進化ここに極まる andro RASANTER R48 至高のテンション裏ソフト【卓球用具レビュー】

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ラバー

卓球業界の新製品ラッシュとなる4月5月、裏ソフトラバーでは、各社が粘着テンションに力を入れている中、アンドロが発表したのは粘着ではないテンション裏ソフトのRASANTER R48です。今回は話題のラザンターR48を早速入手して使用してみたので、レビューしていきます。

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今までのラザンターシリーズとは全く違う

まずは、基本スペックから見ていきましょう。

同社のラザンターR53と同様に、エナジー・セルを搭載したラバーです。厚さの展開は1.7、2.0とウルトラマックスの3種類、スポンジ硬度は名前の通り48度となっています。価格は6,500円(税抜)となっています。

エナジー・セル技術は、全てのラザンターシリーズに搭載されているわけではなく、今回のR48とR53の2種類にだけ使われている最新技術です。ラザンターシリーズにはR47をはじめとし、様々な種類がありますが、R48とR47は数字は似ていますが全く別のらばーになります。

それでは開封しましょう。

今回入手したのはRASANTER R48 赤の2.0になります。

トップシートは、輝きは少なくマットな色合いです。厚めのトップシートで、しっかりとした強さを感じます。

ロゴはシンプルに、小さくR48の文字があります。ラバーのセンターを教えてくれる「点」があるのは好印象ですね。貼り付ける側に優しいつくりです。

パッケージからスポンジまで、ラザンターシリーズのテーマカラーである緑がふんだんに使われています。スポンジはドイツ硬度48度を感じさせない柔らかい感触です。

気泡は大きめで、スポンジ自体の密度は低いです。フワフワのスポンジケーキのような見た目で、ラバーを切った際にも、スポンジ部分が細かく粉になって散る感じでした。48度の硬度ではあまり見ない現象です。今まで使ってきたラバーではなかった、硬度表示に対する感触の違いは、実際に打つとどうなるのか楽しみです。

ラバー重量は厚さ2.0で、カット前が66.9g、カット後は48.5gです(ブレードサイズ157×150に貼り付け)

今回は、R48を貼り付けるところを動画にしてみました。接着剤の吸い込み感なども映っていますので、参考にしてみてください。また、自分でラバーを貼れない方の、貼り方参考動画にもなっていますので、ご覧ください。

ラバー全体の硬さはどうか、スポンジ硬度48度の他ラバーと比較

スポンジ硬度48の設定のラバーは結構多いです。現在のテンション裏ソフトのスタンダードなスポンジ硬度になっているようですね。47度~48度周辺にいるラバーたちの全体硬度と、R48を比べてみました。

andro RASANTER R48 厚さ2.0 全体硬度49.0HC (スポンジ硬度48度)
VICTAS V15 Extra 厚さ2.0 全体硬度55.0HC (スポンジ硬度47.5度)
VICTAS V11 Extra 厚さ2.0 全体硬度46.0HC (スポンジ硬度47.5度)
TIBHAR Aurus Prime 厚さ2.1 全体硬度50.0HC (スポンジ硬度47.5度)
ミズノ Q4 厚さ2.1 全体硬度50.5HC (スポンジ硬度47度)
ニッタク ファスタークG1 厚さ厚 全体硬度52.5HC (スポンジ硬度47.5度)
GEWO Nexxus EL Pro48 厚さ2.1 全体硬度50.0HC (スポンジ硬度48度)

手元にあるデータで、比較になりそうなラバーを上げてみました。メーカー公表値では、スポンジ硬度の記載しかありませんが、トップシートを含めたラバー全体で硬度を計ってみると、しっかりと違いが出てきます。これは、トップシートの弾力どうなのか、柔らかさやシートの薄さによっても変わってくる部分です。

実際にボールを打つ際には、スポンジだけでなく、トップシートの影響を大きく受けながらボールを打ち出すことになります。その点で、ラバー全体での硬さを比べることにより、似た打感を探すことができるという利点もありますね。

ラザンターR48の全体硬度は、スポンジ硬度48度のラバーとしては少し柔らかめの数値になります。この値から、球持ちの良さ、ラバーの食い込み感が感じられやすいラバーなのではないかという予想がついてきます。

R48を実際に打ってみた

それでは、試打していきましょう。

使用環境は、ラケット:タイニーダンサー01改 ラバーはラザンターR48(2.0)と天王星を貼っています。ラケット総重量は196gとなりました。今までNexxus EL Pro43を貼っていた状況から3gの重量増です。

フォアバックの軽打(ミート系)

真っ直ぐ飛ぶというよりは、手元で勝手に持ち上がるという印象です。トップシートだけでもしっかりと弾力があり、スイングスピードを出さない軽打の状態では、スポンジまでの食い込みはほとんど無くとも、トップシートの力だけでボールは上がってくれます。不自然に弧線が高く上がるという感じは無く、手元でグリップした分だけボールが上がり、相手のコートに伸びていく弾道になります。打ったボールも相手コートで跳ね上がる感じではなく、スーッと伸びていきました。

ラケットの芯に当たると、R48は「カキーン」という気持ちの良い金属音が鳴り響きます。スポンジ硬度48度のラバーでは、軽打でそこまでの音が鳴らないことが多いのですが、R48は、ネクサスELの43度よりもさらに金属音がしっかりと鳴り響きました。

スマッシュなどの強打(ミート系)

前陣でスマッシュ系の強いインパクトで弾くと、ボールはしっかりと直線的に飛んでいきます。軽打の時に手元で持ち上がっていたボールは、強く弾くと持ち上がりが少なくなり、より直線的に飛んでいきます。フラットに打ちこむと、ボールはそのまま直線的に飛んでいくので、台に収まらずにオーバーすることが多くありました。ボールのスピードは非常に速く、高い打球点で叩き込むと、ノータッチで抜けるケースが多くなりますが、リスクも高いです。しっかりと回転をかける必要はないですが、自然に上回転になる分の回転は意識してかけてあげると、ミート系の技術も安定してくれます。フラットに打てば打つほど硬さを感じます。しっかり食い込む前にボールが飛んでいく感じが強く、安定感にはちょっと不足を感じました。同硬度でいくとNexxus EL Pro48の方が、ミート時のシートの食い込みとスポンジの潰れ方が自然で、弾く打法はやりやすさを感じました。

スピードドライブ・ループドライブ

R48は、回転をかける技術にはベストマッチです。トップシートをしっかりと引き攣れさせてあげることにより、スポンジまでしっかりとボールの力が伝わっていき、強いボールが生み出されていきます。

回転のかかりやすい、グリップの強いシートはRASANTERシリーズの代名詞でもありますが、しっかりとこれが踏襲されており、トップシートがしっかりとボールに噛みつきます。ラケット面を開いても、倒しても、ボールは落ちることなく食い込み、回転をしっかりと生み出して反発していくので、スピードと回転がしっかりと両立された重いドライブが飛んでいきました。

テナジーシリーズのように、ボールが高く上がり落ちるという感じではなく、手元でネットの高さ分だけ持ち上がり、そこからは低く伸びていく感じです。相手コートでの高い跳ね上がりも少ないので、低くて重い、そして速いドライブが自然に出ていきました。

フォア、バックともにドライブ技術に関しては文句の付け所がありません。V15エキストラでは直線的に飛びすぎてネットミスが多くなり、テナジー05では弧線が出るものの相手コートでの跳ね上がりも大きい、ファスタークG1では弾道は低く弧を描くもののシートが薄めで、グリップ感がもう少し欲しいという不満点がいくつか上がりますが、RASANTER R48に関しては、弧線は出る、低い、回転はかかる、グリップも強い、ボールは重く伸びていくという安定感と破壊力が両立されたラバーになっています。

気になる点を挙げるとすれば、ボールの絶対的な初速はそこまで大きくないということです。自分が打ちこんだ瞬間と、相手コートにつくまでの速度の落ち込みは小さいので、伸びるように感じるボールを出せるのですが、スピードの絶対値はそこまで高くはないです。ここを上げすぎると安定感も無くなっていくので、仕方ないですが。自分が打った瞬間のボールはあまり速く感じないかもしれませんが、受け手の側に立つと、減速値が極めて低いので、非常に速いボールが飛んできます。

台上技術・サービス

ポヨンポヨンという打感ではないので、ツッツキやストップも切りやすく、チキータなどの回転をかけていくレシーブは安定します。フリックなどでも、しっかりとボールをなぞっていければ大丈夫です。台上がやりにくいという感じは受けませんでした。

ただし、ラバー自体の弾みは大きめのラバーになるので、当てるだけのレシーブになってしまったり、とっさにラケットを出す展開になると、ボールがコントロールを失って浮きます。また、回転をかけやすいトップシートは、相手のボールの回転の影響も受けやすくなるために、強い回転がかかったサービスを、角度だけで入れにいくと大きく影響を受けて飛んでいきます。

相手の回転を殺してナックルという技術にはあまり向かないのかなと個人的には感じました。回転を使うよりも、どんどんと自分から回転を上書きしていくほうが、このラバーにはあっているのでしょう。

まとめ

まずは初期レビューをまとめてみました。ラケット重量もかなり重くなってしまったこともあるので、少々大味に感じる部分もありました。軽めのラケットに張り替えて、第二弾も試していきます。

基本的には回転をかける技術をしっかりと使える層には、非常に使いやすく、威力もあるラバーです。様々な意見がありますが、個人的には「ディグニクスでは飛びすぎる、テナジーに近いもの」を探しているユーザーにはぴったりなのかなと思います。今まで触ってきたラバーの中では、Nexxus EL Pro48をもう少し弾ませた感じが一番近い印象でした。価格もこなれており、ポストテナジーの中では、最有力候補なのではないでしょうか。

個人の感想では、テナジーよりも好印象です。台から出てきたボールはドライブでどんどん攻めていくという、「ガンガンいこうぜ」の戦い方を、サポートしてくれる武器になるでしょう。


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