nevaGiva TRiADは、高級木工品のようなラケット 【卓球用具レビュー】

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ラケット

nevaGivaと岡本家具、そしてワールドラバーマーケットのチャパリータさんが開発・製作・製造を行ったニューラケットTRiAD(トライアド)が発売されました。チャパリータさんがOSPラケットにも負けない、品質、完成度を誇り、性能にも自信を伺わせていたこのラケットを、いち早く入手しましたので、初期レビューをまとめていきます。

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高級木工品、そして特徴的なサイズや形状

まずは、このトライアドのスペックから見ていきましょう。

合板構成:純木11枚合板
ブレードサイズ: 縦153mm×横146mm
板厚:5.5mm±0.1mm
重量:97g±3g
グリップサイズ:97mm

非常に手触りの良い、質感の高い箱に入れられたトライアド、nevaGivaのロゴがシックに捺されています。

 

まずは特徴的なブレードサイズと、合板構成です。
表面にタモ材を使用し、中にはシナ材を使用した11枚合板という聞いたこともない合板構成になっています。卓球ラケットの多くが5枚合板から7枚合板で、一部3枚や9枚の合板構成のラケットはありますが、11枚という枚数は、いまだかつて聞いたことがありません。

赤い布で化粧されたケースの中に、トライアドは眠っていました。ブレード表面にはプリントではなく手押しのロゴがついており、その表面は非常に滑らかです。ブレード表面からグリップ、そしてラケットのサイドに至るまで、一切の妥協がされずに磨き上げられており、手に取った瞬間に、その手触りから、ただものではないラケットであることが実感できます。

その感触はOSPラケットやダーカーのラケットと比べても、ずば抜けて繊細に磨かれており、木材であることを忘れてしまうような、そんな雰囲気まであります。

タモ材が使われたブレード表面は木目が美しく、スクエアにカットされています。親指と人差し指で挟み込む、ラケットブレードのサイド部分は、一般的なラケット形状に比べて、横の張り出しが少し大きめに感じますが、握っていて違和感はありません。綺麗に成形されたラケットブレードは、指の間に当たっても、全く痛みなどは無く、ツルっとした表面で引っ掛かりなどの違和感もありません。非常に手になじむブレード形状とサイズ感です。

グリップ部分にはウォルナッドを使用しており、ブレードと材質を変えています。シェークハンドで握った際の親指が触れる部分も、角がしっかりと取れており、全ての面が、いわゆる「面取り」されているような状態です。グリップの触り心地も、木材特有のざらざら感は全くなく、しっとりと心地よく握ることができます。

ブレードに使用されているのが11枚という、驚くべき合板枚数のシナ材です。上下をタモ材で挟んでいるので、シナ材としては9枚になり、それぞれの板厚は均等に揃った、均等合板の状態になっています。11枚という枚数を重ねながらも、板厚は5.5㎜というオール木材ラケットとしては若干薄めの厚さとなっています。

よりはっきりと11枚合板を確認できるのがグリップ部分になります。ブレードサイドとは磨き方を変えていることがわかります。

グリップエンドにはネバギバのロゴマークを、ギターなどの木工品でよく使われるインレイという技法を使って表現しています。通常ロゴ部分には金属が使われることが多いのですが、全て木材だけで作り上げるという、このラケットの本質が、ここに現れています。

写真ではわかりにくいですが、グリップエンド部分とグリップサイド部分でも、ウォルナッドの光り方が変わっています。同一の木材を使いながら、磨き方を変化させることで、色味や光沢を変化させ、デザインの一つとしている点にも注目です。

手元に届いたラケットは、96.5gでした。標準重量は97gということなので、若干の軽量個体となるでしょうか。0.5gの違いだとほぼ誤差にも感じますが。

ラバーを貼った状態では、183.2gとなりました。(天王星2.0㎜とネクサスEL43度2.1㎜を貼り合わせました)

以前まで使用していたタイニーダンサー02に天王星2.0㎜とファントム極薄を貼った状態と、重量としてはあまり変わらないのですが、同重量でもトライアドの方がスイング時に軽く感じます。

重心位置がグリップ寄りに設計されており、ラケットヘッドに対する重さを感じにくくなっているためでしょう。

握った印象とファーストインプレッション

ただならぬ雰囲気をもったこのラケット、ラバーを貼るのも惜しくなるくらい美しく、そのまま飾っておきたいくらいなのですが、使用しないとラケットが泣きますので、ラバーを張り合わせ、さっそく使ってみましょう。

ラバーを張り上げた状態で、再度ラケットを握り込んでみると、重心位置は少しヘッド寄りに動きました。ちょうど、ラバーの名称やITTFマークがある位置くらいに全体の重心があるように感じます。

特徴的なフレアスタイルのグリップは、浅く握ると、グリップのくびれの部分に中指薬指小指の3本がかかり、若干の空間が生まれます。薬指の部分に最も細い部分が当たる形になり、握りは安定しながらも、強くがっしりとは握れない構造になっているようです。無駄な力が入ることを極力抑え、プレーには良い影響がでてくるでしょう。浅く握った状態では、ラケットヘッドとグリップ部分に距離ができ、適度にヘッドの重さを感じながら、振りぬくことができます。自然にラケットヘッドが返る感覚は、いい感触です。

筆者のように深く握り込むスタイルでは、特徴が少し変化するように感じました。深く握り込んだ際には、最も細い部分に小指が当たります。張り出したラケットのエラの部分に中指が自然に当たり、薬指と中指でラケットを自然に安定させることができるでしょう。また、通常の形よりも張り出したエラの部分に中指が当たることで、自然に手首がコックした状態になり、ラケットが自然にヘッドアップしてくれます。理想とされる、前腕から親指にかけてのラインが一直線になり、ミート・ドライブどちらの打法でもヘッドがしっかりと回って、鋭いボールが打ち出せるでしょう。特にミート系の技術に関しては、自然なヘッドアップが最適で、表ソフトを使ったスマッシュはとてもやりやすく感じました。

バックハンドに関しては、グリップ部分の握り込みが強くできないために、ラケットを巻き込んでシュート回転するようなスイングになりにくく、しっかりと真っ直ぐラケットを構えることができます。このグリップには、見た目以上に様々な効能があるようです。細めのフレアにこだわった理由が見て取れます。

打感については、今後、詳しいレビューを載せていきますが、10分ほど打った中で感じたのは、重さがあるラケットなので相手のボールに押されません。ブロック技術は非常にやりやすいです。

表ソフトで打った際には、ラケット表面の硬さが感じられ、球離れの早さを感じ取れました。ただし、いたずらに早く飛び出すというわけではなく、必要最低限ボールを持ちこたえた状態から、早めに飛び出していく感じです。7枚合板リンバウッドのタイニーダンサー01で打った時に近い感覚です。ラケットの弾みはよく、表ソフトでの攻撃にはやりやすさを感じました。

裏ソフトで打つと、少し感覚が変わります。球持ちが良く、しなりが抑えられた印象で、ボールがしっかりと持ち上がってくれるので、安定した弧線を作り出すことができるでしょう。打感としては、カーボンやアリレートカーボンのような硬さは無く、純木材ですが、ファイバー系のラケットに近い落ち着いた打感を感じ取ることができました。弾みすぎるわけではなく、適度に抑えらえた弾みは、ボールをしっかりとつかみ、ラバーとマッチングして回転をしっかりとかけて、重いボールを打ち出してくれます。

重量の重いラケットにはブレードサイズが大きいものが多いですが、トライアドくらいのコンパクトなブレードだと、前陣から中陣までしっかりとラケットを振り抜けるので、連続攻撃も行いやすくなります。

ファーストインプレッションで感じたのは、テンション系裏ソフトはもちろん、表ソフトや粘着ラバーでもいいボールが入るのではないかという点です。特に、粘着裏ソフトや、弾みの少ない高弾性裏ソフトと表ソフトの組み合わせが、このラケットにとって面白い組み合わせなのかなと感じました。

ラバーを選ばずに、しっかりと攻撃系の選手の要望に合うラケットだなという印象です。

まとめ

今後、しっかりとトライアドを使って打ちこみを行っていき、レビューを追加していこうと思います。特徴的なスペック、サイズ、形状は特異なラケットに思われるかもしれませんが、多くの人にとって使いやすいラケットなのではないかなと感じます。これまでチャパリータさんが作ってきたタイニーダンサー01、02よりは、はるかに一般向けのラケットです。多くの人がこの純国産の素晴らしいラケットを手に取り、卓球をより楽しんでいただけるのではないかと、筆者は考えます。

OSPラケットを肩を並べる、日本人の日本人によるラケット。どちらが上といのは甲乙つけがたく、違った側面からのアプローチになるので単純比較はできませんが、この質感と性能で、この価格は安すぎるのではないかとも感じられます。機械では作ることのできないハンドメイドの良さを前面に出した、良いラケットです。


 

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