2021年9月6日、修正・追記
ドイツラバーの新星として登場したGEWOから販売されているNexxus ELシリーズを、各硬度それぞれを使ってみてわかったことが様々あります。今回は、総まとめとして、ネクサスELシリーズはどう選べばいいのか、自分のプレースタイルには、どの硬度がしっくりくるのかを考える時間にしていきます。テナジー、V15、ファスタークなど、テンション裏ソフトラバーの名品は多いですが、このネクサスELシリーズが名品となる日も近いはずです。
個別のラバーレビューはこちらから
しなやかな硬さと抜群の攻撃力 GEWO NEXXUS EL Pro53 レビュー【卓球ラバー】
安定感と弾き心地のよさ抜群 GEWO NEXXUS EL PRO43 【卓球ラバーレビュー】
特徴がないのが特徴? GEWO Nexxus EL Pro48 レビュー【卓球ラバーレビュー】
43度~53度までの4種類を使用しています。意中の硬度が決まっている場合は、個別レビューからご覧ください。
ラバーの重さ&硬さ比較
Nexxus ELシリーズには、硬い方から53度、50度、48度、43度、38度と5種類のスポンジ硬度が用意されています。38度については、普段私が使わない硬度であることと、使用ユーザーが少ないことが予想されるので、今回は割愛し、53度から43度の間の4枚で比較検証していきます。
まずは、カット後重量からです。サイズは157×150の一般的な攻撃ラケットの大きさに切られています。
重さの比較
- Nexxus EL Pro53 49.4g
- Nexxus EL Pro50 48.1g
- Nexxus EL Pro48 49.0g
- Nexxus EL Pro43 45.4g
という結果でした。個体差もあるので、全てのラバーがピタリ同じではなりません。参考程度にご覧ください。Pro43だけは、他と比べると飛びぬけて軽いラバーです。他に3枚、Pro43が手元にありますが、軒並み45g程度、もしくはそれを少し下回るくらいの重量でした。
重量的に大きな変化が少ないのが、53度から48度の硬質なスポンジを搭載したシリーズです。。ラケットに貼っていても、重さの違いはあまり感じられず、打球をしてやっと、硬度の違いが判る程度です。多少なりとも1gずつ程度、硬度が下がるにつれて少なくなるはずですが、今回当たったPro48に関しては、ちょっと厚めの、重めの個体なのだと思います。誤差の範疇で、Pro48がPro53と同程度の重さにもなるし、軽くもなる、重量面だけで見ると、48度以上は、大差ないという結論です。
普段48度の硬度帯を使用し、もう少しラバーを重くしたいと思っているユーザーや、50度を超える硬度帯で、ラバーの重さに苦労している人など、中間硬度帯にしては重めで、高い硬度帯としては軽めのラバーとして、重量調整に利用することもできるのではないでしょうか。
ちなみに、今回のラバーは、すべて赤の2.1㎜で検証しています。
硬さの比較
硬度計を使って、ラバーの全体硬度も比較してみました。結果は次のとおりです。
- Nexxus EL Pro53 55HC
- Nexxus EL Pro50 54HC
- Nexxus EL Pro48 50HC
- Nexxus EL Pro43 46HC
同一のトップシートを使用しているので、スポンジの分だけ順当に柔らかくなっています。
HCという硬度の基準は、あまり使用するものではないので、他メーカーのラバーの数値もいくつか挙げておきます。
Nexxus EL Pro53 55HCに近いのは、
ティバー:エボリューションMXS 55HC
VICTAS:V15エキストラ 55HC
SWORD:パラディンブルー 55HCです。
Nexxus EL Pro50 54HCに近いのは
ドニック:ブルーファイアJP01ターボ 54HC
ニッタク:ファスタークG1 53HC
ヤサカ:マークV(皮付) 52.5HCです。
Nexxus EL Pro48 50HCに近いのは、
VICTAS:VS402リンバー 50HC
バタフライ:ブライスハイスピード 50HC
ティバー:アウラスプライム 50HC
ミズノ;Q4 50.5HCです。
Nexxus EL Pro43 46HCに近いのは、
ヤサカ:マークV 48HCです。
この硬度測定は、トップシートとスポンジを合わせたラバー全体の硬度を計ったものです。一般的に、卓球のラバーの柔らかさは、スポンジ硬度だけでしか表記されませんが、トップシートの質感や硬さ、柔軟性はもちろん各ラバーそれぞれにことなります。ボールが当たって、ラバーが作用するのも、トップシートとスポンジの合わせ技です。したがって、全体硬度を知っておくと、単純なスポンジ硬度の比較よりも、より似たラバーを探し出すやすくなります。
Nexxus ELシリーズの各ラバーに近い、他メーカーのラバーから、自分が好む硬度が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
各ラバーを解説
Nexxus EL Pro53
ナイジェリアのアルナ選手が使用するのが、このPro53です。シリーズの中では最も硬いスポンジを搭載しています。
53度というと、かなり硬質なイメージを持ちますが、柔軟でコシのあるトップシートのおかげで、異常にスポンジが硬いという打感ではありません。
しっかりと当たれば、ミートもブロックもドライブも、強いボールが飛んでいき、その初速はシリーズ随一です。最も攻撃的なラバーになります。
難点としては、パワーのあるボールが出る分、緩く薄く触ってしまった時に、ボールが落ちる感じがあります。硬質なスポンジを搭載するラバーではよくある現象です。
パワー系のフォアドライブで押していくタイプ、前陣でもカウンタープレーを力で押していくタイプにおすすめです。
Nexxus EL Pro50
バックに使える硬めのラバーとして優秀なのがPro50です。WRMでも「左利き選手のバック」におすすめとしていますが、もちろん右利きでも、前陣でブロックで振り回す戦術が容易に取れます。
Pro53よりも、弱当たりした時のボールの落ちは少なく、初速の速いブロックが繰り出されます。ワンコースブロックをしていると、相手がどんどんと詰まっていく、高速ブロックが自然に出るラバーです。
とはいっても、決してぶっ飛び系のラバーではなく、テンションラバーの中ではコントロールがしやすいラバーで、相手のボールの威力を上手く使える一枚になっています。強いボールが来れば来るほど、しっかりと受け止めて、倍返しする、自然にカウンター攻撃が生まれていくラバーです。
シェークバック面で、ブロックを軸に戦う選手、フォアバックともに前陣で、コンパクトなスイングで戦う選手におすすめです。
Nexxus EL Pro48
Nexxus EL Proのベンチマークとなるのが、Pro48です。Pro50と比べると、スピードが速いわけではないですし、Pro43よりは硬めで食い込ませにくいのですが、高い次元でバランスのとれたラバーになっています。
どれを選ぶか困ったら、まずはPro48を使用してみると、Nexxus EL Proシリーズがどのようなラバーかを感じ取ることができるでしょう。前陣、中陣、後陣、どこからでも隙のないラバーで、プレースキルの高い選手であれば、「ラバーをしっかりと使いこなしている」「ラバーにプレーを邪魔されない」という安心感にもつながります。
技量があれば、しっかりとそれに応えてくれる、プレーヤー主体のバランスラバーです。
Nexxus EL Pro43
テナジーや、ファスタークG1、V15 エキストラなどのハイパフォーマンスラバーでは、ボールの制御ができない、でもハイスペックテンションを使ってみたいという方には、Pro43がおすすめです。
ロゼナやファクティブシリーズ、V01などの、最上位グレードから一つ落ちた中間グレードのラバーよりも、回転量、スピードなどは高くなっています。
柔らかいスポンジが、プレーを楽にしてくれて、しっかりかかる、弾ける性能に加えて、ボールを自分のものにして、台へのおさまりが非常に良いラバーです。
上位硬度の3種類よりは、スピードボールやパワーボールが出ませんが、使っているプレーヤーは安心して、そしてしっかり打てなかった時でも、ある程度のボールがしっかりと入ってくれる、使いやすいラバーです。
女子選手のフォアラバーや、男子選手のミートを主体としたバックラバーに最適です。
まとめ
Nexxus EL Proシリーズ、正直な感想は、どれも「良い」です。
質の高いトップシートが、シリーズの性能を下支えし、プレーヤーのニーズに合わせてスポンジ硬度を多彩にラインナップするNexxus EL Proシリーズは、知名度が高くなれば、爆発的に広がりそうな良質ラバーです。
トータルバランスに優れ、プレーヤー主導で無理をさせないラバーは、性能競争が過激化するラバー市場では希少な存在ともいえるかもしれません。
Nexxus EL Proシリーズで「ラバーに打たされる」のではなく、「ラバーで打っている」「ラバーを使いこなしている」感覚を持ってみてはいかがでしょうか。
※2021年9月6日現在
WRMさんとゴブリンズさんのコラボ動画(動画URLhttps://youtu.be/QXCof0Bo3rQ)が公開され、ネクサスシリーズが値下げされて販売されています。
コラボ動画内で、「3,500円ならコスパ最強!!」と評価されていたので、これに合わせ、税別3,480円(税込3,828円)で、ネクサスシリーズを購入できる!ネクサスが気になっていた方は、この機会に、WRMさんから購入してみてはいかがでしょうか。
コメント