中間硬度のバランスと、トップラバーの威力を備える エボリューションELS 【卓球ラバーレビュー】

ラバー

TIBHARのフラッグシップラバーであるエボリューションシリーズ。人気のMX-Dやトップ選手が使用するMX-Pでは実現しない、同じトップシートでスポンジ硬度だけを変えていくということがSシリーズだと可能です。MX-S、EL-S、FX-Sの3種類は、同一のノンスリップ系トップシートを使用し、スポンジ硬度を変えたラバーになります。

シートは良いんだけどスポンジが、もう少し硬い(柔らかい)方が良いなというラバー選びを可能にしてくれるでしょう。

以前に、MX-Sは紹介させていただきましたので、TIBHARのラバーを徹底比較 MX-DとMX-Sは何が違うのか?【卓球ラバーレビュー】今回は、一つ下の硬度帯である、エボリューションEL-Sを紹介していきます。

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これ、柔らかくなってる?MX-Sとどこが違うの?

TIBHARから発売されているエボリューションEL-S

まずは、基本スペックを紹介していきます。
エボリューションEL-S(カッコ内はエボリューションMX-Sの数値)
回転系テンション OFF+
厚さ:1.7mm 1.9mm 2.1mm
スポンジ硬度:43.8~45.8度(45.7~47.7度)
スピード:123(125)
コントロール:85(80)
スピン:122(120)
価格:6,600円
(数値はいずれもメーカー公表値)

スポンジは誤差2度の範囲にあるので、EL-Sの柔らかめと、MX-Sの硬めでは約4度変わります。両者の中央値では2度の差です。

EL-Sのトップシートです。MX-Sと同様に、曇り系でマットなタイプのトップシートになっています。

見た感じですが、モールドのEL-S・MX-Sの文字以外は何も変わりません。引っ掛かりや硬さも同じです。

EL-Sのスポンジです。気泡は、MX-Sと比べると粗目になりますが、そこまで大きな気泡が目立つとうわけではありません。

左がEL-S、右がMX-Sのスポンジです。若干MX-S方が気泡は小さくなりますね。EL-Sの方がザラザラしたスポンジです。スポンジだけ見ると、EL-SとMX-Dのスポンジが似ているかもしれません。

グルーを塗った後です。接着剤は染み込みが少なく、そこまで気泡が大きいわけではないことがわかります。細かな気泡の上に、グルーが乗っている感じです。スポンジが自体の柔らかさを狙ってEL-Sを選ぶと、その硬さに驚くかもしれません。

ラバーカット前の重量は、厚さ1.9mmで75.9gとなりました。
日本発売のハイブリッドACインサイドに貼り付けし、カット後の重量は48.8gでした。
MX-Sが同じ厚さでカット後重量が51gですので、ちょっとだけ軽くなったかな?くらいの印象です。

トップシートとスポンジを含めたラバー全体硬度は、EL-Sが49.0HC、MX-Sは51HCです。49.0HCだと、ヤサカのラクザXと同値です。中間硬度のバランスラバー的な立ち位置に見えますが、EL-Sでも立派なトップ仕様の硬さに近いラバーになっています。エボリューションシリーズ(S)で、過大な柔らかさを求めるのであれば、FX-Sまで選択肢を広げたほうが良さそうです。EL-SとMX-Sでは、微妙な違いに留まってしまいそうですね。

いい意味で柔らかさは感じない。MX-Sの硬さを維持しつつ、少しだけ球持ちが長い

数値的にはMX-Sと大きな違いが見えなかったEL-S。では、打ってみた時に違いはどう出てくるのでしょうか。試打していきます。

ラケット:ハイブリッドACインサイド ラバー:エボリューションMX-D、エボリューションEL-S

こちらの環境で打っていきます。

フォア・バックの軽打

軽く打っている限りでは、MX-Sとの違いは大きく感じません。MX-S同様、引っ掛かりの強いシート、そして厚めのシートで、ガッチリとボールをつかんでいるのがわかります。

スポンジ硬度が低くなると、軽打でのボールの飛び感は上がるはずですが、MX-SとEL-Sを比較すると、ミート系の軽打では、そこまで飛距離も変わりませんでした。ちょっと音が高いかなくらいの違いで、おそらくモールドを隠されて、ブラインド試打なんてことになったら、軽打ではほとんど違いは見えないでしょう。

強打(スマッシュ・ドライブ)

強くインパクトをすると、スポンジ硬度2度の違いが出てきます。ボールの弧線が高くなり、相手コートに対して浅く入るのがEL-Sです。ただし、MX-Sと比べた場合です。中間硬度のラバーとは思えないほど、EL-Sのボールは走ります。シートのグリップ感は強いままで、飛び感が少し小さくなり、MX-Sよりは、強くボールを打ち込んだ時の、相手コートへ収まる確率が高まりました。

打球感に大きな違いはありませんが、ボールの収まりは良いです。筆者はバック面にMX-Sを使用していましたが、EL-Sに変えたことで、対下回転のバックドライブが、しっかりと相手コートに収まるようになりました。MX-Sではボールを飛ばしすぎてオーバーミスだったのが、少しじゃじゃ馬感が少なくなった印象です。

シート自体は硬いままなので、しっかりと回転をかける、もしくは下回転を持ち上げるために、ボールを持つには、強いインパクトが必要です。これはMX-SもEL-Sも変わりません。この時、少し弾き気味にボールを打っても、EL-Sの方が、ボールの飛びが小さくなり、返球確率が高くなるという具合です。そもそもインパクトが出せないプレーヤーには、難しいラバーになります。強く当てられる、回転もかけられる、でもボールが飛びすぎるから思いっきり振れないと悩んでいる方には、良い選択なのではないでしょうか。

超すごいボールにはなりませんが、返球確率は高くなるので、攻撃起点のプレーできっかけづくりにはいいラバーですね。

台上処理・サービス

基本的に硬めのラバーが好きな筆者、その理由は台上処理のしやすさにあります。硬いラバーでツッツキを切る、ストップするほうがやりやすさを感じるので、今まで中間硬度のラバーは避けてきました。

中間硬度のラバーを使うと、ツッツキがポワる(切った瞬間に浮く)状態になり、レシーブが甘くなってしまうんですよね。この点、MX-Sは非常に気持ちよくレシーブができるラバーでした。

台上処理の場合、スポンジの硬さよりも、トップシートの性能が打球に大きく影響します。EL-Sでは、MX-Sと同じシートを使っているので、台上処理の感覚は、MX-S同様いい感じでした。

ツッツキは浮かない、しっかり切れる、ボールは止まる。言うことなしです。チキータも上がりやすく、MX-Sと遜色ありません。

サービスに関しても同じですが、厚く切る場合には、少し飛び感が強くなります。

シートは硬いままで、スポンジが柔らかい、その分重量が数グラム軽くなり、振り抜きが良くなるという利点もあります。硬いラバーでやりやすい、サーブレシーブ、細かなプレーはそのままに、もちろんブロックなどのやりやすさも変わりません。

ただ、EL-Sに変えた時に、相手の回転の影響を受ける量が、MX-Sよりも大きくなったなと感じました。特に、横回転や上回転に飛ばされます。MX-Sもくらいやすいらばーでしたが、EL-Sではさらに影響は大きいかなと感じますね。

ラケットの角度で回転に対して対抗するのでは、使いにくいので、個人的には別の回転に上書きするか、ボールの回転を消すタッチで対応しています。対強ループドライブなどでは、前に落とすタッチの短いブロックが、MX-Sよりもやりやすいです。

まとめ

もう少し柔らかめがいいな、もう少し硬めがいいなというように、ラバーの硬さに不満があるときに、柔らかめ(硬め)と言われるラバーに変えてしまうと、想像よりも柔らかかった(硬かった)ということが多いです。特にトップシートは気に入っているから、スポンジだけ硬度帯を変えたいと思っても、それが叶わないケースって多いんですよね。

こういった場合に、エボリューションのSシリーズは、シートを変えることなく、スポンジ硬度だけを変えることができるので、大ハズレということが少ないでしょう。特に、MX-Sのシートがとてもいいので、硬度バリエーションを整えてくれるのは嬉しいですね。

硬い・中間・柔らかいという3種類のラバーを展開する商品は、いろいろとあるのですが、厳密に同じトップシートを使用しているモノって少ないです。柔らかいスポンジになると、トップシートの性能を少し変えてしまうラバーが多くて・・・。最も硬いフラッグシップ系と、一番柔らかいバランス系のラバーだと、同じ商品系統なのに、全然違うラバーになってしまうこともあります。

例えばスティガのDNAプロ系だとHだけは別物のようなトップシートです、MやSよりも格段に性能が高いわけです。テナジー系ではそもそもトップシートの粒構造が違うし、ファスターク系もシートは変わってしまいますね。

ユーザーとしては、シート固定でスポンジ硬度を変えていくことで、自分がどういったラバーに打ちやすさを感じるのかがわかります。ラバー選びの軸を作ることができるので、スポンジの違いで、打球感がどう変わるのかを知っておくことも重要なポイントになるでしょう。

同じエボリューションシリーズでも、MX-PとEL-Pではちょっとシートが変わってしまうので、純粋にシートだけを同じにするにはMX-SとEL-S、FX-Sを使用してください。

思ったよりもスポンジ硬度は打球感に直接響かず、ボールに与える影響の多くは、トップシートがもっていることも感じることができるでしょう。

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