】

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ラバー

ドイツ系ラバー界で勢力を伸ばしているGEWO、ナイジェリアのアルナ選手が契約していることでもおなじみですが、そのアルナ選手が使用しているネクサスシリーズのELプロ53が、ワールドラバーマーケットにて取扱い開始となりました。以前から取扱いのある、NEXXUS EL PRO50を使用していた筆者が、PRO53を徹底解剖していきます。

NexxusEL Pro50レビュー

NEXXUS EL PRO50のレビューは上記リンクへ

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スポンジの色が違う!ラバー表面では見分けができない?

まずは、外観チェックからです。

パッケージはお馴染みの黄金で、シンプルかつカッコいいですね。しっかりとPRO53の記載もあります。

ラバー表面は、軽い光沢感のあるトップシートです。回転系テンション裏ソフトに分類されていますが、ラバーのトップシート表面で擦る打ち方ではなく、しっかりと食い込ませて回転をかけていくラバーになるでしょう。擦り打ちよりもミート打ちで、活躍してくれそうなシートです。これはNEXXUS EL PRO50とかわりません。

ちなみに、NEXXUS EL PRO50のトップシートはこちら

 

完全に見分けはつきません。ラバーのスポンジ硬度がかわっただけなので、当然と言えば当然ですが。もちろんITTFの通し番号も29-021と2枚とも同じです。

では、硬度の変わったスポンジはどうでしょうか。

NEXXUS EL PRO53はオレンジ色のスポンジ、NEXXUS EL PRO50はクリーム色のスポンジです。硬度表示をしてくれているのは、ユーザーとしてもありがたいですね。とても親切です。PRO53は、PRO50と比べると、気泡がさらに小さくなり、スポンジ自体も締まりのある印象です。単純に硬くしているという感じではなく、コシを強くしたスポンジに変わっています。硬度3度の違いですが、スポンジの弾力や、力の入力に対する応答性はPRO53の方がしっかりとしています。まさしくアルナ選手のような、ハードヒッター向けの一枚です。

カット前のラバー重量は71.8gで、157×150のラケットに貼り付けた際のカット後重量は55gでした。

PRO50とPRO53を並べた写真ですが、スポンジの色以外での見分けはつきません。それだけに、硬度違いで様々なユーザーニーズに対応できるラバーにもなっています。

53度を感じさせない食い込みと、回転性能

では、使用感のレビューに入っていきます。使用環境はいつもの通り、ラケット:タイニーダンサー01改、フォア:フレンドシップ729-563、バック:NEXXUS EL PRO53です。

ラバーが硬くなる、すなわちミートが強くできないとボールが食い込まずに落ちるだけという感覚は、多くのトップレベル用ラバーを打って、一般層が感じる問題です。トップレベルの選手のスイングスピードやミートの力を生かすために、ハイスペックラバーの多くは、その力を受け止めるために硬く強く作られていきます。単純に「硬くなる」=「良いボールを打てる」というわけでもないですし、ラバーが偉くなったわけでもありません。

それを踏まえた上で、NEXXUS EL PRO53は、ネクサスシリーズの回転性能や適度な球持ちを維持しながら、ミートのしやすいスポンジ硬度の限界値を引き上げているように感じました。回転を安定的にかけながらも速いボールが出るPRO50は、ブロックで振り回す卓球ができると評判でしたし、実際にユーザーとしてもブロックのテンポやスピードが上がり、守備的なイメージのあるブロックを、攻撃に転換できるラバーでしたが、その性能がさらに高まった感じです。

53度に引き締められたスポンジによって、射出されるボールのスピードはさらに上がり、相手の連続攻撃を詰まらせて防いだり、コースをついてノータッチで抜いていく戦い方がさらにしやすくなった印象です。ネクサスシリーズの回転系トップシートが、53度のスポンジと絶妙にマッチングし、小さく弧線を描き、ネットを超えながら相手に突き刺さっていくブロックが回せます。硬いラバーにありがちの、当たった瞬間にボールの推進力を受け止めきれずにつぶれてしまって失速するということも少ないです。

単純に硬いラバーでは、ボールが食い込まずに安定せずネットミスというケースが散見されますが、ふわっとしたボールに対しては、トップシートがしっかりと引っかかり、シートだけで飛ばしてくれるので、イージーなミスも少なくなりました。また、硬さのあるラバーで、相手の回転に対しても、良い感じに鈍感になってくれるので、台上処理や回転の上書きをしながらの、ドライブやフリックなどの攻撃もやりやすくなっています。

スピード感を上げながら、失わなかった回転性能で、安定的にかつ差し込むボールを打ち込めるラバーがNEXXUS-EL-PRO53です。

ハードヒッターのアルナ選手はもちろんOKだが、しっかりヒットできなくても大丈夫

速い、回転がかかる、強いボールを打つために必要なハードラバーですが、多くはハードヒットができないと、使い物にならないものが多いです。ラバーを硬くすると使いにくくなる、ソフトスポンジやソフトラバーの方が、一般層に好まれるのも事実ですね。

例えば、大ヒットラバーのテナジー05のハード版、テナジー05HARDは、強烈なフォアドライブが生まれる一方で、消極的になりラケットが振れなくなった時に、ボールが行かなくなってしまい、一般層には扱いの難しいラバーになっています。

そういった意味では、NEXXUS-EL-PRO53はハードにも打てるラバーになっています。アルナ選手のとんでもないフォアドライブをしっかりと受け止められるこのラバーは、ハードヒッター御用達になるでしょう。

さらに良い面としては、優しく当たったブロックでも、しっかりヒットできない場合でも、ある程度のボールコントロールができ、必ずしもハードに打たないと成立しないラバーではないという点です。ラバー自体の対応できるボールの範囲が広く、しっかり振れる層にはもちろん、ブロック主体でラケットを振れない、振るのが不得意といった層にも、ブロック用ラバーとして使えるものになっています。

回転への鈍感さ、強いボールをしっかりと受け止めて、パワーロス少なくボールを射出できる性能幅を持ち合わせていることにより、相手のボールの力を使いたい時には上手く使用し、回転などの受けたくない影響は、ラバーの硬さで上手く避けることができ、筆者のような、バックハンドドライブをあまり多用せず、バックの強いミート打ちと、打球点の早いブロックをバックハンドで使用する選手にはぴったりのラバーです。

まとめ

強めのボールでもしっかりと受け止め、自分のボールにできるNEXXUS-EL-PRO53の潜在能力は高く、よりレベルの高いプレーにも対応できるのが、53度の力です。特に現代卓球で注目される打球点の早いミート寄りのプレーにはもってこいのラバーになっています。回転系ドイツテンションの中でも、「スピードも」ではな「スピードが」出るネクサスシリーズのハイスペックラバー、ネクサスELプロ53は、硬いラバーは嫌いというユーザーも満足させられる性能を持っています。回転、安定性、スピードを48度、50度、53度のバリエーションで、幅広く選択できるネクサスシリーズ、今後のラバー市場を騒がせる存在になっていくかもしれません。

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