表ソフト専用? DARKER AQUABLADE(アクアブレード)試打 【卓球ラケットレビュー】

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ラケット

今回は、ダーカーの合板ラケット、「アクアブレード」シリーズを試打していきます。表ソフトのために作られたと言われるこのラケットは、一体どんなものなのか、20年間表ソフトを使い続けた筆者も、非常に楽しみな一本です。

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ダーカーを知っていますか?

派手ではない、どちらかと言えば地味でマイナーなイメージもあるダーカー、卓球を楽しむ人の中には、このメーカーを知らないという人もいるではないでしょうか。知名度としては、知る人ぞ知るというブランドであるダーカーは、「イイモノ」を「良い技術」で使い手のために作り上げる、ラケットメーカーでもあります。

「本物だけをプレーヤーに」というコンセプトのもと、木曽檜を中心に、素材にこだわったラケット作りをしているのがダーカーです。60年もの間、メイドインジャパンに拘り、高い品質と、機能性を併せ持った名ラケットが多数存在します。近年では、表ソフトラバー「クレア」の発売が話題になりました。

アクアブレードシリーズとは

現在では希少な戦型となっている「ペン表ソフト」、ペンパチ、ペンオモとも呼ばれるこの戦型に特化したラケット作りをしたのが、ダーカーのアクアブレードシリーズです。40年もの間、ペン表ソフトユーザーに愛され、表ソフトのためのラケットとも言わしめるのがアクアブレードシリーズです。

ダーカーの考える表ソフトを生かすラケットとは、「飛びがよすぎない」、「ラケットがしならない」、「弾きがよい」この3つの要素になります。

世の中にある、高性能ラケットの多くが「よく飛び」「よくしなる」「球持ちが良い」という点で評価されます。それとは全く逆を行くのが、アクアブレードということです。いかに特殊で、特異性のあるラケットなのかご理解いただけましたでしょうか。

アクアブレードシリーズには、日頃は卓球用の木材としては使用しない「しなり」が少く、反発の低い木材と、弾きがよく飛びがよい檜材を交互に使用しており、弾きはよいが飛びすぎないという表ラバー専用ラケットととして全く異次元のものになっています。

今回使用したのは、こちらのラケットです。

アクアブレード中国式L
ブレードサイズ:160㎜×149㎜
重さ:92g(実測値)
合板構成:7枚合板(檜×シナ×桐)
板厚:7㎜
メーカー希望小売価格:11,000円(税抜き)

この他にも、シェークハンドのアクアブレードα、日本式の丸ペン、角ペン、反転式など7種類の展開がされています。シェークでは板厚が6.5㎜、反転式ペンでは板厚が6.8㎜と若干ずつ違いがあるところにも、ダーカーのこだわりが見えてきます。

手に取った瞬間に、ラケットの美しさに感嘆します。上板は手触りの良い檜になっており、ツルツルサラサラで、綺麗な木目が特徴です。

そして、私がこのラケットを打ってみたくなった、一番のポイントがここです。

この合板です。7㎜という厚みは一般的なラケットにも多く使われていますが、一枚一枚の板が、ほとんど同じ厚さで7枚しっかりと貼り付けてある、この様子を見た時に、これはただものではないラケットだなと、アンテナが反応してしまいました。

均等合板、またはそれに限りなく近い合板のラケットは数えるほどしかありません。ほとんどが、最も内側の中芯の部分が厚くなっており、添え芯、上板と外側に行けば行くほど薄い板になります。対して均等合板は、ミルフィーユのように、合板の層がしっかりと確認でき、見た目にも鮮やか、それでいて打ってみると、中芯の厚いラケットでは感じられない特別な打球感を感じることができます。

この感覚が、ダーカーの掲げる「飛びがよすぎない」、「ラケットがしならない」、「弾きがよい」につながっているのでしょうか。表ソフトと20年付き合う私が、7枚合板、特殊素材無し、板厚は6㎜台というところにこだわるのは、「飛びがよすぎない」、「ラケットがしならない」、「弾きがよい」という要素を、知らず知らずのうちに求めていたのかもしれません。

ペン表ソフトとして、試打していきましょう

今回、普段シェークハンドの私が、ペンでの試打となります。この話は、今後詳しく説明するとして、ペンでもしっかりと打てますのでご安心を。

使用したラバーは、フォア面に銀河:天王星、裏面にGEWO:Nexxus EL Pro 43です。

フォア面(表ソフト)での打球

全体的には、柔らかめの打球感です。ボールの持ちの長い柔らかさではなく、パンパンと離れが早めのラケットになっており、気持ちよくボールは弾かれていきます。

しっかりと瞬時にラケットに食い込んで、ラバーの弾きのよさをそのまま生かしてボールを飛ばしてくれるので、表ソフトラバーを使っていても、安心してボールコントロールができます。硬めのラケットに表ソフトを貼ると、球離れが早すぎてボールが落ちてしまう、柔らかすぎるとボールを持ちすぎて直線弾道が出なくなるというデメリットが目立つのですが、アクアブレードに関しては、まるで表ソフトラバーと呼応しているかのような、打球感になります。

強めに弾く時には、球離れが早くなり、パンパンと飛んでいくのに対して、打球点が落ちて持ち上げたり、体勢が崩れてしっかりラケットに当たらない時には、逆にボールの持ちが長くなり、安定してボールが飛んでいきます。プレーヤーの意思がしっかりと伝わって、木が自在に変化しているのではないかと思えるほどです。

メーカーが公表する通り、表ソフトとの相性は抜群に良いです。ここまで違和感なく、表ソフトラバーを使えるラケットとはそう出会えないでしょう。柔らかすぎず、硬すぎず、弾みすぎないけど求めているスピードは出る、特別な長所や、際立った性能が高い訳ではないので、性能評価としてはそこまで高い数値にはなりませんが、表ソフトラバーユーザーが求める、表ソフトの性能をフルに使えるラケットであることには違いありません。ペン表ソフトラケットとして40年もの間使われてきた理由がわかります。

裏面(裏ソフト)での打球

アクアブレードシリーズの打球感を生かすためには、しっかりインパクトできるラバーを選ぶべきだなと感じました。今回、使用したのはネクサスELの43度ですが、ネクサスシリーズはトップシートがしっかりしており、43度のスポンジを硬度を感じさせない、ラバーの強さがあります。

裏ソフトで打ちこんだ際には、ラケットがしっかりとボールを掴み、勝手にボールを持ち上げてくれるので、プレーヤー側としては、前にしっかりとラケットを振りこむことを求められます。ボールは勝手に上がるので、それ以上に持ち上げようという気持ちを出すと、ボールはオーバー路線となってしまうでしょう。

特に下回転打ちがしやすく、バックドライブ(裏面でのドライブ)は前に振れば振るほど重く鋭い回転のかかったボールが飛んでいきます。軽快に乾いたカキンという音も気持ちの良いラケットです。

ある程度のインパクトが出るプレーヤーは、しっかりしたトップシートのスポンジ柔らかめのラバーや、スポンジ硬度48度前後の少々硬めのラバーを使ってもいいでしょう。

逆に、強いインパクトを出せなくても、ボールはしっかり上がっていきます。この現象を強く出したい時には、スポンジ硬度43度以下くらいの柔らかめのラバーを貼ることで、使いやすさもアップします。ハードヒッターでも、力のないプレーヤーでもどちらも使えるオールマイティなラケットです。幅広いラバーとのマッチングの良さも期待できます。

まとめ

玄人好みの、「ラケットと言えば」のメーカー、ダーカーが作るアクアブレードを試打してきました。今回中国式ペンで、いい感触を得られましたが、これが板厚0.5㎜薄くなったシェークではどうなるのか気になるところです。機会があれば、シェークハンドでも使ってみたい、表ソフトユーザーなら一度は手に取ってほしいラケットでした。

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