異質は邪道? 裏ソフトはそんなに偉いのか! 異質ラバーでいいじゃないか! 【卓球コラム】

卓球

卓球のラバーの種類には「裏ソフト」「表ソフト」「粒高」「アンチ」という4つの大きな括りがありますが、この中で裏ソフト以外を「異質」と呼ぶことがあります。試合会場でのラケット交換時、相手のラバーが裏ソフトであれば、何も思いませんが、粒高ラバーや表ソフト、アンチなどだと「うわぁ、嫌だな」とか、「相手ツブだってー」という気持ちになりませんか?このような気持ちになるがために、異質ラバーを使うことは邪なことであり、裏ソフト=正統派、その他のラバーは邪道なんて思っている人も少なくありません。今回は、異質ラバーを使ってみたいけど使えない、もしくは使わせてみたいけど抵抗があるという方へ向けて、裏ソフト以外のラバーを使うべき人、使い方などを考えていきたいと思います。

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そもそも異質ラバーって、粒高とかのことじゃないよ

異質ラバーのプレーヤーという呼び方をしますが、これは単に粒高や表ソフトを使っているプレーヤーを指す言葉ではありませんでした。「異質」というのは、異なる質と書きます。何が異なるかというとラバーが異なることを指すわけです。したがって、異質とは、表面と裏面のラバーの性質が異なるものということになります。

現在では「異質」という言葉が「裏ソフト以外」という意味で使われることがありますが、これは用法の誤りです。そもそも卓球のラバーは、元は全てが表ソフトや粒高のようなピンプルアウトのラバーでした。後発的に生まれてきたのがピンプルインラバー、つまり裏ソフトです。現在の異質の使い方をするのであれば、元々いたのは表ソフト達ですから、裏ソフトの方が異質になるわけですね。

それでも裏ソフトが正しいラバーであり、表ソフトや粒高はアウトローだと考えるのは、一種の差別や偏見のようなものと同じです。

正しい異質の使い方は、シェーク・ペン問わず、ラケットの両面のラバーの種類が異なる選手です。裏表(表裏)、裏粒、表粒、裏アンチ、表アンチ、粒アンチ、これらの組み合わせでラバーが貼られたラケットを使うのが異質型です。例えば、シェークの両面表や粒粒、アンチアンチなどの組み合わせは異質の選手とは言わないわけですね。

ラケット競技の中で、特異な卓球

では、なぜ表ソフトや粒高、アンチラバーが嫌われるのか。それは、ボールを自動的に変化させることができるからです。

テニスやバドミントンのように、すべての選手が同じ形態のラケットを使わないのが、ラケット競技の中でも卓球が特別な部分になります。テニスやバドミントンでは、すべての選手がガットを貼った面でボールやシャトルを打ち合うため、ガットには少々の性能さがありますが、基本的に打ち出すボールやシャトルの動きは同じです。プレーの方法(打ち方)によって、ボールに変化を与え、これはプレーヤー側の技量によって変わってきます。

しかしながら、卓球の裏ソフト、表ソフト、粒高、アンチという4種類のラバーは、プレーヤーの技量に関わらず、ラバーを変えるだけで、違う質のボールを生み出すことができます。

裏ソフトでは回転多く与え、表ソフトは回転を少なくし、粒高やアンチは回転を残したままボールを打ち返すことができるようになっています。この中で、裏ソフトラバーが多く使われ、ユーザーの中での主流となっているため、その他のラバーが異質なものとして虐げられたり、偏見の目で見られてしまうのです。

裏ソフトが使えないから他のラバーにするケースが多いが

裏ソフト以外のラバーを使う場合としては、「裏ソフトで上手くいかないから」「裏ソフトが使いにくいから」という場合がほとんどです。初めての卓球で、ラケットを買ってラバーを貼り揃えた場合に出来上がるのは、ほとんどが両面裏ソフトのラバー、これを使ってダメだから他のラバーにするというネガティブキャンペーンが発生しているといっても過言ではありません。

では、初めから使うのが表ソフトだったら、粒高だったらと考えましょう。なにもルールの中で裏ソフトラバーから始めてくださいという決まりはありません。裏ソフトラバーを使う理由は、相手も自分も打ちやすい、打ち返しやすいボールが打てるからです。簡単にラリーが続けられるので裏ソフトを使うだけですから、初めから粒高をつかってもいいでしょうし、アンチを使ってもいいです。これを「異」とするのは、根本の考え方が違います。

自分に合うラバーを見つけるのが卓球の醍醐味であり、楽しみ方の一つ、用具で楽しめる唯一のスポーツは卓球

例えば、テニスやバドミントンでは、素早く動き、強い筋力を持つ人が強くなりますし、試合での成績も良いでしょう。単純に運動神経と体のスペックが、競技の成績にモノを言わせます。これは若年層から高齢層まで共通です。

しかし、卓球では体のスペックがどうしても足りないユーザーでも勝つ方法を出してくれているのです。これが用具選択になります。

ここからは悩み別に、適切な用具の提案をしていきたいと思います。

1、攻撃がオーバーミスが多い、強いドライブが打てない
裏ソフトラバーの特徴は回転をかけることですが、これを使いこなせない、あるいは使えない方は無理に裏ソフトに固執する必要はありません。カキーンと強くボールを弾くことはできるけど、上手く擦れない、擦りすぎてボールが遅い、ドライブをかけようとしてフォームが大きくなり上手くいかないなどの悩みは、表ソフトが解決します。フォア面でもバック面でも、ミート打ちと擦り打ちのどちらが得意なのかを考えてみましょう。擦り打ちが苦手であればやらなければいいですし、得意なミート打ちを極めましょう。特に、腰の稼働が小さい、腕が大きく振れない、小さくスイングしたほうが調子が良いなどの場合には、表ソフトラバーを使ってみると良いのではないでしょうか。
ここでの肝は「打感」です。この感覚は先天的なものが多く、後から強制して直すというのは難しいです。打感が合うラバーが裏ソフトなのか表ソフトなのかを試して考えることで、驚くほど卓球がやりやすくなるケースが多いです。

2、速く大きくフットワークができない、なら動かなければいい
卓球で重視されるフットワークですが、そもそも動けない、動くことが不得手という選手は多いのではないでしょうか。このような場合に、動き方を教えて、簡単に動けるようになるのかというとそうではありません。そうした選手に、無理にオーバーワークをさせても良いことはありません。
それであれば動かなくて済む形を作ってあげればいいのです。例えばシェークハンドのバック面に粒高ラバーやアンチラバーを貼り、バック面で打球する範囲を広くする。台の中央に立って、変化で勝負する形であれば、フォアに大きく飛ばされて動く必要も少なくなりますし、粒高ラバーやアンチラバーであれば、相手のボールの影響を大きく受けないので返球率も高くなります。変化で崩して、フォア面にボールを送らせて、一撃で決める。この時ほとんど大きなフットワークは使いません。動けなければ動かない方法を考える、粒高やアンチを使って動かない卓球を極めることも、自分に合った卓球を目指す方法の一つです。

3、ブロックの面作りは得意、だけど攻撃が下手
ブロックには多大なセンスがあるのに、攻撃が、、、という場合には、ペン粒なんていかがでしょうか。またバック面に表ソフトなんてのも面白いですね。
ブロックの上手い人というのは、ボールの軌道に対して、素直にラケットを出せる才能がある人です。その動きは堅いわけではなく、柔らかくボールに対してアプローチできるからこその能力がそこにはあります。面を作れるということは、ボールの勢いをそのまま使えるのと同じなので、ラバーでその勢いを殺したり生かしたりすればいい訳です。
相手のボールが強ければ強いほど、変化が大きくなる粒高ラバーや、ブロックをするとナックルボールになる変化系表ソフトなどで、相手を揺さぶって勝つというのもいいですね。

まとめ

裏ソフト以外のラバーを使うというのはなかなかに勇気のいることです。ですが、体を用具に合わせるよりも、用具を体に合わせることの方がはるかに楽ですし、自分の体のポテンシャルを最大限に使うことができます。異質と呼ばれるラバーを使うには、自分の意思もそうですが、広い視野を持って、最適な提案をするコーチの存在も大きなものになります。指導者も毛嫌いせず、異質を異としない指導方法を考えるべきでしょう。

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